~微生物の物質生産能力の向上にも期待~ ピルビン酸応答転写因子の微生物における新規な役割を同定
2020年09月28日
明治大学
~微生物の物質生産能力の向上にも期待~
ピルビン酸応答転写因子の微生物における新規な役割を同定
ピルビン酸応答転写因子の微生物における新規な役割を同定
要旨
本研究は、日本学術振興会科学研究費補助金及び長瀬科学技術振興財団研究助成金の支援を受けました。研究成果は、英国の国際誌「Microbial Genomics」(電子版)2020年9月25日付に掲載されました。
研究成果のポイント
● 大腸菌のピルビン酸応答転写因子PdhRが、脂質の異化経路を制御していることを同定した
● PdhRがTCA回路や乳酸代謝経路、グリコール酸代謝経路など、ピルビン酸の濃度に直接的に影響を与える複数の炭素源代謝経路の制御に関わっていることを同定した
● PdhRが鞭毛形成のための制御因子を制御することで、細胞の運動性を制御していることを同定した
● これらの結果から、ピルビン酸応答転写因子PdhRが制御する代謝経路の全体像やピルビン酸の新たな役割が理解され、ピルビン酸の恒常性を維持するための仕組みの理解に役立つ
● この研究成果は、微生物の代謝経路の改変にも利用でき、微生物を用いた物質生産などの応用に役立つ
1.研究の背景
2.研究内容と成果
3.今後の期待
4.発表論文
Expanded roles of pyruvate-sensing PdhR in transcription regulation of Escherichia coli K-12 genome: fatty acid catabolism and cell motility
〈著者名〉
Takumi Anzai, Sousuke Imamura, Akira Ishihama and Tomohiro Shimada
〈雑誌名〉
Microbial Genomics
〈DOI〉
https://doi.org/10.1099/mgen.0.000442
【研究グループ】
明治大学 農学部農芸化学科
応用生化学研究室
専任准教授 島田 友裕(しまだ ともひろ)
博士前期課程2年生 安西 拓実(あんざい たくみ)
法政大学 マイクロ・ナノテクノロジー研究センター
客員教授 石浜 明(いしはま あきら)
東京工業大学 科学技術創成研究院化学生命科学研究所
准教授 今村 壮輔(いまむら そうすけ)
明治大学 農学部農芸化学科
応用生化学研究室
専任准教授 島田 友裕(しまだ ともひろ)
博士前期課程2年生 安西 拓実(あんざい たくみ)
法政大学 マイクロ・ナノテクノロジー研究センター
客員教授 石浜 明(いしはま あきら)
東京工業大学 科学技術創成研究院化学生命科学研究所
准教授 今村 壮輔(いまむら そうすけ)
参考図
図1.本研究グループにより独自に開発されたGenomic SELEX法を用いて同定されたPdhRのゲノム上結合領域および主要な制御標的遺伝子群。
図2.PdhRが細胞内の脂質濃度に与える影響。脂質の組成(A)と総脂質量(B)の定量結果。
図3.PdhRが運動性に与える影響。軟寒天培地上での大腸菌の運動性試験結果(A)とその比較(B)。
図4.炭素源代謝におけるPdhRの標的遺伝子群。赤がPdhRにより活性化、青が抑制化される遺伝子を示す。
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内容に関するお問い合わせ
明治大学農学部農芸化学科 応用生化学研究室 専任准教授:島田 友裕
TEL:044-934-7102
E-mail:tomoshimada@meiji.ac.jp -
取材に関するお問い合わせ
明治大学 広報課
TEL:03-3296-4082
MAIL:koho@mics.meiji.ac.jp