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数理のチカラ − 桂田 祐史

発見以来200年の謎 クラドニ図形を解き明かせ!

明治大学 総合数理学部 現象数理学科 桂田 祐史

まるで現代アート!?砂と板が生みだす不思議な世界



振動する板の上に砂をまくと浮かび上がるきれいな模様を、クラドニ図形と言います。振動する場所にある砂が跳ね、振動しない場所に集まるという単純な原理ですが、では板はどのように振動するのでしょう。

この現象は微分方程式でモデル化できますが、実際どんな図形が描かれるかの解明にはコンピュータによる数値計算が欠かせません。計算法を誤ると解を求めるのに莫大な時間がかかります。そのため、いかに少ない計算量で高精度の解を得られるかが研究の鍵となります。

現象数理学科は誕生から日が浅く、研究実績は皆さんが積み重ねていくことになります。ここでは以前在籍していた数学科での(学生の)卒業研究を具体例としてご紹介しましょう。「楕円形の酒場の数値計算」は推理小説が元ネタです。一方が楕円形の酒場で密談し、他方が音の反射を利用してそれを盗み聞きする場面があります。この現象は実際に起こりうるのでしょうか。楕円の法則や音の方程式を使った数値計算で真実に迫りました。

ニュートンやガリレオは優秀な数学者であり物理学者でした。数学も物理も根底をなすのは好奇心や計算の重要性です。現象数理学科は常に「なぜだろう?」「本当だろうか?」という疑問を持った高校生をお待ちしています。
桂田 祐史 / 微分方程式に対する数値計算法の数理の解析
さまざまな現象は数学的に微分方程式でモデル化できますが、微分方程式はいつでも解けるとは限らず、コンピュータによる数値計算が必要になります。その方法を数学的に解析して、より優れた計算法を開発することを目標に研究しています。

数理のチカラ : 現象数理学科

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