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所長からのあいさつ

法制研究所で法的思考力を身につける

法制研究所長 有賀 恵美子

法制研究所の歴史は古く、わが明治大学出身の法曹であれば、その多くが法制研究所に在籍し、また在籍しないまでも何らかの形で法制研究所との関わりを持った経験があると思います。
もっとも、その長い歴史の中で、法制研究所による受験サポートにも変化したところがあります。既に30年近く前のことになりますが、辰已法律研究所との提携講座の開始です。司法試験で必要とされるのは、基本的な法律知識を前提とした上での法的な理解力、思考力、判断力であるところ、法制研究所に入れば、1・2年次に基本7科目の入門講座を受講することにより、その後の土台となる基本的知識を一通り修得することができます。学んだ内容を反復・確認するために、短答式テストをはじめとするOption講座も用意されており、しかもこれら全てを和泉キャンパスで受講できることも提携講座ならではの魅力です。

他方で、昔から変わらない法制研究所によるサポートの特長は、本学出身の弁護士や司法試験合格者が指導するゼミや添削です。司法試験で問われているのは、知識の有無自体ではありません。司法試験法でも、その評価においては、知識を有するか否かの判定に偏することなく、法律に関する理論的かつ実践的な理解力、思考力、判断力等の判定に意を用いなければならないことが明記されています。知識は多いほうが思考が広がりやすくなる面があることは否めませんが、理解を伴わない知識はかえって思考の妨げになります。しかし、特に初学者の頃は、講義を受け身で受講して一人で思考しているだけだと、自分がその知識を本当に理解しているのかどうか、そもそも理解するとはどういうことなのかにも気付かないことがあります。法制研究所の指導員による少人数のゼミに参加して思考訓練を重ね、答案練習でアウトプットの訓練とそのフィードバックを受けることにより、自分が知っていると思いこんでいた曖昧な知識について、正しく理解して思考を深めることができます。しかも、分からないことも気軽に質問できる環境が整っているのです。みなさんと同じ本学出身の指導員による親身な指導により、理解を積み重ねて思考を深めることができること、これが法制研究所の最大の強みです。

司法試験に向けてどのように勉強してきたかということは、どのような法曹になるかということに直結していると思います。また、法曹以外の道を選択する場合であっても、それまでの思考訓練はみなさんの今後の糧になります。法制研究所のサポートを積極的に活用して、みなさんの今後の人生に役立てて下さい。