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合格者体験談(2021年度)

2020年3月修了 K・M

令和3年司法試験 合格体験記

 

第1,初めに

   私が司法試験の受験を決めたのは、中学生の頃、ある二つのTVドラマをきっかけに検察官なろうと決めたことにあります。

   この合格体験記というのは一個人の経験談であり、受験生に広く一般化できるものではありませんが、これから司法試験を受験される方にとってこの合格体験記が少しでも参考になれば幸いです。

 

第2,経歴

   2018年3月 明治大学法学部法律学科        卒業

   2018年4月 明治大学法科大学院(既修)      入学

   2020年3月 同大学法科大学院           卒業

   2020年8月 国家公務員総合職試験(院卒者試験)  合格

   2021年1月 令和2年司法試験        論文不合格

   2021年9月 令和3年司法試験         最終合格

 

第3,初学者段階の勉強方法

   私が法律を始めて学んだのは大学に入学してからのことです。その頃は、違う言語を学んでいるような感覚で、どのように学習すればよいか手探り状態でした。今振り返ってみると、その中で、私が役に立ったと思うのは当該科目の全体を概観できるような勉強方法を取ったことです。これができるのであれば予備校の入門講義や薄めの入門書等なんでも良いと思います。とにかく初学者段階では細かいところは気にせず、一度全体像をつかむことが大事だと思います。また、初学者段階でありがちな分厚い基本書の通読は、難しく途中で心が折れるのであまりお勧めはしません。

 

第4,短答の勉強方法

   私が採った短答の勉強方法は過去問をひたすら解くということです。シンプルですがこれに尽きると思います。使用した教材は辰已法律研究所の肢別本です。理由は網羅的であること、解説がシンプルであること、過去問の肢が体系的に並び替えられていることです。

また、通学時間などのスキマ時間にも簡単に勉強できるように肢別本のスマホアプリを利用したりしました。重い本を持ち運びする必要がなく、スマホ取り出しサッと勉強を始められるのでとても便利だと思います。もっとも、肢別本だけですと本番の形式に対応できないと考えたので、その点は模試等を利用してカバーしました。

過去問を解くときに心がけたのは単にその肢の正誤を確認するだけでなく、なぜそうなるのかという理由を意識しながら解いたことです。こうすることで、肢の事案が変わっても正誤を判断できるようになりました。

私が短答の勉強に本格的に着手したのは司法試験の1年前くらいでした。今振り返ってみると、初学者段階の勉強を終えた時点ですぐに着手すべきであったと思います。

 

第5,論文の勉強方法

   まず一つは、参考答案付の問題集をひたすら読むという勉強法です。この勉強方法は論文の勉強始めてから合格直前まで続けてきました。

   1~2周目は事案と設問に目を通し、すぐに参考答案を読みます。ここでは、答案の内容を理解することではなく、答案の流れを掴むこと意識しました。そうすることで、そもそも何をどのように書けばよいのかということを何となく分かるようになりました。3~6周目は問題を読んだ後にどのようなことが書いてあったかを思い出しながら頭の中で答案構成をした後、参考答案を読みます。答案を読む際は、各周ごとに規範・理由付け・あてはめ・問題提起に着目し色別にラインマーカーを引いていくなど、答案を分析していきました。こうすることで、1~2周目と異なり、問題文のどの事実が重要なのかがわかるようになっていきました。そして、7週目以降になって初めて、問題文→答案構成→参考答案を読んだ後に解説を読みました。これまでの繰り返し読んできた中で、わからない論点など気になった点を解消していき、解説だけではわからない部分は基本書等を調べたりしました。この段階で基本書を読んでみると、初学者段階と異なり、論文に大事な所やどのように論文に書けばよいか等を意識しながら読むことができたと思います。

私が感じたこの勉強方法のメリットは早く問題集を1周できることです。問題集を頭からじっくりやっていくとどうしても途中で挫折したり、初めに覚えたことはすっかり忘れてしまったりすると思います。しかし、この勉強方法を採ったことで何周もすることができ、さらに各論点のつながりも意識しながら勉強することができました。また、答案構成も行うので、インプットを兼ねつつアウトプットもできるということにメリットがありました。

   2つ目はやはり過去問を解くということです。ここでは一つ目の勉強では補えないフルスケールの答案を書くための時間配分やメリハリをつけた論述など本番を意識した学習をしました。また、出題趣旨・採点実感等を用いて何をどの程度書けばよいのかを分析しました。

   そして、以上の勉強をしてきた中で重要な点等を各科目ごとに1冊にまとめた物を作成しました。私は作成にあたって、市販のまとめ本を利用しましたが、加筆修正がしやすいようにリングファイルに閉じていました。まとめ本を作成したことで、直前期に無駄に手を広げず、今までやってきたことをざっと復習できたのでとても役に立ったと思います。

 

