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学長室

明治大学は「世界へ」〜来年は創立130周年です〜

2010年12月25日
明治大学

副学長 山根 徹夫


 今、大学は少子化をはじめ、いわゆる市場化(受益者負担の原則、競争・評価の導入など)やグローバル化の大波にもまれています。これは日本の大学だけでなく、世界的な傾向であり、各国の大学とも変革を迫られています。大学は中世ヨーロッパ以来の長い歴史を持っていますが、大学のアイデンティティーが揺らいでいるのです。「自分探し」という言葉がありますが、大学は今いわば「自分作り」が求められているともいえます。

 さて、明治大学は、1881年、我が国の近代国家としの自立が急務とされる中、まだ30歳に満たない3人の青年法律家、岸本辰雄、宮城浩蔵、矢代操によって、明治法律学校として創立されました。岸本校長は「明治大学の主義」のなかで「官立は全く私立に勝るとも断言するを得ず(中略)学問の独立、自由を保ち自治の精神を養い人格の完成を謀ることは私立却って官立に勝る」と主張し、さらに「学校教育なるものは此の如く知識を学生に注入するに非ずして却って学生の知識を開発するに過ぎず。諸君が最後の教育者、最上の教育者は諸君自身たることを記憶せんことを要す」と述べています。創立者の教育に対する高い識見と洞察に感銘するばかりです。

 その後、時代の変遷と向き合いながら発展を続け、社会に貢献する有為な人材を送り出してきました。社会の様々な分野で活躍する校友は約50万人にものぼっています。

 そして今、明治大学は、さらなる発展のため、建学の精神である「権利自由」「独立自治」を基調とし、「個を強くする大学」を目標に掲げ、「世界に開かれた大学」を目指しています。昨年発足した国際連携機構のもとで国際化を一層推進し、世界と共に生き、世界に貢献し、地球市民の一員としての役割を担い、そして、世界中の多様な人々が集い、語らう場「グローバルコモン」を目指しています。

 来年には、本学は創立130周年を迎えますが、大学では「「世界へ」—個を強め、世界をつなぎ、未来へ—」を基本コンセプトに、記念式典や講演会、シンポジウムなど様々な記念事業を計画しています。(詳細は本学のホームページの特設サイトにのっていますので是非ご覧ください。)20年後の創立150年に向けて、明治大学が「世界へ」発展するキックオフの年にしたいと考えています。

<参考>
明治大学創立130周年特設サイト(ロゴマークについて)
http://www.meiji130.jp/logo/