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広島大学附属高校で特別授業を実施~2/28中國新聞朝刊で掲載~

2022年03月01日
明治大学 広報課

教壇に立つ平口教授教壇に立つ平口教授

教壇に立つ中田准教授教壇に立つ中田准教授

広島大学附属高校で12月10日、明治大学の教員による特別授業が開催され、同校の生徒206名が受講しました。この取り組みは最先端の研究と主体的に学ぶ重要性を高校生に伝え、将来の進路選択や大学で学ぶ意義を考えてもらうことを目的として例年実施しています。

文系クラスでは、政治経済学部の平口良司教授が「格差が固定化しない社会の仕組みとは」をテーマにした授業を展開。
平口教授は講義の冒頭で、日本は先進国の中で貧困率が高いことや、家事や家族の世話を子どもが引き受けるヤングケアラーの問題などに触れたうえで、経済成長に悪影響を及ぼす「社会的流動性」の低下について説明しました。
また、社会的流動性を高めるためには、親が大学を卒業していない家庭から大学へ進学する「ファーストジェネレーション」の子どもへの支援や、雇用形態の固定化を防ぐための職業訓練といった「教育支援」が重要であることを説明したうえで、日本の未来を元気にするためにはどのような社会であればいいのか、参加した生徒たちへ問いかけました。

理系クラスのテーマは、総合数理学部の中田洋平准教授の「スポーツテックの現状とチームスポーツに対する付加情報」
中田准教授はまず、スポーツの中継でよく目にするようになった「自由視点映像」や、プロ野球の中継で見られる「AIキャッチャー」など先端技術を取り入れた事例を次々に紹介。そのうえで、中田准教授の研究室で行われている、スポーツを見る側に視点を置き、観戦をより楽しめるようになるために行っている研究の事例を紹介しました。
講義の最後に中田准教授は、参加した生徒たちへ次のようにエールを送りました。
「先端テクノロジーは次々に現れて、5年ほどで流行が変わります。高校生の皆さんは、現在勉強している数学や物理などの知識をしっかりと身に付けておくことが大切です。そうすれば、どんなに新しい技術が出てきても対応できます。時代によらない普遍的なもの、原理や根源的なものを学ぶことを心がけてください。」

参加した生徒からは、「将来は法律を学び、法の面から格差を生まない社会がつくれないか考えたい」「ボールの軌道も計算で分かると聞いて、数学も何かの役に立つとイメージしながら勉強できると思った」といった感想が寄せられ、視野の広がりや大学の学びへの関心を高めてもらえる有意義な機会となりました。

講義の採録は2022年2月28日(月)の中國新聞版朝刊で掲載されました。
2022年2月28日 中國新聞 朝刊