第6,一度目の敗因分析

   第2にある通り、私は一度司法試験に論文で不合格となっています。私はその不合格の原因は暗記すべき規範や論証を蔑ろにしすぎた点にあると考えました。実際に再現答案を見ていただいた合格者や補助講師の先生にも同様の指摘を受けました。私は暗記作業がとても苦手で眠くなってしまう性格で、ちゃんと時間を割かずに避けてきました。本番でも、基本的な規範をかけずに途中答案となってしまう科目がいくつかありました。そこで、上記の勉強に加えて、しっかりと暗記の時間を取りました。そうしたところ、2回目の本番では前回と異なり、基本的な規範などでつまずくことなく答案を書ききることができたと思います。

   不合格の原因は人によって異なりますが、自分が苦手としている勉強は気づくと避けがちになることが多いと思います。敗因分析をされる方は、自分が苦手としている・避けている勉強は何かという観点から探ってみるのも一つの手段だと思います。

 

第7,終わりに

   初めにも書きましたが、以上の勉強方法はあくまで私の経験談に過ぎず、これを読んでくださった受験生の方に広く通用するものではありません。勉強方法は百人いれば百通りあるものであり唯一の正解はありません。もっとも、どんな勉強方法も司法試験合格というゴールから逆算した上で、どういう意図をもって勉強したかでその成果は大きく変わると思います。単に過去問や問題集を解く、基本書・判例を読むだけではなく、合格に向けて自分に必要なもの・足りないも何か、そしてそれを習得するために当該勉強方法を採っているという意識を常に持って勉強に臨んで欲しいと思います。

   

「正しい」努力は必ず報われます!受験生の皆さん、頑張ってください!

以上

 

2018年3月修了

 第1 はじめに

 私は、4回目の受験で司法試験に合格した者です。複数回受験生として、3回目までの不合格を含めた私の体験を述べた上で、僭越ながら後輩たちに向けたアドバイスを書かせていただきます。

卒業後は働きつつ受験生活をした時期もあったため、社会人受験生の方にも参考になれば幸いです。

 

第2 3回目の受験までの不合格体験記

1 1回目の受験

 1回目の受験は、選択科目である知的財産法で大きく失敗し、足切りラインである25%を下回ってしまいました。他の科目も決して良い点数とはいえず、仮に選択科目の足切りが無かったとしても不合格だったと思われます。

選択科目は他の科目と違い、その1科目で足切り判定されてしまいます。必須科目に比べると勉強が手薄になりがちではありますが、配点の面からみても他の科目と同様の点数が割り振られており、必須科目と同程度の対策が必要です。

また、受験生が手薄になりがちということは、相対評価である司法試験においては、少ない努力で他の受験生に差をつけやすいということを意味します。受験戦略的な意味でも選択科目を大事に勉強することは重要であると考えます。

 

2 2回目の受験

2回目の受験は、短答では上位の成績を獲得したものの、論文の成績が十分に取れず不合格となってしまいました。

短答科目でもある憲法・民法・刑法はともかく、他の科目についてはアウトプットの前提となるインプットが足りてなかったのではないかと思います。

よく司法試験の勉強法について、答案を書くなどアウトプットする練習をするべきという話を聞くことがあるかと思います。これ自体はまさにその通りだと思いますが、知識を身に付けるインプットを怠っても良いという意味ではありません。短答がない科目については、点数などで自分のインプットがどの程度か確認し難いため、特に注意した方がいいかと思われます。

 

3 3回目の受験

 3回目の受験は、短答も論文も全く手ごたえがなく合格発表前から不合格のつもりであったため、不合格を知っても驚きはありませんでした。しかし、合格発表後にくる成績通知書をみるとギリギリの成績で不合格だったことが分かり、この時はじめて強い悔しさを覚えた記憶があります。今にして思うと、この時の悔しさが4回目受験のモチベーションに繋がった面があったかと思います。

 

第3 4回目の受験

 前年度の司法試験が新型コロナウイルスの関係で延期になったこともあり、合格発表があった1月から次の試験まで4ヶ月しか期間がありませんでした(本来は合格発表前から勉強しておくべきなのでしょうが、全く身が入りませんでした)。試験直前の4・5月に職場が繁忙となったこともあり、私は今更ながら勉強の効率化を図りました。

具体的には、判例の学習を百選に絞るということをしました。過去問を既にある程度やっているという前提にはなりますが、司法試験の論文対策としては、百選が有効だと思われます。会社法・民事訴訟法・行政法(訴訟要件の部分)・知的財産法あたりは、元となる判例に近いものが出題される傾向が強いため、判例の理解で差がつきやすく特に効果が大きいです。

短答については、過去問集をひたすら解く勉強をしていました。問題を見て理由付きで正誤を判定できるか確認し、分からなければ解説を読んで理解するということの繰り返しです。論文を書くのとは違いまとまった時間集中し続ける必要がないため、通勤時間や昼休み休憩の時間を短答対策にあてていました。長時間集中することが出来ない時は、短答を解くようにすると時間に無駄がなく有効だと思います。

