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「坂東玉三郎講演会—演じるということ2017—」が開催されました

2017年08月01日
明治大学 広報課

土屋学長(左)との対談で熱っぽく語った玉三郎さん土屋学長(左)との対談で熱っぽく語った玉三郎さん

明治大学リバティアカデミーは7月26日、歌舞伎俳優で重要無形文化財保持者(人間国宝)の坂東玉三郎さんを迎えた公開講座「坂東玉三郎講演会—演じるということ2017—」を開催しました。今年で6回目を迎えた講演会には、学生や玉三郎ファンら約800人がつめかけ、会場の駿河台キャンパス・アカデミーホールはほぼ満席となりました。
 
第一部は玉三郎さんによる講演。「演じるということ」について、「体、声など自分が現世で用意できるものに、人生や魂を乗せる。どこまでが自分なのかわからなくなり、その役に届いていく。すると、作家や役者の生き様が見えてくる」と独特の解釈を披露しました。
 
続いて、第二部は日本の古典芸能に造詣が深い土屋恵一郎学長との対談。昨年の講座でも対談した二人の息の合った滑稽洒脱な掛け合いに、会場からは笑いや感嘆のため息が漏れました。土屋学長は、歌舞伎界を代表する女形である玉三郎さんの演じる『本朝廿四孝』「十種香」の八重垣姫を例に挙げ、「坂東玉三郎という肉体から離れ、役に完全に入り込む瞬間がある。その美しさが感動を呼ぶのだ」と絶賛。これに対し、玉三郎さんは「肉体を完全に制御しなければならない。だから稽古することが大切」と演技への想いを熱く語り返しました。
 
対談の最後には、「玉三郎さんに学生の相談に乗っていただきたい」という土屋学長の提案を受け、来場者との「学生相談室」が開講。周りの評価をどのように捉えたら良いか問われた玉三郎さんは「役者を駄目にするには褒めれば良いと習った。褒められたいのが役者の性分だが、褒め言葉を信じ過ぎず、日々精進していくことに尽きる」とアドバイスするなどたくさんの質問が寄せられました。会場から大きな拍手が贈られ、2時間弱に渡って優美な玉三郎節に酔いしれた講演会は幕を閉じました。