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合格体験記 │ 11人からのメッセージ

2026年3月修了見込み 千歳匠

1.経歴
2024年3月 明治大学経営学部 卒業
2024年4月 東京都立大学法科大学院 入学(既修)
2025年11月 司法試験合格(在学中)

2.基本書・演習書
 基本書は一部を除き通読せず、辞書のように使っていました。
【憲法】:「伊藤真の憲法入門講義再現版 (伊藤真の入門シリーズ)」(伊藤真著/日本評論社)、「憲法」(芦部信喜著、岩波書店)、「精読憲法判例(人権編)」(木下昌彦他編/弘文堂)、「憲法学読本」(安西文雄他著/有斐閣)、「憲法ガール(2013年刊)・Ⅱ」(大島義則著/法律文化社)、「憲法判例百選Ⅰ・Ⅱ」(長谷部恭男他編/有斐閣)
【行政法】:「基本行政法」(中原茂樹著/日本評論社)、「行政法」(櫻井敬子他著/弘文堂)、「行政判例百選Ⅰ・Ⅱ」(斎藤誠他編/有斐閣)、講座レジュメ・論証、予備校演習書
【民法】:「伊藤真の民法入門講義再現版 (伊藤真の入門シリーズ)」(伊藤真著/日本評論社)、「民法の基礎1・2」(佐久間毅著/有斐閣)、「担保物権法」(松井宏興著/成文堂)、「債権総論」(中田裕康著/岩波書店)、「基本講義 債権各論I・Ⅱ」(潮見佳男著/新世社)、「LEGAL QUEST民法Ⅵ 親族・相続」(前田陽一他著/有斐閣)、「アガルートの司法試験・予備試験 合格論証集 民法」(アガルートアカデミー著/サンクチュアリ出版)、「司法試験&予備試験 完全整理択一六法 民法」(LEC東京リーガルマインド編著)、「民法判例百選Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」(潮見佳男他編/有斐閣)、「民法(新伊藤塾試験対策問題集-論文1)」(伊藤 真監修/弘文堂)、予備校演習書
【商法】:「会社法」(田中亘/東京大学出版社)、「会社法判例百選」(神作裕之他編/有斐閣)、「商法判例百選」(神作裕之他編/有斐閣)、講座レジュメ・論証、予備校演習書
【民訴】:「伊藤真の民事訴訟法入門講義再現版 (伊藤真の入門シリーズ)」(伊藤真著/日本評論社)、「民事訴訟法」(安西明子他著/有斐閣)、「LEGAL QUEST民事訴訟法(第3版)」(三木浩一他著/有斐閣)、「民事訴訟法判例百選」(高田裕成他編/有斐閣)、講座レジュメ・論証、アガルート重要問題習得講座
【刑法】:「伊藤真の刑法入門講義再現版 (伊藤真の入門シリーズ)」(伊藤真著/日本評論社)、「基本刑法1・2」(大塚裕史他著/日本評論社)、「刑法」(山口厚/有斐閣)、「刑法総論の悩みどころ」(橋爪隆著/
有斐閣)、「応用刑法2各論」(大塚裕史著/日本評論社)、「最新重要判例250刑法」(前田雅英他著/弘文堂)、「刑法事例演習教材」(井田良他著/有斐閣)、予備校演習書
【刑訴】:「刑事訴訟法講義」(池田修他著/東京大学出版社)、「LEGAL QUEST刑事訴訟法」(宇藤祟他著/有斐閣)、「刑事訴訟法判例百選」(大沢裕他編/有斐閣)、講座レジュメ・論証
【経済法】:予備校テキスト、「論文対策1冊だけで経済法」(辰巳法律研究所)
※百選は全て最新の版を使いました。
※「講座レジュメ・論証」とは、上記法制研究所入門講座で使用したものです。

3.他学部から司法試験を目指した背景
 経営学部に入学した2020年はコロナのパンデミックが始まった年であり、和泉キャンパスでの2年間はほぼ全ての活動がオンラインでした。
入学式もサークルの新入生歓迎会もなく、世間一般の大学生が経験するような大学生活を送ることはできませんでした。
 そんな中、本学が法律家の養成に力を入れている大学であること、大学内外に法律関係の会が3つもあること(法制研究所、法曹会、法律相談部)、学部に他学部履修の制度があることを知りました。
オンライン授業に辟易していた私は、初学者からでも本格的に法曹を目指せる環境を活用しない手はないと思い、一念発起で司法試験受験を志しました。

4.大学での法律の勉強
 予備校の利用は経済的に厳しかったので、法制研究所の商訴行政入門講座を受講しました。
入門講座は外部から実務家教員の先生を招き、安価かつ高度に、司法試験・予備試験の勉強ができる最高の講座です。
この講座は法学部2年生向けのものでしたが、他学部3年で受講させていただき、実務を踏まえた司法試験向きの法律を楽しく学ぶことができました。
現在はご退職されていますが、外部教員の先生にも大変良くしていただき、法曹の実情を知れたり、先輩との繋がりを得ることができました。
答案も沢山添削していただき、本当に受講して良かったと思います。
 大学の授業では、他学部履修の制度を用いて法学部の授業をたくさん履修し、司法試験の短答知識を得ることができました。
 3+2※が始まったことでロー入試が難化していましたが、ロー入試後期から予備校の教材を使用したところ、既修コースに合格することができました。
※3+2とは、2019年度より開始された法曹コース3年間+法科大学院2年間の新制度のこと。

