Go Forward

学振特別研究員採用者体験談14

※採用者の意向により、氏名は公開しておりません。(研究分野:土壌物理学)

2020年度DC2採用

在学中の所属:農学研究科 農学専攻 土地資源学研究室

(1)学振特別研究員へ申請しようと思ったきっかけ

 研究者を志して大学院への進学を決めた際に、指導教員に本制度を紹介してもらったのがきっかけでした。金銭面での不安がかなりあったため、なんとか採用されたいと思いました。

(2)学振特別研究員の申請開始時期及び申請を終えるまでの期間について

 2、3月に申請する研究内容の構成を検討していましたが、本格的に申請書類を書き始めたのは4月の初旬でした。それから3週間ほどで申請書を一通り書き終え、指導教員や研究室の先輩、友人に申請書を添削してもらいました。ゴールデンウイークは添削やアドバイスを反映するために充て、5/9の学内〆切に何とか間に合いました。特にD1で申請する場合、4月は入学に伴う諸手続きや他の研究費の申請等で忙しかったので、もう2週間は早く、申請書を書き始めたほうがよかったと思いました。

(3)申請書作成時の留意点、苦労話、採用につながったと思うポイント等

 私が申請書を書き始めたとき、研究計画はあるものの、何から書き始めたらよいか分からないと感じました。そこで、私が初めて競争的資金に応募する際、人の目に留まる申請書を書くためにやってよかったと思ったことを2点挙げます。
 1つ目は他人が書いた申請書を読むことです。先人の申請書の内容は模倣してはいけませんが、枠組みは真似をしてもよいです。例えば、背景から目的への導入の仕方、申請書特有の言い回し、ハイライトの使い方、どんな図表を盛り込むか、図表の大きさや数等です。様々な申請書を読んで、よいと思った部分は自分の申請書に積極的に取り入れることをお勧めします。
 2つ目のポイントはたくさんの人に申請書を見てもらうことです。指導教員や先輩には複数回添削していただいた他、理工学研究科に在籍していた友人にもみてもらいました。DCの審査区分は大きい枠組みなので、ほとんどの場合において、審査員は申請者の研究の専門外であると想像されます。従って、自分の専門とは異なる人が読んでも申請研究の良さが伝わることが重要であり、所属研究室外の人にも添削してもらうことをお勧めします。私は申請書の作成が間に合いませんでしたが、明治大学には申請書の添削サポートがあります。例年4月上旬がサポート応募の締め切りなので、ここまでにドラフトを作成することを目指すとよいと思います。

(4)特別研究員になって良かったと実感したこと

・経済的に安定したこと
 特別研究員になると研究奨励金(給与のようなもの)が月々もらえるだけでなく、学費が免除になります。さらに大学のRAも兼務可能です。
 バイトや助手の業務に追われることなく、研究に専念でき、非常に助かっています。
 
・研究費が支給されること
 実験の実施や学会への参加に必要な費用を自分が獲得した研究費で賄うことができます。
 
・研究計画の立案と研究内容を説明するスキルが身につくこと
 これはDCの申請書を書いてよかったことですが、今後研究者としてキャリアを歩むうえで、欠かせないです。申請書の作成に悩まされた分、向上したと思います。

(5)特別研究員を目指す本学大学院生へのアドバイス

  申請書を書き始めると、「何から手を付けてよいか分からない」や「なんで自分はこんなに文章を書くのが下手なんだろう」と思うことでしょう。それは普通なことなので安心してください。そういう時は1人で考え込まず、周囲の人の手を借りましょう。悩みを口にすることで、頭の中が整理され、解決策が思い浮かぶかもしれませんし、思わぬアドバイスをもらえるかもしれません。少なくとも励ましてくれると思います。また、例え、できの悪いものでも書き上げてしまえば、周囲の人がより良いものになるよう手を貸すことができるので、諦めずに取り組みましょう。
皆様が良い結果を得られることを祈っています。