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学振特別研究員採用者体験談22

伊藤 聡志 氏(研究分野:情報学)

2021年度DC2採用

在学中の所属:先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻 菊池研究室

(1)学振特別研究員へ申請しようと思ったきっかけ

 私がはじめに学振特別研究員に申請しようと思ったきっかけは,修士2年の4月に指導教員の先生から,博士課程に進学するのならば特別研究員に申請した方がよいと勧められたことです.

(2)学振特別研究員の申請開始時期及び申請を終えるまでの期間について

 4月に申請することを決めて申請書類を作り始めました.自分の研究についての書類には特に時間をかけ,指導教員の先生や他学部の先生に添削をしていただき,何度も修正をしました.

(3)申請書作成時の留意点、苦労話、採用につながったと思うポイント等

 私は特別研究員の審査に2度落ちています.M2のとき(2018年)に申請したDC1は不採用Cで,D1のとき(2019年)に申請したDC2は不採用Aでした.そして,D2のとき(2020年)に申請した際にようやく,特別研究員DC2として採用されました.採用通知が12月25日に送られてきて,とても嬉しかったことを覚えています.
 採用につながったと思うポイントは2つあります.1つ目は,申請書を書く際に,自分の研究のすばらしさが他分野の先生にも伝わるように心掛けたことです.明治大の学振申請サポートのひとつである申請書添削サポートのおかげで,自分の申請書では研究内容が分野外の先生に伝わらないことを知ることができ,申請書改善の大きなヒントを得ることができました.2つ目は,申請時の業績の数です.私が学術雑誌等に発表した論文の数は,2018年には0本,2019年には1本,2020年には2本でした.恥ずかしながら,不採用であった2018,2019年の申請書の内容はほとんど同じだったのですが,業績のジャーナルが0本から1本に増えただけでランクがCからAに上がっていたことが印象に残っています.

(4)特別研究員になって良かったと実感したこと

 毎月の研究奨励金(月20万円)や,応募することで受けることができる科研費の特別研究員奨励費(毎年度最大150万円以内),採用年次の明治大学の学費免除などのおかげで,とにかく金銭的な余裕ができました.そのため,研究活動に打ち込むことができ,論文執筆や博士論文作成に集中することができました.また,特別研究員に採用されたこと自体が大きな業績になるため,就職活動の際の強力な武器になりました.

(5)特別研究員を目指す本学大学院生へのアドバイス

 特別研究員に申請するためには多くの書類を用意する必要があるため,準備にうんざりしてしまうかもしれませんが,もし採用されれば非常に多くの恩恵を受けることができます.はじめは申請書や研究計画書等をどう書いたらよいかがわからないと思いますが,明治大学では申請書類作成のサポートを大いにしてくれるため,それらを利用することを強く勧めます.そして,もし不採用になったとしても,自分のこれまでの研究を振り返ることや,これから行う研究の計画を立てることは,研究者としてのレベルアップにつながりますし,私のように3回目でようやく採用されるかもしれません.諦めずに,根気強く頑張ってください.