直前期は、上記対策に加え、予備校の直前模試を受けました。予備校の扱いについては賛否両論あるかと思いますが、受験業界のプロが司法試験の出題を予想しているのですから、直前模試は受けるべきと個人的には考えます。予備校の模試で出題された問題が、実際の試験で出題されることは少なくないです。私の時も模試で出題されたものの類題が出題されていました。

結果として、短答は140点台、論文も複数科目でA評価をいただき合格することができました。特に初回受験で足切りを受けた選択科目は、二桁順位の点数を獲得することができ大変嬉しかった記憶があります。

 

第4 終わりに

この体験記を読まれている方は、おそらく明治大学法科大学院関係者の方が多いと思われますが、残念ながら同校の初回合格率は高いとはいえません。今後も複数回受験生となってしまう人が一定数いると考えられます。「あるかもしれない未来」を想定し、事前に行動することは司法試験受験において大変重要なことです。

私の経験が、皆様の早期合格の糧になればと思います。

 

2018年3月卒業 宮下俊満

 1.経歴、法曹志望の動機

 みなさま、初めまして。令和3年度司法試験に合格いたしました宮下俊満と申します。

まず簡単に私の経歴についてご紹介いたします。

私は2018年に明治大学を早期卒業しました。その後2020年に京都大学法科大学院を卒業し、令和2年司法試験を受験したものの、結果は不合格になってしまいました。そして先日二回目の司法試験で雪辱を果たし、晴れて弁護士としてのスタートラインに立てました(まだ二回試験は残っていますが…)。

 私が法曹を志望したのは法律相談部での相談活動がきっかけでした。当部の1年生は研修生として相談活動に参加します。私が初めて研修生として参加した際の相談は離婚についてでした。相談者の女性は夫から虐待を受けており、その内実を涙ながら語られる中で、どうにかして財産分与対象の財産がないかと検討したことが、今でも非常に印象に残っています。

結論としては相談者の方にとって不利な結論にも関わらず、その方は我々に対して丁寧にお礼を言って下さり、さらに悩みの種が少し明瞭になった旨を語ってくださいました。

このとき、自分が今まで勉強してきた数学や国語などの科目とは異なり、法律を勉強することで誰かの役に少しでも立てることを実感し、感銘を受けました。

そうした経緯で、民事全般に精通し、市民感覚に寄り添う弁護士になることを志すに至りました。


2.短答式の勉強方法

 短答は誰もが言うことですが、対策すればするほど点数が伸びます。私も2回目の試験では15点ほど点数が伸びました。したがって、ご自身に合った勉強法を見つけ、地道に知識を入れまくることが重要であると考えています。

3科目いずれも、過去問演習は重要です。予備校から出ている問題集(どれでもいいと思います)を最低でも各科目3周以上はすると120点以上は固いと思います。

 予備校から出ている問題集は、過去問自体が張り付けてあるタイプと、分野別に肢のみがピックアップされているスタイルがあると思います。

 どちらがよい、とは言えませんが、個人的には全体の肢を見た方が本番に近いのではないかと思い、Wセミナーの短答過去問集を利用していました。

 1周目はとにかくすべての肢と解説を読むことで、最低限の知識を付けます。そして、2周、3周とすることで、覚えていない肢のみをチェックしていき、最終的には、まとめノートのようなものに知識をまとめることで情報の集約化を図りました。

 重要なのは、過去問の正解だけではなく、すべての肢をしっかりとチェックすることです。かなり根気と時間のかかる作業ですが、短答の勉強にこの作業は必須であると諦めて、地道に知識を集約化して頂ければ確実に点数は伸びると思います。

 ここまでの勉強法は、私の現役時代の勉強法です。浪人時代はこれに加えて、択一六法を用いて知識をさらに深堀していきました。

 特に、私は現役時には刑法の点数が低かったため、刑法の択一六法だけは上記のまとめノートにとどまらず、択一六法にも知識をまとめていきました。

 具体的には、覚えていないページに付箋を貼っていき、何周も読み込むことでその付箋を徐々に外していく、という方法で択一六法を使用しました。

 択一六法のみで勉強をすることはおススメできないのですが、過去問演習をある程度積んだ方であれば、知識をまとめる作業と深掘りする作業が一度にできる択一六法は必読書なのではないかと思っています。

 結果的に私の短答は140点でしたので、大成功というわけではないのですが、及第点はとれたのではないかと思っています。


3.論文式の勉強方法

 私は現役の時に、無駄に理論をこねくり回し、さらに読む必要のない判例を覚えこむなど、極めて非効率的な勉強をしてしまいました。結果、論文は1742位という惨敗に終わりました。

