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学振特別研究員採用者体験談10

高波 紳太郎 氏(研究分野:自然地理学)

2019年度DC1採用

在学中の所属:文学研究科 地理学専攻 吉田英嗣研究室

(1)学振特別研究員へ申請しようと思ったきっかけ

 申請当時、私の所属する専攻で学振DC1採用の先輩が活躍されていたので、私もそれに続こうと応募しました。特別研究員への申請を決めたのはM1の冬だったと思います。指導教員の吉田先生をはじめ地理学専攻の先生方からも特別研究員への申請を後押ししてくださいました。周囲に学振特別研究員を輩出する環境があるのは幸運なことだったと思います。

(2)学振特別研究員の申請開始時期及び申請を終えるまでの期間について

 2月に前年度の申請書類を日本学術振興会のサイトから入手し、申請書の様式と記入欄を確認しました。申請書自体の作成を始めたのは4月上旬のことで、明治大学大学院の説明会に参加した後でした。4月20日頃に申請書の初稿が完成し、指導教員に添削をお願いしました。学振へは5月初頭に修正版の申請書を提出しました。

(3)申請書作成時の留意点、苦労話、採用につながったと思うポイント等

 申請書を修正する際には、研究の背景や計画に関する箇所の読みやすさを優先しました。文字サイズと行間隔を拡大したうえで図を新たに挿入しようとすると、本文の文字数を削らなくてはなりませんでした。この分量を削る作業はより洗練された文章を考え出すためのよい訓練になったと思います。
 特別研究員への採用につながった点としては、幸いにも申請書提出直前の4月に単著論文が国内学術誌に掲載されたことが大きかったのではないかと思われます。申請当時は論文が受理されるだけでなく、発行されていなければ申請書の業績欄に書けなかったものと記憶しています。

(4)特別研究員になって良かったと実感したこと

 学振特別研究員には給与が支給されるうえに明治大学の学費が全額免除となる恵まれた制度があるおかげで、経済的にたいへん助かっています。また、特別研究員は学生でありながら研究費(科研費)を研究代表者として使うことができ、各種手続きを進めるなかで研究者になる目標に一歩近づいたと実感しました。これらの手厚い支援は、研究成果をあげて早く期待に応えなくてはという励みになっています。

(5)特別研究員を目指す本学大学院生へのアドバイス

 申請に向けての準備は早く始めるほど有利です。申請までに期間のある方は、論文の投稿に挑戦されるのが良いと思います。研究業績を増やすことは特別研究員への採用にあたって直接の評価対象となるだけでなく、論文が掲載されるまでの執筆過程において学術的な文章を書く力が鍛えられ、より高評価を得られる申請書の作成に繋がるでしょう。