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学長室

SATOYAMAを活かす取組み,黒川新農場(仮称)

2011年01月12日
明治大学

学長室専門員 廣政 幸生


 里山という言葉を当然知っていることでしょう。里山は日本人がイメージする原風景ですし、心象風景でもあります、それに、ふるさとを思い出すヒトも多いでしょう。SATOYAMAが注目されています。10月末に終了したばかりの生物多様性条約COP10においてです。COP10では生物多様性を守るために人間と自然との共存のあり方を議論し、ルール作りと取り組みが決定されました。日本では古来から、ヒトの生きる糧として、自然の利用が行われ、里山を持続可能としてきました。その保全形態が世界の生物多様性を維持することにとって先駆的だというのです。

 明治大学にも里山が有るのをご存じでしょうか。各地にあるセミナーハウスの近辺を除けば、先ずは生田キャンパス。生田キャンパスは多摩丘陵の一角にあり、生田坂そばの雑木林には里山の面影があります。しかし、住宅が密集し、里山と感じられるのは僅かです。次に、付属農場の誉田農場を挙げることができます。実習で利用する以外にも、誉田寮を利用することで、雰囲気を感じることができます。しかし、誉田は山が無い平地にあって、里山のイメージには若干欠けます。

 現在、都心から最も近い里山と言ってもよい場所に新農場を建設しています。川崎市麻生区黒川、黒川地区は川崎市の最も奥まった所にあり、周りをニュータウンに囲まれていますが、同市の最後に残された二次的自然環境があります。黒川新農場はアグリエコファームとして、基本コンセプトを未来型エコシステム(環境共生)、里山共生システム(自然共生)、地域連携システム(地域共生)としています。生産圃場では各種の実習教育プログラムと市民向けアグリサイエンスアカデミィを実施する予定で、その他に、里山を構成する雑木林、小川、ビオトープ、水田などを活用した里山実習を予定しています。自然共生社会の実現はSATOYAMAイニシアティブの長期目標であって、新農場稼働後は、黒川からSATOYAMAのアピールができることを期待したいと思います。また、生田ボランティアセンターの活動として、生田キャンパスの学生を中心とした里山班が保全活動に活躍しています。

 建設予定地域周辺では、刈り入れの終わった水田や冬枯れの雑木林といったこの季節の里山風景を見ることができます。現在、黒川新農場の名称を募集しているので、ウオーキングしながら一考するのもよいのではないでしょうか。詳しくは本学のHPをご覧ください。尚、黒川新農場に関するHPは近日農学部サイトに公開予定です。

明治大学黒川新農場(仮称)正式名称募集についてはこちら



                                         

                                        
                    ※チラシ(下2枚)は,クリックすると拡大します。