 法科大学院に入った以上は、他人とは違う規範を使って高評価を狙おう…なんて考えている方は私と同じ結果になる危険性がありますので、要注意です。

 超上位で合格を目指すのであれば最新の学説に則った鋭い規範を使い、他人と差をつけることが必要なのかもしれませんが、合格だけを狙うのであれば、予備校の出版している本や、初学者向けの基本書に書いてあるベーシックな規範で必要十分であるというのが、私の出した結論です。

 浪人時代の私は、規範偏重だった勉強法を見直し、とにかく演習を積むことにしました。

具体的には、法制研の個別指導と、合格者の友人たちの指導をひたすら繰り返すことで、答案の型を体に染み込ませていきました。

演習を積むうちに、全科目で10年程度の問題を解いたあたりで、書けないといけない問題、書けなくても仕方のない問題の区別が明瞭につくようになりました。

 演習量の目安とは、この区別ができる段階であると考えています。実際のところ司法試験は難しい問題も出るので、メリハリをつけて解くことが重要です。演習量を重ねることで、本番でも、どの問題は外してはいけないのか、明確に意識できるようになります。そのような意識ができれば、論文の合格も確実です。


4.緊張せず本番に臨むために

 司法試験に限った話ではないのですが、本番は緊張してしまうものです。現役の時は後ろの席の人のペンの音に気を取られてしまい、集中できませんでした。

 そこで浪人時代は、過去問演習中、ペンの音を動画サイトで流し、本番では前年度のような失敗がないようにしました。また、コロナ禍にという状況もありましたので、マスクを着けて演習をすることも心がけていました。

 些細な事ではありますが、なるべく本番に近い状況で演習を重ねることで、本番は緊張せずに臨めるようになると思います。


5.終わりに

 個別指導の牧山先生、法制研事務室のみなさまには不合格直後から大変お世話になりました。一度は他大ロースクールに出ていった私ですが、不合格後に連絡をするとすぐに法制研へ入会させて頂き、迅速に牧山先生から個別指導を受けられたのは幸いでした。

 法制研の手厚いバックアップ体制があって初めて出せた合格だと思っております。この場を借りて御礼申し上げます。

2020年3月卒業 2021年予備試験合格 S・S

 令和3年司法試験 合格体験記

 

 202197日に令和3年司法試験の合格発表があった。当日は発表時間ぎりぎりまで緊張感を感じることもなくいつも通りに過ごしていたが、やはり合格発表時間になったら手が震えて、心臓の鼓動が早くなるのを感じた。

 手ごたえは全く感じていなかったし、時間がたつにつれて自分がしたミスの多さに気づいていたため、半ば投げやりに法務省ホームページの合格掲示板を見た。自分の受験番号までスクロールする手が何度も止まったが、ようやくスクロールした時、そこに自分の受験番号が確かにあった。

 合格の喜びというよりも、不合格ではなかったことへの安堵感が大きかった。自分で選んで進んできた道ではあったが常に不合格への不安や撤退後の進路について考え続けてきたためだと思う。合格の実感がわいてきたのは家族、指導をしてくださった先生方、応援してくれていた人達にひと通り連絡をし終えた後だった。

 振り返れば、令和2年度司法試験予備試験の短答式試験を受験した20208月からあっという間に過ぎ去っていったように感じる。新型コロナウィルスが流行してから法科大学院に入学して、初めての予備試験受験であったが、地元の静岡に帰省していたため気分転換の観光がてらという感じで上京したことを今でも覚えている。法科大学院に入ってからは予備試験への気持ちに折り合いをつけており、予備試験対策と言えるような勉強は特にしてこなかったが、そのような心持ちが奏功したのか初めて短答式試験に合格することができた。

 論文式試験も合格できれば御の字という感じで、法科大学院の授業をおろそかにすることなく挑戦することに決めた。過去5年分程度の過去問を起案することで時間間隔や問題形式、アプローチの仕方を感じ取れるようにしたが、それ以上の対策は法科大学院の授業及びその予習復習と併せて行った。試験当日になっても自分よりも判例・学説を知っている人はたくさんいたし、起案のテクニックに自信を持っている人もたくさんおり自分に合格への自信を持つということはできなかった。実際、自分はそこまで判例や学説を突き詰めて勉強していたわけではなかった。

 しかし、それでも運よくというのか自覚しない実力があったのかわからないが、難関と言われる予備試験の論文式試験に合格することができた。この時の方が先に述べた司法試験合格よりも驚きと喜びに溢れ、何度も受験番号を確認したことを覚えている。合格発表日直前の年末年始は勉強をせずに箱根の山で七草の栽培・収穫アルバイトを行っていたため、合格の報はまさに思いがけないものだった。

 論文式試験合格発表後、口述試験までは約2週間という短い期間しかなかったし、合格率90%以上というデータが却って不安感を増大させた。とにかく、ここまで来たら合格しなければという思いが強くなり、焦るばかりの日々が続いたが今まで使ってきた教科書を何度も何度も読み直し、各予備校の口述模試を利用してなんとか勉強をつづけた。