5.ロースクールでの勉強
⑴ 短答
  教材は辰巳法律研究所の短答過去問パーフェクトを周回していました。
途中からはロースクール生が無料で利用できるローライブラリー内の短答式過去問題演習トレーニングで過去問を周回していました。
 また、予備校やTKCの模試を受け、間違えた肢は、次はミスをしないように何度も暗唱して覚えることを徹底していました。
 量は、多すぎても忘れてしまう為、主に電車移動中に1日20から30問取り組んでいました。
待ち時間等の暇な時間がある場合は30問すでに終わっていても問題演習を繰り返していました。
 前年度の司法試験で短答が難化したと小耳に挟んだので、小手先のテクニックではなく、きちんと知識を体得することを意識しました。
 憲法:過去問を解き、不明確だった部分を条文、芦部憲法、判例の原本を読みながら復習する方法で勉強しました。
 民法:過去問を解き、条文、択一六法、基本書に戻る勉強をしました。量も多く忘れやすいので、なるべく短期間で回数をこなすよう意識しました。
 刑法:過去問を解き、条文、基本刑法に戻る作業を繰り返しました。
 
⑵ 論文
 過去問をメインに、予備校の演習教材も科目別で使用しました。
過去問を解いた後は、出題の趣旨・採点実感・ぶんせき本等、信頼できる教材を読み込み、論証集にまとめていきました。
本番の半年以上前からは、1日1科目過去問を解くようにしていました。
 本番を含む論文問題の演習中に意識したのは以下の点です。
①事実や誘導文の事情を、評価を交えて(最悪引用でも良いので)ほぼ全て使うこと
②問題文に書いてある通りに問題文を読み、素直に問いに答えること
③短文かつ理路整然と答案を書くこと
④時間内に解き切ること
⑤問題文の事情を変に省略せず、一字一句そのまま引用すること

6.最後に
 合格の瞬間、両親や友人は泣いて喜んでくれました。最高の親孝行ができたと思っております。
 周りの友人が人生のステージを進めていく中、孤独に勉強を続けることは過酷で、耐え難いことだと思います。
しかし、合格の先には見たことのない世界が広がっています。
 司法試験も単なる資格試験の一つにすぎません。
気を揉まず、自分を持って、ときに素直に人の意見を聞き入れながら、着実に勉強を進めていくことができれば、確実に合格に近づけると思います。
 

2026年3月卒業見込み 川下拓海

はじめに
 私は令和5年度司法試験予備試験に合格し、司法試験の受験資格を取得した後、令和7年度司法試験に合格いたしました。
令和6年度司法試験は体調を崩した関係で、受験を断念しました。
学習を開始したのが高校3年生の12月、そこから2年強で予備試験に合格し、そこから1年半で司法試験に合格しました。
司法試験合格は1年遅れましたが、その1年間でしっかりと学習を重ね、短答式11位、論文式5位、総合5位という成績で合格することが出来ました。
 以下、簡単にではありますが、予備試験、司法試験それぞれにおいて、私が実践した学習方法を記載します。
これから学習を開始される方、現在合格に向けて学習をされている方の参考になれば、幸いです。

〈予備試験〉
◎短答式試験
 使用教材は、辰巳法律研究所の『短答過去問パーフェクト』(著:辰巳法律研究所/出版社:辰巳法律研究所) と、『判例六法』(著:森田宏樹 ほか/出版社:有斐閣)でした。
予備試験の学習は、主に予備校を使用していたため、まずは予備校の基礎講座を受講して、各科目の知識を1周インプットしました。
本格的な短答式試験の学習は、その基礎講座1周が完了してから開始しました。
短答式の基本的な学習は、判例六法で条文・判例を確認しながら、とにかくパーフェクトを回すということにつきました。意識したことは、以下の点です。
 
 ・なるべく全問解くこと
  短答式過去問は膨大な量があるため、1周目は全問取り組んだとしても、2周目、3周目になってくると問題量を知っているがゆえ、なかなか全問解く気にはなれず、間違えた問題だけ解こうとなってしまう方が、多いのではないかと思います。
しかし、短答式の学習は、広く深く網羅的に行っていくことになりますので、その分、知識の抜けもとても速いです。
加えて、覚え間違い、勘違いということが頻繁に起こります。
そのため、一度正解した問題でも、次に解いたときには、間違えてしまうことが発生します。
これを何度も経験しつつ繰り返し、同じ問題を解いてようやく知識が定着するので、過去問周回をしている間は、なるべくすべての問題を解くことをお勧めします。
私は本命の予備試験短答式試験を受験するまでの約1年半で、短答式過去問(パーフェクト)を7周しましたが、試験直前最後の1周を除いた6周目までは全問解くようにしました。
 
