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学振特別研究員採用者体験談16

市田 優 氏(研究分野:数学(解析系応用数学・力学系理論))

2021年度DC1採用

在学中の所属:理工学研究科 数学専攻 矢崎成俊研究室

(1)学振特別研究員へ申請しようと思ったきっかけ

 申請をすることで自分のこれまでの研究を整理することができ、かつこれからの研究計画を立案する良い機会になると考えたからです。さらに科研費である特別研究員奨励費の使用と本学の学費免除の制度に大変魅力を感じたことも大きな理由の一つになります。

(2)学振特別研究員の申請開始時期及び申請を終えるまでの期間について

 博士後期課程に進学を決断した3月頃に書き始めました。3月中は自分が納得するまで誰にも見せずに加筆と修正を繰り返しました。そして4月に指導教員に見てもらい、数学科の複数の先生や本学の添削講座にて他学科の先生に添削していただき、4月末に納得のいく申請書になりました。

(3)申請書作成時の留意点、苦労話、採用につながったと思うポイント等

 新型コロナウイルスの影響もあり、対面での申請書の相談などができなかった点が大変でした。メールや(当時はまだ慣れていなかった)オンラインツールを駆使して当時の指導教員や現在の受け入れ指導教員と申請書の添削や内容の吟味をしました。
採用につながったと思うポイントですが、
1.自分に近い分野の先生やそこまで遠くない分野の先生などに申請書を添削していただくことで、内容をより精査すること
2.必ずしも自分の専門の方に審査されるとは限らないので、専門外の方にも自分の研究の魅力や面白さ、独創性や意義が伝わるような熱量のある文章にすること
3.申請書を通して自分の研究の魅力やダイナミックさが専門外の方にも伝わるような単純明快かつ効果的な概念図を入れること
だと思います。

(4)特別研究員になって良かったと実感したこと

 大きく分けて3点あります。
1つ目は学費の免除制度です。
2つ目は、必要な書籍の購入や旅費といった費用を自分で獲得した研究費で賄うことができる点です。
3つ目は本研究員の申請を通して、説得力のある論理的な文章を書く力が申請以前より少しは向上されたと思っています。この力は今後研究者以外の人生になったとしてもきっと役立つはずです。

(5)特別研究員を目指す本学大学院生へのアドバイス

  申請をすることで、自分の研究のどこが面白いのか、どこに魅力や発展性があるのかということを捉え直すことができるでしょう。また、新発見もあるかもしれません。申請書を書くのは大変ですが、自分の研究をわかりやすく伝える練習となり自分を大きく成長させることのできるチャンスだと思って挑戦することを勧めたいと思います。