 試験当日は緊張感と冬の体育館の寒さで体の震えが止まらなかった。いわゆる発射台に移動した後は暖かいところにいるはずなのに手の震えが止まらなかったことを印象深く覚えている。試験そのものも緊張から練習通りのことが中々できず、合格イメージを持つことはできなかったが、なんとか合格することができてほっとした。

 予備試験合格の歓喜の日々を早々に終わりをつげ、約3か月後には司法試験本番という事実に焦る日々が始まった。予備試験に合格できても自分に自信を持つことはできなかったし、勉強内容も他の受験生に比べて浅い感じがしてならなかった。過去問も最後の最後まで合格の確信を持てるような答案を書くことはできなかった。こんな状態で自分よりも1年多く勉強していると思われる先輩受験生と戦えるのか不安でしかなかった。

 実際に3月に受験したTKCの全国模試では合格ラインギリギリでの合格判定であったし、勉強して半年もたっていない選択科目の点数は第1問が10点、第2問が3点と悲惨というにはひどすぎる点数を採ってしまい勉強方針を改めなければならないことを受験まで約1か月というタイミングで思い知らされた。

 そこからの日々はいつも通りのルーティーンの勉強、過去問の定期的な起案、選択科目の対策等を行ったが、いつも以上に身につかないように感じる日々が続いていたように感じる。刻一刻と近づく試験日を感じ、焦りばかりが増していた。

 4月になって法科大学院の授業が始まり、対面授業が再開したことから実家を出て国立市に引っ越すことになった。環境の変化とロースクールの友人たち(と言っても平時に築けたであろう関係は築けていなかったが)と直接会って話をする機会が得られたことはメンタルに対してよい影響ばかりであった。

 法科大学院の授業が始まることで試験対策をする時間が減り、予習復習に時間をかける日々が再開したが司法試験以外の景色が見えたことで、むしろ焦りが消えて淡々と学習を進めることが出来たと思う。このころからは司法試験に対してポジティブな感情を持てるようになっていたし、仲間と共に「試験会場につくことさえできれば合格できる」という言葉を互いに掛け合って過ごせていた。

 司法試験本番は前日から試験会場である五反田TOCの近くにある戸越銀座商店街内のアパホテルに泊まり、翌日からの試験に向けて心身の準備を整えることに専念して勉強にがっつくことはしなかった。それでも、就寝した後にかなりの悪夢(怨霊系)を見て飛び起きるなどしていたため精神状態は思ったよりも追い詰められていたと思う。

 翌日の試験は1日目が選択科目、憲法、行政法の順で受験していったが正直1日目が一番しんどかったように思う。とりあえず、できたかどうかは気にせずに最後まで淡々と受験することができたので良かった。2日目になっていくらかの受験生が脱落していることに気づいたが、自分が脱落せずに済んだのは模試を受けたときに1日目の辛さを体験することが出来ていたことと、自分を追い詰めないようにできていたことが理由になると思う。途中脱落は本当に他人ごとではないと感じた。後輩にも気を付けてほしい。

 2日目以降は何が何だかわからない問題ばかりだったが、大きな失敗をしたかどうかもわからなかったため、淡々と受験を継続することができた。3日目の刑事訴訟法では焦りに焦ったが途中答案じゃないなら何とかなっているだろうと思うことができた(D評価だったため何とかなっていなかったのだが)

 短答式試験は点数がある程度安定した状態で受験していたため緊張することなく受験できたが、やはり1問の重みというのは最終日だからこそ感じた。また、短答式試験で万が一にも落ちてしまった場合、これまでの論文式試験の答案が採点されないという最悪の結果をもたらすことになるため絶対に合格できるように慎重かつスピーディーに問題へ取り組んだ。もちろん、わからない問題はあったが考えすぎずにわかる問題だけを確実に解くことに専念した。

 司法試験の本番はまさにあっという間で、やっている時は本当に大変だったが終わってしまうと人生をかけた試験の割にはあっさりとした感想しか残らなかった。試験期間中の食事は野菜もしっかりとりつつ、『ほっともっと』のから揚げ弁当を毎日食べていた。

 なお、受験会場がTOCの場合は五反田よりも戸越銀座のほうが試験会場までの移動時間が同じであるのにコンビニ、レストラン、ファストフード、お弁当屋が充実しているし、治安も良いのでお勧めである。

 最終日の夜は自宅に帰ってからビールと焼き鳥でささやかに自分をねぎらい、翌日から始まる就活に向けて気を引き締めなおしていた。

 受験後、合格発表までの間は就活が早々に終わってしまったのもあって試験結果のことを気にしてばかりの日々だった。

しかし、法科大学院には在学していたため、次第に模擬裁判や期末テストに忙殺されはじめ、試験結果のことを考える暇はなくなっていった。また、6月から法律とは全く無関係のアルバイトも始めたので合格発表当日まで試験のことを考えすぎずに済んだ。ほぼ毎日、金魚と戯れるバイトを行う日々は精神的にとても良かった。