 ・題材となる条文・判例を都度読むこと
  パーフェクトの解説は非常にわかりやすく、それを読めば大抵の問題は理解が出来ます。
しかし、最近の短答式試験では、特に過去問の焼き直しが少なく、今まで出題された知識を、角度を変えて出題してきているという印象があります。
そのため、過去問を過去問のまま、解説を含め覚える学習だと、角度を変えて出題がされた場合に、躓いてしまう可能性が非常に高いです。
このような傾向に対応するためにも、過去問に出題された条文、判例については、(なるべくその周辺のものも含めて)その原文に当たっておく必要があります。
原文をしっかりと理解し覚えておけば、出題元となる条文、判例に即して解答することが出来るため、形を変えて出されたとしても、対応が可能となります。
私が短答式学習をした際、1周目に関しては短答式に初めて触れる機会であり、かつ初めて見る知識が大半だったため、原文に当たる余裕はありませんでしたが、
2周目、3周目と進むにつれ、判例六法を用いて解いた過去問に出てきた条文・判例を、その都度引くことが出来るようになっていきました。
そのおかげか、短答式で高得点を取ることが出来たことに加えて、論文式学習においても、条文検索が非常に早く行えるようになった実感があり、初見の問題でも、様々な判例の知識を駆使して戦えるようになりました。
 
  以上が短答式の学習で意識したことでしたが、個人的に予備試験は論文式試験よりも短答式試験に肝があると思っています。
短答式試験で網羅的に知識を定着させ、法律科目で高得点を取れるようになれば、論文式試験で必要となる知識以上の知識が、この時点でついてしまいます。
私自身、短答式の点数は法律科目のみで合格点を超える点数を取れたため、その後初めての論文式試験受験においても、知識量に不安を抱えることは一切ありませんでした。
これから予備試験の合格を目指す方々には、ぜひ短答式の学習にも力を入れていただきたいと思います。
 
◎論文式試験
 予備試験の論文式試験は、司法試験まで受けきった今だからこそ思いますが、問題自体の難易度は高くありません。
聞かれる論点も典型的なものが多く、現場思考的な問題も、短答式で学んだプロパーの知識を引っ張り出せば、何とかなる問題がほとんどです。
司法試験で要求されるような高度な現場思考、複雑な具体的事実の検討は出題されません。
ただ、合格率も絞られており、かつ競争相手が短答式試験を突破した猛者のみであるという点で、非常に難しい試験だということに変わりはないと思います。
もっとも、上記で述べた問題自体の難易度から考えれば、必要以上に手を広げる必要はなく、例えば市販の演習書を何冊も解く、基本書を複数読む、判例集を隅々まで読み込むといった、
短答式でも行わなかったような、広範囲の学習を行う必要は全くないと思います。
典型的な条文構造・論点について確実かつ正確な理解を行い、問題集・過去問の検討を通じて答案構成力・具体的事実の検討の力を養うことで、十分合格ラインに到達することが出来ます。
このようなシンプルな学習を貫き極めた受験生が、すんなりと受かっていく印象を受けています。
したがって、使用する教材は予備校利用者/独学受験生で分けて記載をすると、
・予備校の基礎知識テキスト各教科1冊/基本書各教科1冊(知識確認のため)
・論証集(暗記用教材)
・予備校の問題演習用教材各教科1冊/市販の問題演習用教材各教科1冊
・過去問集(なるべく解答解説付き∴予備試験は簡単な出題趣旨の公表しかないため)
で十分かと思います。
問題演習用教材に関しては、やはり論点の学習はアウトプット形式で行えた方がいいため、網羅的に論点が掲載された教材を1冊使用すればいいかと思います。
過去問の検討だけだと、具体的事実の検討は本番同様の練習が出来ても、どうしても論点の網羅性が担保できないため、論点習得のための教材が必要というイメージです。
論点学習→問題演習用教材、具体的事実の検討の練習→過去問という分け方で、私は学習をしていました。
 予備試験論文式試験に対しては、極めて厳しい試験であるというイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、決してそんなことはありません。
早い段階から論文の学習に着手し、書けるようになれば、短期合格も決して夢ではないと確信しています。
手を広げずに、上記で提示した教材で、これだと決めたものを信じて、突き進んでほしいと思います。
 
〈司法試験〉
◎短答式試験
 学習方法は、予備試験短答式試験とまったく同様です。詳しい内容は、上記に譲ります。もっとも、気を付けたい点があります。
・予備試験合格者向けの注意点
  予備試験に合格された方こそ、短答式で気を抜くと痛い目を見る可能性があります。予備試験短答式試験を受験してから、予備試験最終合格までは半年以上が空きます。
特に民法、刑法の細かい知識や、憲法の統治分野の知識などは、大きく抜け落ちている可能性があり、それ以外の知識も、正確性が大きく薄れている可能性があります。
司法試験短答式試験は、予備試験のそれとは異なり、最終合否の判定の一要素になります。
そのため、単に足切りを回避すればいいだけではなく、なるべく高い得点をとることが理想となります。
予備試験合格者の司法試験短答式突破率は極めて高いですが、その突破者の中でも、足切り寸前で突破したという方は、非常に苦しい思いをした可能性があると容易に想像できます。
安定した合格のためにも、短答式には早めに取り組んでおくのが良いかと思います。
・最近の傾向について
  主に憲法、刑法ですが、近年傾向が変わってきているといわれています。憲法については初見の問題も含め、聞かれることが端的に難化している印象です。
刑法については、穴埋め・学説対立問題が非常に多く出題されるため、そもそも、この形式の対策をしていない受験生にはとても厳しく、対策をしていても時間が足りなくなる場合があります。
もっとも、このような傾向に対応しようとして、手を広げることはするべきではないと思います。
この点は一貫していて、やはり過去問を回すことで、対応することが十分可能であると思います。
憲法は難しくなったとはいえ、出題される知識は今まで聞かれてきていることと同様ですので、過去問に出題された知識をしっかりと原文に当たりながら理解しておけば、
合格者平均点程度の点数はとることが出来ると思います。
刑法についても、問われている知識の中身が変化しているわけではないので、過去問で解く練習を繰り返し、穴埋め・学説対立問題への自分なりの解き方を確立しておけば、相対的に沈む点数とはならないと思います。
肢別の教材を使用している方は過去問の練習が足りなくなる傾向にあるため、注意が必要です。
 
