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学長室

全国校友沖縄大会祝辞

2017年11月19日
明治大学 学長室

全国校友沖縄大会が沖縄の本土復帰45周年を迎えた本年に開催されますこと,心よりお祝い申し上げます。このような記念すべき本大会が無事に迎えられますのも,労苦を厭わず企画・運営にご尽力いただきましたおよそ930名の沖縄県校友会員をはじめとする関係者の皆様のご尽力の賜物であります。記憶に残る大会になると思います。あらためまして心より敬意と謝意を表したいと存じます。

45年という時を経ても変わらないものがあります。澄み渡るマリンブルー。包み込むような沖縄の人々の温かさ。グローバル化が著しく進展する現代社会の変容に伴い町並みは変われれども,オリジナリティ溢れる豊かな文化を育んできた沖縄は今でもここに間違いなく活き活きと存在しています。

一方,基地問題に代表されるように,時を経ても改善されぬままの負の遺産は未だに数多くあり,放置され続けているといっても過言ではありません。南北を反転させて世界地図を眺めると,沖縄の地理的重要性を指摘されることがあります。しかしながら,それは沖縄の皆さんが自らの意志に反して背負わされてきたものです。本土復帰45年を迎えた沖縄の地にいる我々は,今一度,日本が内包する歪みを考える時機にあるといえます。それは何よりも,我々が「権利自由」「独立自治」を建学の精神とする明治大学の校友であるからです。

また,明治大学には,沖縄をはじめとした離島研究に携わる多くの教員がいます。2015年には,特定課題研究の一環として,明治大学島嶼文化研究所を設立しました。さらには,多くの校友がこの沖縄の地で活躍しています。このように,沖縄県と明治大学には太いつながりがあります。人権と平和を探求する大学の責務として,そして,第二次大戦末期に10万人とも20万人ともいわれる沖縄県民の命を救った荒井退造氏の想いを胸に刻みながら,これからも沖縄の皆さんとともに,平和への戦略を考えていきたいと思います。

去る5月には,ニューヨークの国連本部を訪れ,本学名誉博士のアントニオ・グテーレス国連事務総長を表敬しました。事務総長就任のお祝いはもとより,世界平和への一助となるべく本学が実施している難民を対象とした入学試験の現状など,難民支援に関する本学の取り組みについて報告をしました。対して,事務総長からは明治大学が先頭に立ち,日本での難民入試をさらに広げ,一人でも多くの若者に教育の機会を与えて欲しいと言われました。その期待に応えられるよう,今後も取り組みを続けてまいります。

この度の全国校友沖縄大会が,これからも本学が人権と平和を探求し続けていくことを校友の皆さまとともに再確認する機会となることに喜びを感じています。校友の皆さまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。