 そして、ようやく冒頭のシーンに戻るのであるが、改めて合格することが出来て本当に良 かったと思う。私はそこまで突き詰めて理論を勉強してきたわけではなかったし、周りの友 人に比べて勉強量でも負けていた(1日の勉強時間が10時間を超えることはほとんど無か った)。再現性のある合格の仕方ではないが、こんな人間でも司法試験に合格することがで きるということで後輩の方々にはある種の安心材料としてこの合格体験記を読んでほしい と思う。

 とにかく、どれだけ辛くても司法試験を最後まできちんと受けきり、途中答案なく駆け抜 けることができれば合格可能性は飛躍的に上がると思うので途中で脱落しないようにだけ 頑張ってほしい。

 自分は自分であって他人とは違うことを自覚し、淡々と自分に合った勉強をして合格を勝ち取ってくれる後輩を見ることができればこれ以上の喜びは無いように思う。

 最後に試験ばかりを考えて、人との縁をないがしろにしないようにという忠告だけはハッキリと伝えておきたい。司法試験の受験は周りの人が支えてくれてこそできていることであるし、他者から学ぶことも非常に多い。試験にかこつけて殻に閉じこもってしまってはせっかくの機会をみすみす採り逃すことになる。就活においても人柄が重要視されるので、どうか試験ばかりにこだわらず、日々の生活と家族、友人を大事にしてほしいと思う。

以上

2021年3月修了

 合格体験記

1 はじめに

 この度、令和3年度司法試験を受験し、幸運にも1回目で合格することができました。何かの参考になればと思い、私の試験対策について書き残しておきます。

 

2 短答対策

 基本的には過去問を繰り返して、全問肢レベルで解けるようにしておけば足りると思います。私はLECの体系別過去問集を使用しました。具体的には、問題を肢ごとに解き、解説を読み、解説中に出てきた条文を必ず引きました。また、間違えた問題にはㇾ、正解できたが確信を持てなかった問題や理由付けが間違っていた問題にはのチェックをし、直前期にはチェックの付いた問題のみを繰り返しました。加えて、民法は条文素読、憲法はWセミナーの逐条テキストで判例に目を通す・統治の条文素読、刑法は構成要件の暗記・科刑辺りの細かい条文素読といった個別の対策をしました。特に、民法については改正法プロパーの過去問の蓄積がまだ不十分なので、条文素読はやっておいた方がベターかと思います。

 とにかく毎日コツコツ問題を解くことを継続することが重要だと思います。個人的には短答の作業感が苦痛だったので、最初のページから順に解くことはせず、体系別過去問集の年度索引を活用し、年度ごとに問題を解くようにしていました。

 本番で有効だったテクニックは、時間に余裕がなくなりがちな民法・刑法では最後のページの問題から解き始め、それから最初の問題を解いていく方法です。最後の方の問題は時間に余裕がある段階で冷静に検討すれば、意外と簡単に解ける問題であることが多いです。

 

3 論文対策

 典型論点を網羅した問題集、予備試験・司法試験の問題、ローの授業での課題等を利用した問題演習を中心にし、基本書・判例集やローの授業等で基本的理解を適宜、補強・修正していくスタイルでした。結局ローに入学してから受験するまで基本書・判例集を通読することはせず、辞書的に参照するにとどめました。実際のところ、そこまで手が回らなかったです。

 過去問は一応全年度最低限答案構成をし、出題趣旨・採点実感・再現答案に目を通しました。また、予備校講師の先生がブログに上げていたランク表を参考に、優先度の高い過去問は、受験前年の10月頃から試験1か月前まで週1通起案し、教育補助講師の先生に見て頂きました。とはいえ、最終的には処理量が要求される行政法と刑法の起案が中心で、その他憲法・民事系・刑事訴訟法・選択科目は科目ごとに答案の方向性を把握した後はほぼ起案しませんでした。今思えば、もう少し他の科目も起案しておくべきだったかなと思います。もちろん、時間との兼ね合いによりますが。そもそも、私は受験前年の9月末頃までほとんど過去問を検討していなかったので、過去問を全年度検討し終えるまで年明け2月上旬くらいまでかかってしまいました。今思えば、ロー3年次になったくらいの時期から過去問検討を始めておくべきでした。ただ、過去問自体今や相当数の蓄積がありますので、全年度起案するのは現実的ではなく、いずれにせよメリハリをつけることは必要になると思います。