◎論文式試験
 司法試験論文式試験は予備試験と比較しても、問題難易度自体は極めて高いです。
すべての科目で、ほぼ毎年現場思考が出題されるといっても過言ではありませんし、具体的事実の検討も問題文が長いことから、その複雑さを増しています。
2時間(選択科目は3時間)で答案用紙8枚というシビアな分量の中で、事案を正確に分析し、答案を作成しきることが求められることから、最高峰の難易度を誇る試験であるといって過言ではないと思います。
もっとも、「原則として」とるべき学習方法は、予備試験で述べたように、手を広げずに、使用する教材を絞って選択した、基礎知識教材・論証集・問題演習用教材・過去問を極めるということに尽きると思います。
現場思考と具体的事実の検討については、難易度は高いですが、基本書の本当に細かな場所に載っているような知識を必要とする問題は出題されず、これもまた典型知識の応用によって対応が可能です。
そのうえ、司法試験では、出題趣旨と採点実感という強力なツールが存在しており、これを分析することによって、答案の構成はどうすればよかったのか、どのような現場思考を行えばよかったのか、具体的事実の検討の際には、どこに気をつければよかったのかについて、「正解」を得ることが出来ます。
したがって、ここでも手を広げることは「原則として」必要無く、予備試験と比較して過去問の重要性が、より一層増したくらいの変化量に留まると思います。
よって、下記に述べる例外を除けば使用教材は、上記に記載した予備試験の論文式試験対策で述べたものと変わらないといってよいと思います。
さて、「原則として」と強調していた通り、司法試験には、「憲法」という例外科目が存在します。行政法も若干癖が強いですが、問題文が長く、個別法の読み込みが必要というだけで、これは過去問をしっかりとやりこみ、自分なりの解き方を習得することが出来ていれば、憲法ほど苦戦する科目とはならないと思います。
憲法の話題に移りますが、憲法は全くの別物です。この「別物」という表現には、司法試験における憲法以外の科目との比較という意味もあり、かつ予備試験における憲法の問題との比較という意味もあります。
したがって、ロー生、予備試験合格者ともに、憲法に対しては別のアプローチを考えなければならないと思います。以下、憲法については別視点から述べていきます。
 まず、司法試験憲法の問題においては、論証が一切といっていいほど通用しません。ほとんどの予備校の論証集は判例の判旨や、主要な学説の論理をそのまま論証化したものが掲載されており、
その論証のまま、答案に記載することを前提として作成されています。
しかし、実際に答案を作成してみると、論証をそのままペーストするような場面は、ほぼ出てきません。
そのため論証集が普及し、論証頼りの学習傾向にある現在、憲法では何を書いていいかわからない、という方が非常に多く出てきてしまっているのが事実として、見受けられます。
私も予備試験時代は、論証頼りの学習をしていたため、司法試験憲法の問題に対して論証が通用しないとわかった時のショックは、極めて大きいものでした。
ここでアプローチを変えなければならないという結論に至りました。
 次に司法試験憲法には、決まった「型」を確立することが難しいという特徴もあります。
多くの予備校が、保障→制約→正当化の順で論じる三段階審査に当てはめるようにと指導をしているようですが、三段階審査が使用できる人権の制約が問題となっている場合にはよいものの、
三段階審査が妥当しないとされている人権について、同手法を用いれば、かえって採点者の印象を損ねます。
これは採点実感でも言及があるところであり、形式的に三段階審査を行っているのみの答案は、評価の対象とならないとしています。
唯一絶対の答案の流れが存在しないということが、憲法の問題をより一層難しくしているものと思われます。
 以上の傾向に対策するため、私は過去問演習においては、『憲法ガール』(著:大島義則/出版社:法律文化社)という演習教材を使用していました。
この演習教材は、司法試験の過去問を題材として、司法試験出題趣旨、採点実感に基づいて解説を行っており、かつ三段階審査を形式的にはめ込むような検討手法から、各人権、事案に即した検討を行う方法へシフトチェンジするために必要な知識が集約されていました。
加えて、「判例を使って書く」(同書では、「判例をはしごして書く」と表現されている)ということはどういうことなのかが詳細に説明されており、
論証頼りの答案から、真の理解を表現する答案へと変えるためにきわめて有用でした。
同書は、憲法の問題に対するアプローチを習得するためには、必須の教材だと思います。
 加えて、私が見た中で唯一、判例の判旨をそのままではなく、しっかりとかみ砕いて、司法試験の憲法の問題に対しても、使用可能な形で論証を作成している教材がありました。
それが、『総まくり論証集憲法』(著:加藤喬/出版社:加藤出版)でした。
この論証集を何周もして、記載されている判例の知識をストックすることで、『憲法ガール』に紹介されていた「判例をはしごして書く」ということを、より高い精度で行うことが出来るようになりました。
 私は憲法で一度挫折を経験しましたが、上記二つの教材に出会ったことで景色が一変しました。
行政法についても、『行政法ガール』(著:大島義則/出版社:法律文化社)及び『総まくり論証集行政法』(著:加藤喬/出版社:加藤出版)を使用していましたが、結果として公法系科目で4位という成績をとることが出来ました。
判例集などを読み込むなどは、他の科目同様行いませんでしたので、知識量というよりも、典型とされる知識をどのように使用するかで、特に行政法は大きく差が開くものと思われます。
公法系の学習に困っている方がいたら、ぜひ参考にしてみてください。
 
