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日本初の女性弁護士・中田正子

2010年11月16日
明治大学

副学長(和泉キャンパス担当) 山泉 進


 現在、明治大学中央図書館ギャラリー(駿河台リバティタワー1F)で、生誕100年を記念して「中田正子展」が開かれています。この催しは、鳥取県と明治大学とが共同企画したもので、別にリバティアカデミーで4回にわたる連携講座も開催されました。わたしも、10月17日の第1回の講座で、鳥取市歴史博物館の学芸員である奥村寧子さんといっしょに、中田正子の生涯と女性弁護士誕生の歴史について話をしました。

 職業における男女平等のもとで、女性弁護士という言い方に多少の違和感を抱く人もいるかもしれませんが、女性が弁護士になる道が開かれたのは、戦前、1936(昭和11)年になってのことでした。代言人にかわって弁護士が登場するのは1893(明治26)年のことですが、「日本臣民にして民法上の能力を有する成年以上の男子たること」という資格が定められていました。

 中田正子は、1910(明治43)年東京、小石川に生まれ、明治大学女子部を卒業して、法学部に進み、1938(昭和13)年当時の高等試験司法科に合格しました。3名の女性合格者はいずれも明大女子部出身者でした。中田正子が弁護士試補考試に合格して弁護士になるのは、その翌々年のことで、年齢も30歳に届く頃、前年には結婚もしていました。その後は、夫の出身地である鳥取県に移住、その地で先駆者としての生涯を閉じました。

 「中田正子展」は、来年1月28日まで開催されていますので、是非ご覧ください。詳しくは明治大学図書館のホームページでご確認ください。

明治大学図書館ホームページ
http://www.lib.meiji.ac.jp/
中田正子展・関連ページ
http://www.lib-ref.jp/meiji/opennews/NewsViewAction.do?id=NS00000617