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学振特別研究員採用者体験談9

村上 庸人 氏(研究分野:農学・環境学)

2019年度DC2採用

在学中の所属:農学研究科 生命科学専攻 生体機能物質学研究室

(1)学振特別研究員へ申請しようと思ったきっかけ

・研究費と給料がもらえる。
・実績(学術論文や学会発表等)が増えてきた。
・研究費の申請、書類作成に挑戦してみたいと思った。

(2)学振特別研究員の申請開始時期及び申請を終えるまでの期間について

博士2年生の4月上旬にDC2申請を決意し、作成を開始した。4月中旬~下旬に指導教員と申請書内容について相談を開始した。そこからブラッシュアップを重ね、5/13学内〆切に提出した。自分は非常にスタートが遅かったため、指導教員には大変な迷惑をかけてしまった。
とにかく早期に草案を作成し、指導教員のほか、専門分野の近い他研究室の先生方(科研費等の経験者)に見ていただくことが肝要である。

(3)申請書作成時の留意点、苦労話、採用につながったと思うポイント等

・記載事項全体として、重要な点では図(可能な限り単純明快)を取り入れること、白黒プリントでもわかるようにすること、重要な箇所は下線で強調することを徹底した。
・各項目において、研究内容の「独創性」と「意義」を重ねて強調した。
・具体的な研究計画の項目では、計画を実施する技術基盤の有無(基盤は既にあるか、現段階でなければ教わるあてはあるか、等)に加え、予備実験データの内容も積極的に記載し、「実現可能性(説得力)」をアピールした。
・幸運なことに、自分は学振申請〆切直前に論文が1報受理され、書類作成で忙しい時期でも平行してレフェリーへの対応を続けてよかったと感じた。業績の数はきわめて重要なファクターになるので、最後まであきらめないことが重要であると改めて実感した。
・ 「研究者を志望する動機」や「目指す研究者像」の項目では、自分がこれまでどういったときにやりがいや自分の成長を感じたか等を手がかりに、自分の研究者としての「将来性」や「熱意」をアピールした。「自己の長所」の項目においては、自分の研究活動を実際に見ている他者(教員、後輩、先輩)からの評価がとくに参考になった。

(4)特別研究員になって良かったと実感したこと

・研究費(特別研究員奨励費)が支給され、これまでより研究に専念できた。
・月々の給料(研究奨励金)に加え、明治大学RAの給与、授業料免除等経済的な支えが非常に大きく、負担が大きく軽減された。
・申請書を一通り書くことで、論理的な思考力や、研究者としての考え方を改めて見直す機会が得らえた。
・研究計画をきっちりと設定し、これをもとに後輩指導をおこなうなかで、研究のマネジメント力を養うことができた。
・就職活動(自分の場合は民間企業ですが)において学振の特別研究員という、ある種の肩書きが一定のアピールポイントとなった場面が多かった。

(5)特別研究員を目指す本学大学院生へのアドバイス

・申請書作成は学生の力だけでは絶対に限界があるので、ともかく早急に草案を作成し、指導教員と議論を重ねること。他研究室の教員等にもお願いできれば、なお頼もしい。
・たとえ内定に至らなくとも、申請書を書き上げる経験は今後研究を続けていくなかで非常に貴重な財産になるので、ダメ元と思っても挑戦してみるべき。
・文章作成にあたっては「独創性」と「説得力」を常に意識する。
・業績(とくに学術論文)の数は重要な強みとなるので、最後まであきらめない。
・計画性だけではなく、「熱意」や「将来性」をアピールすること。
 今後学振申請に挑戦される皆様のご健闘をお祈り申し上げます。