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プレスリリース

先端数理科学研究科 高橋治輝さん、3Dプリンタの新たな造形方法を開発 ~高密度な「毛」を3Dプリント~

2017年12月05日
明治大学

先端数理科学研究科 高橋治輝さん
3Dプリンタの新たな造形方法を開発

~高密度な「毛」を3Dプリント~
明治大学総合数理学部の宮下芳明教授・大学院先端数理科学研究科博士後期課程3年生の高橋治輝さんは、熱溶解積層方式3Dプリンタを用いて、極細で高密度な「毛」のような構造を作り出す造形手法を開発しました。
なお、本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の支援を受けた研究成果を社会実装する目的で、株式会社エポック社、ミツイワ株式会社と協力のもと進められました。

株式会社エポック社では、同社の商品である「シルバニアファミリー®」の開発に3Dプリンタを導入し、試作段階でのデザイン検証に役立てています。しかし、高精度な3Dプリンタでも出力が困難な形状は多々あり、例えば「動物の尻尾」や「芝生」のようなものがあげられます。本研究は、こういった課題の解決と3Dプリンタによる先進的表現を実現すべくスタートしたものです。

今回開発された造形手法では、熱で溶解したプラスチック樹脂を3Dプリンタのノズルで引き伸ばすことで細い毛のような構造を作り出しています。また、この構造を「橋渡し」するように固定していき、造形後に切り離すことでフサフサとした造形物が得られます。「樹脂で糸を引いて細い構造を作る」という方法はすでに研究されていますが、3Dプリンタを制御するパラメータを探索して、調整を重ねることで、1本ごとの構造の極細化、全体の高密度化を実現しました。1本の造形可能な直径は0.08~1.5mm程度で、これは人間の髪の毛の細さに匹敵します。また、安定した造形が行えるため、長毛や円状に広げた形状を作ることも可能となりました。
なお、今回の研究を企画した3Dに関わる技術商社であるミツイワ株式会社は本研究成果を踏まえ、玩具製品のみならず、インテリアや装飾業界への社会実装を目指し、3Dプリンタ技術を活用した新たなものづくり分野への進出を検討します。

この研究は、2017年12月6~8日に山梨県で開催されるWISS2017で「ブリッジ構造と樹脂の引き伸ばしを用いた高密度な毛構造の造形手法」と題して発表予定です。
http://www.wiss.org/WISS2017/

株式会社エポック社 http://epoch.jp/
ミツイワ株式会社 http://www.mitsuiwa.co.jp/

造形例造形例

出力の様子出力の様子

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