おわりに
 令和6年度司法試験の受験を断念した後、1年間という長く見える時間があることから、基本書の通読に手を出した時期がありました。
しかし、量が膨大であるうえに、必要な知識とそうでない知識の境目がはっきりしておらず、さらに記載されている知識を定着させるためには何周もしなければならないと直感し、
司法試験との関係では不要なものなのだと感じました。判例集も同じようなものだと思います。
もちろん有用な知識も載っていますので、過去問に出てきた知識を基本書・判例集を辞書的に用いて補充する、などの使い方が有用だと思います。
 合格のためには、自身の信じた教材を極めることを最優先として、手を広げず、アウトプット重視の学習を意識することが、一番の近道だと思います。
学習方法、合格方法は様々あると思いますが、一合格者の体験談として、参考にしていただければ幸いです。
 
 

2026年3月修了見込み T.M

1.自己紹介
私は、明治大学法学部を卒業し、明治大学法科大学院に未修として入学しました。
明治大学に入学した時から、法曹になりたいとは思っていましたが、勉強を継続してやることができず、真剣に司法試験と向き合い始めたのは、法科大学院2年になる前の春頃です。
 そのため、在学中受験合格を目指すためには時間が全く足りませんでしたが、何とか在学中に合格することができたので、その体験記をお伝えできたらと思います。

2.短答式の勉強について
(1)法科大学院1年では、『共通到達度確認試験』という試験があります。
全国の法科大学院の未修1年生の間で行われるテストで、明治大学法科大学院では、全体の下位2割に入ると留年になるため、合格しなければなりませんでした。
 私は、この試験のため、司法試験及び予備試験の短答式の過去問を解き、肢別にわからないところの解説を読み、その度にテキストに戻り、確認して理解するという作業を行いました。
また、共通到達度確認試験の過去問にも取り組み、全年度解いて理解し、全て回答できるようにし、自分が弱いと思った分野は、基本書を読み込むことで対策をしました。
 その結果、全国上位数%に入ることができました。以上の経験を踏まえ、司法試験の短答式の勉強をしていました。
(2)本格的に司法試験の短答式の勉強を始めたのは、司法試験本番の3ヶ月前ぐらいからです。
かなり遅いですが、3科目しかないと慢心していたのもありますし、論文式の勉強に時間を割きたかったからというのも理由にあります。
 1日、10問を最低目標とし、主に行き帰りの電車の中で短答式の勉強をしていました。
その際、間違った問題、正解していても理解できていないと感じた問題については、Wordにまとめるなど、後で見返せるようにしていました。
そうすることで、自分が間違いやすい問題のみを復習し、定着させることができるので、効率的に学習できると考えたからです。 
 その結果、本番までに民法以外は全年度予備校でランク付けされるAからCランク(正答率50%以上)の問題を全て回すことができ、間違えた問題については、ある程度復習もすることができました。
弱いと思う分野は基本書で補完することで、司法試験に臨みました。
 本番では、3法ともに手応えがなく、試験後は「足切りかもしれない」と落ち込みましたが結果としては、ギリギリですが短答式に合格することができました。
振り返ると、確かに過去問演習の量は十分とは言えず、知っている問題も多くはありませんでした。
それでも合格できた理由は、法科大学院の授業やゼミでの過去問演習を通して、理解できない所、疑問に思った所を最後まで追求し、論文式に活かそうとしてきたことで、
自分で考えるための基礎が身についていたからだと考えています。
(3)これから受験する皆さんには、私のようにギリギリで短答式対策を始めるのではなく、早い段階で短答式の勉強をすることをお勧めします。
私が短答式の勉強をして感じることは、①短答式の勉強は論文式で使う知識と直結すること、②法律の本質を問う問題が多く、法の理解が深まることです。
短答式を「短答式対策」と割り切るのではなく、論文を書くための基礎知識のインプット手段として位置づけることが重要です。
早い段階から短答式学習を取り入れることで、論文式対策を中心に据えながらも、基礎力を着実に向上させることができます。
 ぜひそのような意識で短答式学習に取り組んでみてください。
 