 本番で意識したことは、①法的根拠要件効果の法的三段論法を守ること、②設問・誘導の指示を絶対に落とさないこと、③問題文中の事実を可能な限り拾い評価すること、④典型論点を問う問題や過去問で一度出題された論点については絶対に落とさないこと、⑤現場思考問題は深追いせず法的三段論法の形を守り一定の論述をすることでした。とにかく何を聞いているのかよく分からない問題が出ても、パニックにならずに、問題文に何かヒントになるようなことが書いてないか、何の条文の問題かを落ち着いて考えることが重要です。結果として、成績は中位程度でしたが、以上のことを普段から意識していたことが合格に繋がったのだと思います。

 

4 おわりに

 とにかく私が一番伝えたいことは、基本的知識・理解や科目ごとの答案の型ができていることを前提とした上で、どんなに難しい問題であろうと、簡単な問題であろうと、法的根拠要件効果という思考ができ、それを答案に反映できれば必ず合格できるということです。この試験は決してマニアックな知識を問うものではなく、難しい問題を知識で解くことを要求していません。究極的に問われているのは、結局のところ法学入門で誰もが教わる法的思考ができるか否かです。これから司法試験を受験される方には、常に合格という目的を意識し、努力の方向性を見誤らずに、勉強を継続して頂ければと思います。

以上

2021年3月修了 Y・K

 合格体験記

 

私が司法試験を目指そうと決めたのは大学四年生になってからでした。したがって学部時代には定期試験のための一夜漬け以外法律の勉強はしておらず、何とか既習でローに入るため受けるローを明治のみにして勉強科目を上三法のみにし、対策内容を絞りました。そして8月に受けた入試では不合格、10月の二期入試で奇跡的に明治に拾ってもらいました。つまり私はロー入学時点でおそらく既習としてのレベルには達しておらず、さらに下四法については一切の知識がありませんでした。このように人より遅れていた自分が司法試験に現役合格できた理由は、大きく分けて三つあると思います。

一つ目は遅れていた自覚があった故に謙虚であり、教授や先輩の話を素直に聞いていたことです。教授や補助講師の先生、また事務の方は多くの生徒を見てきた経験が、先輩には新鮮な実体験があります。そのような方々の話はどうすれば落第せず、さらにその先の合格までたどり着けるかを考える有用な材料になります。すなわちがむしゃらに勉強するのではなく、情報を集めて今何をするべきかをじっくりと考えることが、結果的に近道になると思います。

二つ目は補助講師ゼミに積極的に参加していたことで、過去問に取り組むのが早く、答案の書き方を確立させることができたことです。私は当初先生方が仰っていた「早めに過去問を解き始めるべき」との言葉は半信半疑で聞いていました、今司法試験の過去問を解いたところで自分の知識では歯が立たず、意味がないと思っていたからです。ですが問題にあたり、わからないと言う経験をすることでいったい何がわからないのかが浮き彫りになります。また自分が得意だと思っていた範囲でも実際の問題ではうまく書けないことも多々あります、教科書を読んでいるだけでは身に付いていないことが多いのです。そしてそのようにして問題を解いていると答案の書き方が身に付きます、それは法的三段論法が体に染み付くと言うことです。三段論法がしっかり身についていると、判例や教科書の読み方からまるで変わってきます。つまりアウトプットの勉強でありながら、インプットの効率を飛躍的に向上させることになるのです。

三つ目は過去問を解くのに試行錯誤する中で、暗記と現場思考のバランスに気づけたことです。ある程度勉強が進んだ時にふと考えたことがあります。それは司法試験で使う可能性がある全ての論証や規範を覚え、そして試験当日に保持していくことなど物理的に不可能なのではないか?ということです。しかし現役で合格する方は多くいますし、私の大学時代の同期は勉強を始めて二年ほどで予備試験から司法試験まで合格しました。そのような方々はどうしていたのか、辿り着いた答えは「全てを暗記していたわけではない」というものでした。法律は論理です、よりどころとなる条文や判例法理を基に、解釈を施して規範や論証が生み出されるのです。そうであればそれらを全て暗記している必要などなく、条文やその趣旨、基本的な判例などを知っていればそこから論理的に答えを導き出すことで、いつでも同じような規範や論証を書くことができます。普段学んでいる論点やその解決法も、それがそのまま試験に出ればラッキーですが、多くの場合応用的な問題にぶつかった時、それを乗り越えるための材料にすぎません。暗記に頼りすぎると学んでいた論点と似ているが違う問題が出た時に、どうしても知っている論点通りのことを書いてしまいます。すなわち、ローで定期試験を乗り越える程度の知識について暗記は当然必要になりますが、なにもかも暗記しようとするのではなく、自分の知っていることをもとに現場思考しようとすることが重要になってきます。普段の勉強は定義や規範を丸暗記しようとすることより、なぜそのような定義になるのか、なぜこのような規範が導き出されるのか、理解をすることに時間を割いた方が良いと思います。

さて、長々と書きましたが私の書いていることが唯一の正解ということはないと思います。他の方の体験記についても同様で、勉強法などはそれぞれの人にとって合う合わないがあり、早い段階で自分に合った勉強法を見つけることが重要だと考えます。私自身も様々な人の話を聞いて自分にできるもの、出来ないものを多く精査してきました。なので様々な人の話を聞いて情報を集め、自分なりの答えを探していただけたらと思います。私の話が皆さんの助けになれば幸いです。

