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日本海で表層型メタンハイドレートの広域調査始まる

2013年06月11日
明治大学 広報課

海洋調査船「第7開洋丸」海洋調査船「第7開洋丸」

 本学ガスハイドレート研究所(代表=松本良特任教授、研究・知財戦略機構)は、国の委託を受け日本海上越沖および能登西方海域において、表層型メタンハイドレートの埋蔵量を把握するための広域調査を開始しました。

 国による初の本格的な調査で、今回は6月8日から7月20日までの6週間、海洋調査船「第7開洋丸」を使い、音波で海底の地形や地質構造を把握します。

 今回の調査では、これまでの成果を踏まえて、より広域的な分布調査を行い、日本海に存在する表層ハイドレートの資源量を把握することを目的としています。

 秋には自動探査機を使った本格的な調査が行われ、採掘に適した地域では試掘も行います。3年間で計6地点の埋蔵量を調べることが予定されています。

 松本グループはこれまでにも、学術調査により、日本海の広い範囲に表層型メタンハイドレートが存在することを明らかにしてきました。2012年10月には駿河台キャンパスリバティタワーで記者会見も行っていて、次世代のエネルギー源としての可能性に注目が集まっています。

松本特任教授によるコメント(6週間に及ぶ今回の調査内容や船上生活について)

6週間のうち、約4週間を上越沖のガスチムニー調査にあて、残りを能登半島西方(隠岐東方)調査にあてる予定です。

具体的には、船底に設置した音響観測装置(サブボトムプロファイラー、マルチビームエコサウンダー)を用いて、海底の微地形、海底直下の地質構造を解明します。リアルタイムで得られた画像データを集積解析し、広域的なガスチムニー分布を評価します。

調査は24時間休まず実施されます。つまり、船は止まる事なく、一定の速度で南北方向に行ったり来たりして、調査海域を面的に調べます。

船上生活は、食事は普通に1日3回で、家族との連絡などは、まれに携帯電話の電波が届くところで慌てて話します。緊急の場合や、調査日報の連絡には、船舶電話を用います。

船上では24時間体制で調査するため、必ず誰かが起きていて誰かが寝ているので、キャビン周辺では静かにしています。船上では随時、観測データに基づいて調査計画を更新することもあります。船の調査の最大の敵は悪天候です。調査船がまっすぐに走れなくなるほど風雨が強くなると観測データの信頼性が落ちるので、調査は休止します。最悪の場合、避難入港することもあります。