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国連創設70周年「いま、日本から国連を考える」セミナー・シリーズ キックオフ・シンポジウムを開催しました

2015年04月02日
明治大学 広報課

国際社会の一員としての視点を強調した明石氏国際社会の一員としての視点を強調した明石氏

鋭い質問が投げかけられたクロストーク鋭い質問が投げかけられたクロストーク

最後は登壇者で記念撮影最後は登壇者で記念撮影

明治大学は3月27日、国連広報センターと立教大学、国際大学と共催で、国連創設70周年記念「いま、日本から国連を考える」セミナー・シリーズのキックオフ・シンポジウムを開催しました。会場となった駿河台キャンパス・グローバルホールには、研究者や学生、一般の方など約130人が詰めかけました。

冒頭、あいさつに立った長尾進副学長(広報担当、国際日本学部教授)は、3大学で取り組む大学間連携共同教育推進事業「国際協力人材」育成プログラムについて紹介。「国連などで働く人材の育成を目指す我々のプロジェクトにとって有意義な機会」と今回のセミナー・シリーズへの期待を述べました。

基調講演には、元国連事務次長の明石康氏が登壇。1957年日本人として初めて国連入りし、カンボジア暫定統治機構の国連事務総長特別代表、旧ユーゴスラビア問題担当国連事務総長特別代表など数々の要職を歴任した経験を元に「国連のこれまでとこれから~日本の抱負を活かした国連外交を探る~」と題して講演しました。明石氏はまず、戦後の日本と国連の成り立ちに触れ「平和国家としてのビジョンと夢を持って再建を目指した日本の精神は、国連憲章の精神とも一致している」と共感する一方、「日本国憲法9条第2項のように70年が経過して実態に合わない部分もでてきている」と指摘。国境を越え、複雑化する国際情勢を鑑み「自分たちだけリスクを負わないという態度はできない。日本が持つスキルを生かした共守防衛が大事」と持論を展開しました。また、今後の日本の国連外交について「国連安保理常任理事国入りへの垣根は高い」としながらも、途上国への開発援助や、唯一の被爆国としての核軍縮に関わる問題、北東アジアをはじめとする平和調停への活動など「国際社会の一員として、日本ができることは多い。日本らしい長期的な、地に足をつけたオプティミズムが必要」と訴えました。

世代間クロストークとして行われた明石氏と、明大、立大、国際大の代表学生5人によるディスカッションでは、平和・教育・気候変動など、国連が取り組むグローバル課題がテーマに。ベトナムからの留学生Pham Anh Quocさん(経営2)は、「国家間の戦争から、民族、宗教間などの対立が多くなっている。国連の果たす役割は」、国際NGOでのインターンシップ経験がある伏見美保さん(経営3)は「国連ができることはもちろん、政府、NGO、民間企業ができることがあるのでは」とそれぞれ明石氏に鋭い質問を投げかけました。明石氏は、「若者はどんどん世界へ出てほしい」「皆が同じようにする必要はない。そこに多様性の価値がある」「これからは国境・文化・宗教などを越えてチームをつくる能力が求められる」と未来を担う若い力に金言を送りました。

本セミナー・シリーズは、3大学で取り組む大学間連携共同教育推進事業「国際協力人材」育成プログラムの一環として行われ、明治大学のキャンパスで計6回のセミナーを予定しています。

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