以上 

2021年3月修了 Y・Y

 合格体験記

 

1 経歴

 2019年 静岡大学人文社会科学部法学科 卒業

 2021年 明治大学法科大学院(既習) 修了

 2021年 司法試験合格


2 勉強方法について

      はじめに

私は、運よく1回目の受験で合格することができましたが、特段良い成績で合格できたわけでないため、参考程度に見ていただければと思います。

     短答式試験

ア 勉強の必要性 

 短答式試験の勉強は論文式試験とは別にするほうが良いと思います。たしかに、論文式試験と重なる内容となる部分も多いのですが、短答式試験は明らかに論文式試験では使えないような条文をも使うことになるため、少なくともその部分については論文式試験と分けて勉強するほうが効率がいいです。また、短答式試験の刑法や民法、特に民法は時間内で解き終わることが困難なボリュームの問題量であるため、論文式試験とは違った反射速度が求められます。以上のように、短答式試験は論文式試験と比べ出題範囲の広さ、試験の特徴が大きく異なるものであり、別途の対策を行ったほうが良いです。

イ 勉強方法

 使用教材については、補助的に択一六法を用いながら、肢別本(辰已)を使用していました。理由としては、肢別本は論点ごとに問題が振り分けられており解説も短く解いていて比較的ストレスが少なかったこと、端的にまとめられているため分からなかったところだけチェックとマークをすることで簡易的なまとめノートのように使えて便利であったからです。

 具体的な勉強方法としては、択一六法を用いて論文式試験対策として勉強を行っていない範囲を簡単に勉強したうえでその範囲を肢別本で解くという作業を行っていました。期間としては、3年生の間にゆっくりと1周、3月~5月にかけてチェックとマークを入れたところを1周、短答式試験前日に2個のチェックが入っているところを1周していました。

     論文式試験

ア 使用教材

使用教材としては、主に基本書と過去問を用いていました。演習書については勉強時間が足らず使用していません。具体的には、補助講ゼミや展開演習科目で過去問を解き、添削をしてもらうという作業を繰り返していました。

イ 勉強の際に意識していた点

勉強の際に意識していた点は起案ページ数の配分でした。私は、起案スピードが遅かったため、答案構成を含めると時間内に書くことのできる量は5枚一杯が限界であったため、まずはすべての科目を5枚以内で過不足なく書き上げる練習をしました。具体的には、過去問を基本書、再現答案、出題趣旨をじっくりと考察したうえで時間をかけて5枚で収まるように書き上げ、それを添削してもらい、悪かった点を直していくという作業を繰り返していました。

次にじっくりと考察する時間を短縮するために、考察中は何に一番時間がかかってしまっているかを考えました。自分の場合は書き始めに迷いがあり下書きみたいなものを作ってしまっていること、答案構成が丁寧すぎることで無駄といえる時間を使ってしまっていました。そこで、各科目ごとに自分なりの答案の型を作り、それに当てはめていくだけで書き始めと答案構成ができるようにしました。

 以上のような対策をすることで、試験本番では完全な途中答案なく乗り切ることができました。

ウ 勉強方法

 勉強方法としては、大学院入学時から日頃勉強した内容を簡単にまとめたノートを作成していました。そして試験前3月あたりから、2年分のまとめノートを試験直前に見直せるように基本書などを読み直しながらコンパクトにまとめ直していました。このまとめ直しにより、すべての範囲を試験直前期に簡単ではありますが復習することができたと思います。


3 ゼミ

 私は1つの補助講ゼミを主として3つのゼミに参加していたのですが、前述の型の作成は補助講師の方々の添削や経験談、指摘がなければ到底できるものではなかっと思っています。そして、私自身合格することができた一番の要因は、自信をもって使うことのできる自分なりの型を作成することができたからだと思っています。合格までのプロセスがいまいち見えてこないと考えている方は是非、とりあえずでもいいのでゼミに登録してみることをお勧めします。


4 模試

 模試については、少なくとも8科目を司法試験当日と同じ日程で行うTKC模試を会場受験で受けたほうがいいと考えます。司法試験はその本番も想像以上にハードなものとなります。予行演習を行っておくことで、幾分か楽に過ごすことができ、良いコンディションで試験に臨めるようになったと思います。


5 おわりに

 試験勉強で大事なことは、自分の現在の能力や性格、環境を分析したうえで、合格のために必要な勉強を計画し、愚直にそれを実行することだと思っています。そして、この中で司法試験の勉強において難しいことは、自分にとって合格のために必要な勉強は何かを見つけることだと思います。この合格体験記が、皆さんにとっての合格のために必要な勉強が何か、を見つける手掛かりになればうれしく思います。