3.論文式の勉強について
(1)論文式の勉強とは具体的に何を指すでしょうか。基本書を読むこと、過去問を解くこと、条文を理解すること、ゼミに参加すること、授業を聞くこと等、全てが論文式の勉強だと考えています。
 では、なぜこれらをすることが論文式の勉強になるのでしょうか。それは、最終的な司法試験の論文式試験を突破することに役立つからです。論文式試験では、答案を書かなければなりません。
そうであれば、論文式のための勉強は、答案を書くことを意識してやらなければなりません。
(2)では、答案には何を書くでしょうか。問題を読んで、論点を探して、それを頑張って書くという人が、初学者には多いのではないでしょうか。
 私は、法律家であれば当然答えることを答案に書く必要があると考えています。
それは、条文を摘示すること、法律構成を考えること、成立要件を条文から考えること、法律を解釈すること、事実を評価すること、法的三段論法を用いる、誘導にしっかり乗る等の当たり前のことです。
在学中受験が始まってからは、知識の深さではなく、法曹として求められている能力を備えているかが、論文式試験で重視されていると私は考えています。
 そのため、論文式の勉強方法としては、①それぞれの科目に求められる“答案の型”というものがあるため、それを確実におさえること。
次に、②どの科目にも共通して求められる法曹としての能力を、答案に吐き出せるように答案を書き、添削してもらうことで常にブラッシュアップしていくこと、
③答案に落とし込むための基本的な知識を、論文式のための勉強を通してインプットしていくこと。
 以上の勉強方法をしていたため、私は、答案の書き方で迷うことはありませんでした。
論文式試験では、知識量を最優先にしないことが重要です。法曹として必要とされる能力を、答案に表現できることが最も重要であり、知識は試験という性質上、合格できるレベルで身につけていることが大事です。
(3)私は、自分一人では現在のような答案を書けるようになりませんでした。
教育補助講師の先生方のゼミや授業を通して、新たな視点を取り入れつつ勉強をしてきたことで、現在の答案に辿り着くことができました。
皆さんには一人で勉強せず、多くの人から学び成長していってほしいと思います。

4.最後に
 勉強方法というのは、人それぞれですが、最初から質を求めるのではなく、量をこなしていくうちに、おのずと自分なりの質が伴っていくものです。頑張ってください。
 そして、私にとって、司法試験に向き合うということは、勉強ができるようになるだけでなく、自分自身を知り、人間として成長させてくれる契機ともなりました。
法曹を目指す中で、法科大学院に入学し、勉強に夢中になることができた経験を得られたことは、本当に一生の財産だと思います。
 皆さんにも司法試験を通して、一生の財産を得るという経験ができることを願っています。
 

2026年3月修了見込み S.M

1.経歴
2020年4月 明治大学法学部法律学科 入学
2022年   令和4年予備試験 短答不合格
2023年   令和5年予備試験 論文不合格
2024年3月 明治大学法学部法律学科 卒業
2024年4月 慶應義塾大学法科大学院(既修コース) 入学
2025年2月 令和6年予備試験最終合格
2026年11月 令和7年司法試験合格

2.短答
 私は『短答パーフェクト』(著・出版:辰巳法律研究所)(短パフェ)を使いました。短パフェはとても分厚く、問題数がたくさんあるため周回するのが大変です。
司法試験までの時間はあまり多く残されていないため、がむしゃらに短パフェをやるのではなく、工夫しながら勉強する必要がありました。
具体的には、1周目2周目は全問やって、間違えた問題には ×印をつけ、消去法で正解はしたけど難しかったり、自信のない問題には★印をつけ、
なんとなくわかるけどもう1回やっておきたいという問題には♡印をつけました。
問題を解く際には必ず条文を引いて、赤ペンで六法に書き込んだりマークしたりします。
そして、試験の1〜2週間前から上記の印をつけた問題の解説部分だけを高速に読み、頭に叩き込みます。
このときは時間的に余裕がなかったため、六法を開かず取り組むと、憲法と刑法は1日で1周できました。
直前期に高速周回したことで一気に各科目の整理ができたため、直前期の詰め込みは本当に大事だと思います。
ただ、司法試験は最初に論文式試験があり、最終日に短答式試験であるため、論文対策を怠ってはいけないことに注意が必要です。
私は、短パフェを上記の方法で周回するのと並行して、上記の印がついている問題の中でも引っかかりやすいところや紛らわしいところをできる限り厳選して、
スマホのメモアプリに科目ごとに書いて整理したり短パフェの解説部分から引用したりしていました。
そして、試験当日の移動時間や試験の空き時間にそのメモを一気に読んで頭の整理をしました。
試験会場の教室内では電子機器を使うことができないため、廊下に出て、休憩時間のギリギリまで上記まとめメモを読みました。
私にとってはこの勉強方法が一番効率的で効果的だったと感じています。
短答は膨大な問題をいかに記憶しているかが大事であるため、短期記憶ではありますが、上記メモアプリにまとめておいて直前に一気に頭に入れるという勉強方法はおすすめです。
メモアプリにまとめるといっても、だらだら書くのではなく、復習しやすいように単語レベルや短パフェ解説部分の切り抜き程度で十分だと思います。
この勉強方法は伝えにくいのですが、本当におすすめですので是非やってみてください!
 
3.論文
 司法試験の論文対策としては、加藤ゼミナールの司法試験過去問講座と総まくり論証集を利用しました。
予備試験口述試験が終わってからは就活でとても忙しかったため、2月3月はほとんど勉強できませんでした。
そのため、本格的に司法試験対策を始めたのは4月からで、3ヶ月ちょっとしか時間がありませんでした。司法試験は問題文が長く、問題自体の難易度も高いので、過去問をやっても全然できませんでした。
過去問の量は非常に多いので、残りの3ヶ月で過去問をやり切るのはとても難しいです。そこで、問題文を読んだ後、なんとなくの答案構成を頭で行い、すぐに解説・解答例を読むという作業をやりました。
この作業をなるべく早くやって、とりあえず1周終わらせることを目標に勉強しました。この作業を1周終えたら、同じ作業の2周目に入ります。
1周目は1問あたり2、3時間かかりましたが、2周目はもっと短い時間で終わるようになりました。
また、特に行政法、刑事訴訟法は答案構成にとどまらず、実際に自分で書く練習が必要だと思ったので、2周目の段階で時間を計って何問か書きました。
答案を書くと2、3時間かかり、その後の復習もかなりの時間がかかるため、実際に書いたのは全科目合わせて10通くらいだったと思います。
本当はもっと過去問の周回をしたり、答案を書く作業をしたかったのですが、時間的に厳しかったので、答案構成を頭の中でやってすぐに解説・解答例を見るという作業を2周しかできず、
答案を書く練習もあまりできずに本番を迎えてしまいました。
 論証暗記は、試験の1ヶ月前くらいからやりました。予備試験やローの期末試験に向けて論証暗記の作業は何回もやっていたのですが、覚えきれなかったです。
もっと余裕を持って論証暗記を始めれば良かったのですが、過去問の検討に想像以上に時間がかかってしまい、できませんでした。
司法試験の過去問をもっと早い段階で検討しておけば良かったと後悔しています。
 
