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学長室

授業はおもしろいですか? −FDの取り組み−

2010年06月01日
明治大学

副学長 山根 徹夫


 最近読んだ「脳を活かすアインシュタインの言葉」(茂木健一郎監修)のなかに、アインシュタインが「学び」について語ったこととして、「教えるということは、そこで提供されるものがつらい義務としてでなく、価値ある贈り物とみなされるようなものであるべきである。」「大学の講座というのは多数ありますが、賢明で高潔な教師というのはまことに少なく、その間の隔たりはまことに大であります。」「あなたのお子さんが私から学んだだけ、私もお子さんから学んでいるのですから」という言葉がのっていました。すばらしい言葉であると思います。私たちに多くのことを教えてくれます。

 今、大学について教育の質保証ということが強く叫ばれています。教育の質保証とはアインシュタインの言葉を借りれば、授業など大学教育が「価値ある贈り物」といえるものにしようということです。そのためには、大学教員が「賢明で高潔」でなければいけません。そのために必要とされているのがFD(ファカルティディベロップメント)です。

  FDとは、一般的には、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取り組みをいいます。具体的には、新任教員のための研修会の開催、授業方法についての研究会の開催、教員相互の授業参観の実施などがあげられます。2008年度から国の法令(大学設置基準)で大学に実施が義務付けられ、本学をはじめ多くの大学で何らかの形で実施されていますが、必ずしも十分効果があがっていないと指摘されています。各種の調査をみても、学生の皆さんの教育に対する満足度は高いとはいえず、授業の改善に対する要望も強くあります。このため、「FDの実質化」ということが重要な課題となっています。

  2010年度、教育開発支援センターでは、FDを実質化するために、優れた授業を実践している教員やFDに積極的に取り組んでいる教員を学長が表彰する教育顕彰制度の実施及び情報通信技術を活用した教員と学生の双方向型授業の推進に向けて検討を進めます。

  このようなFDの取組により、学生の皆さんから、本学の教育が「価値ある贈り物」であったといわれるようにしていきたいと考えています。