 4.おすすめの基本書・参考書等
おすすめの基本書・参考書等は、『事例研究行政法』(著:曽和俊文 他/出版:日本評論社)、『行政法解釈の技法』(著:伊藤健 他/出版:弘文堂)、『行政判例ノート』(著:橋本博之/出版:弘文堂)、『会社法』(著:高橋美加 他/出版:弘文堂)、『基本刑法Ⅰ・Ⅱ』(著:大塚裕史 他/出版:日本評論社)、『基本刑事訴訟法Ⅱ 論点理解編』(著:吉開多一 他/出版:日本評論社)、『刑法事例演習教材』(著:井田良 他/出版:有斐閣)

2024年3月修了

1.はじめに
私は令和7年度司法試験に、2回目の挑戦で合格いたしました。
1回目の受験では短答式試験で不合格となりましたが、その原因は、模試における短答の成績が比較的良かったことから論文対策に注力し過ぎ、短答式の基礎的な対策を十分に行わなかった点にありました。翌年はこの反省を踏まえ、短答式対策を重視した学習へと方針を転換するなど、これまでの勉強法を修正して、日々勉強していました。
本稿では私が実践した短答式対策、論文対策、そして授業・ゼミの活用方法について述べたいと思います。

2.短答式対策
短答対策に使用していた教材は過去問、短答パーフェクト、辰巳の肢別アプリの3つでした。
私は喫煙者なのですが、喫煙中の隙間時間にアプリを使って、手軽に短答対策ができたので喫煙者や通学等、すきま時間がある方にはアプリを用いた勉強はかなりおすすめだと思います。
 短答対策は、過去問演習と模試の復習の2点に絞って行いました。1回目の受験が終わり、勉強を再開したのは10月頃で、10月から12月までは、ほとんどの時間を過去問演習に充てていました。
過去問は年度別に問題を印刷して解き、各肢について正答・誤答の理由を整理したうえでファイリングし、繰り返し見返すようにしていました。
 1月以降は短答対策の比重をさらに高め、本試験まで毎日3時間程度を短答式の学習に充てました。
このように継続して基礎知識の確認と演習を行ったことで、短答式の得点が安定し、2回目の受験ではなんとか短答式を突破できるようになりました。

3.論文対策
論文対策に使用していた教材は、ロー時代に授業で指定ないし勧められた基本書、ローの授業やゼミのレジュメ、ロー入試時に使用した伊藤塾の基礎・論文マスター、過去問、模試や答練でした。
周りの学生と比べて使った教材の数は少なかったのですが、多くの基本書等に手を出すよりも最小限の教材で理解を深めようと考え、比較的に少なめの教材で勉強していました。
 具体的な対策としては、ロー在学中から2回目の試験まで一貫して、フルの起案よりも答案構成を中心に行う学習方法を採っていました。
授業・ゼミの提出課題や期末試験、模試以外で起案をしたことは、おそらく10回にも満たないと思います。
答案構成では、設問の趣旨と論点を整理したうえで、論証が正確に書けるかを確認する作業を重視していました。
 また、ロー2年の段階から自作の論証集を作成し、授業やゼミで理解が深まるたびに、適宜修正しながら活用していました。
1回目の受験までは不安から論証の暗記をする時間を確保していましたが、ある程度書けるようになったため2回目の受験ではこれを一切行わず、その時間をすべて短答対策に充てました。
ちなみに基本的にiPadやiPhoneで論証集は管理していましたが、試験本番では会場内に電子機器が持ち込めないため、直前期に全て印刷しファイリングして会場に持っていきました。
 過去問については、授業やゼミ等で扱った年度以外の問題は、基本的にその出題論点を勉強するだけで、起案・答案構成をすることはありませんでしたが、
その代わり扱った問題や模試の問題は繰り返し復習し、確実に対応できる状態に仕上げていました。

4.授業・ゼミ
授業については、課題と予習にかける時間を合わせて2時間までと決め、提出物に関しては期末課題でなければ、完成度にこだわらず提出していました。
予習よりも復習によって理解を深める方が、効率的だと考えていたためです。
ソクラテスで当てられて答えられないこともあり、私に対して良い印象を持っていない教授の方々もいらっしゃったとは思いますが、分からない点は積極的に質問し、その都度理解を補っていました。
 ロー生時代に所属していたゼミは、補助講師による会社法対策ゼミに入っていました。
当時は会社法に苦手意識がありましたが、結果的に本番ではA評価を取ることができました。
 2回目の受験時には過去問起案解説のゼミに所属し、人と接する機会が減っていた受験期において学習面だけでなく、気分転換としても良い効果がありました。
さらに自主ゼミとして、在学中は合格者による過去問添削ゼミを、卒業後1回目の受験までは、学習のペースメーカーとしての自主ゼミをそれぞれ組んで活用していました。
同時期に複数のゼミに所属していた人も多かったのですが、個人的にキャパオーバーになるのではという考えから、入るゼミは1つに絞っていました。
振り返ってみてもやはり授業やゼミにおいて復習を重視するというスタンスは間違ってなかったかなと思っています。
 
5.最後に
私は大学時代遊んでばかりで司法試験を見据えた勉強はほとんどしたことがなく、ロー入試を付け焼き刃の知識でなんとか突破したタイプなので、ロー入学時は授業についていくのに必死でした。
そこで、周りに追いつくためロー入学から卒業後1回目の受験までは、ほぼ毎日1限の時間帯から自習室が閉まるまで勉強する生活を続けていました。
また、2回目の司法試験を受ける際には本番を見据え、6時起床・22時就寝という生活リズムを固定して学習を進めていました。
もっとも、2回目の受験の本番前の約4か月間(4月~7月)は体調を崩し続け、まともに勉強できない時期が続き、本番も全日程高熱の中で受験することになりました。
その結果、短答・論文共に模試の成績と比べると、ほとんどの科目の点数が大幅に下がってしまいました。
それでも合格できたのは、これまで積み重ねてきた学習の蓄積と、どんなに体調が悪くても最後まで受け切る根性があったからだと思います。
 確固たる合格の自信を持ちながら本番に臨む人の方が少なく、司法試験の勉強を長期間続けることは、
精神的にも非常に大変だと思いますが、どのような状況でも逃げずに向き合い続けてほしいと思います。
 
 

2024年3月修了 関川夕瞳

1.経歴及び法曹志望動機
 2021年 千葉大学法政経学部 卒業
 2022年 明治大学専門職大学院法務研究科 入学
 2024年 明治大学専門職大学院法学研究科 修了
 2024年 司法試験受験1回目 不合格(総合1870位)
       明治大学法制研究所 入所
 2025年 司法試験受験2回目 合格(総合725位)
 私は中学生時代に、『逆転裁判』というゲームをプレイしたことがきっかけで主人公のように、助けを必要とする人のために戦える法曹になりたいと思い、法曹を志望しています。

2.勉強計画について
 上記の通り、私は一度司法試験不合格を経験しました。その原因は計画力不足と演習不足でした。
2回目の受験で合格できた要因は、勉強計画を詳細に立てたことにあると感じています。
 私は1回目の受験後すぐに、次の試験日までの学習計画を立てました。合格に向けてどの演習本を何周すべきか。
1か月あたり、1週間あたり、1日あたり何問解けば間に合うか。模試やゼミを含めた年間スケジュールを紙に書き出し、毎日眺められる場所に貼りました。
 もちろん、人間には休息が必要ですし、突然のイベントで計画が崩れることもありますので、計画はかなり余裕をもって組みました。
また、計画通りにいかなくても、自分を責めすぎることなく、速やかに修正して前向きに取り組みました。
 かかる勉強計画の重要性は、私がお世話になった補助講師の先生も説いていらっしゃいましたので、すぐに活かせる勉強法としておすすめします。
 
3.短答式試験の勉強法
 1回目の受験後から、「伊藤真が選んだ短答式一問一答1000」(著:伊藤真/出版社:法学書院)を、毎日100問解きました。外出の際の移動時間は、全てこの本を解くことに充てました。
 私が使っていた一問一答方式の演習本は、時間がない日でも、やる気がない日でも、本を開けばすぐに始められるところが最大の魅力です。
もっとも、実際の試験の問題と出題形式が異なるため、模試や過去問で実際の問題形式に慣れる必要があります。
また、問題数が多くない本は、何周もできるため、知識が定着しやすいのが特徴です。
しかし、問題数が少ないが故に未掲載の問題もあるため、模試や過去問を解く度に、自分が誤答した未掲載問題を補充する必要があり、excelファイルにまとめていました。
短答式試験は、出題頻度の高い問題を重点的に、何度も繰り返し演習することが役立ちました。

4.論文式試験の勉強法
 論文式試験は、過去問及び演習本で対策しました。
 まず過去問は、平成25年度以降の問題を全科目解き、科目ごとにファイリングしています。
明治ローの講義で解き、先生の添削・解説を受けたもの、明治大学法制研究所開講の弁護士講師ゼミで解き、弁護士の先生の添削・解決を受けたもの、自主ゼミで解き、友人の添削を受けたものがあります。
いずれにせよ、先生や友人に時間管理及び添削をしてもらうことと、優秀答案・模範解答と自分の答案を比較することが、記述力向上に繋がりました。
 次に労働法の演習本は、「事例演習労働法」(著:水町勇一郎 他/出版社:有斐閣)を用いました。
この本は、解説が非常に読みやすく、そのまま模範解答を作成しやすいところが魅力です。
そして行政法の演習本は、「基礎演習行政法」(著:土田伸也/出版社:日本評論社)を用いました。
この本は、明治ローで講義を担当されている橋本博之先生の著書(「行政法解釈の技法」(出版社:弘文堂)等)と相性がよく、頻出論点が揃っている上、解説が非常に読みやすいので重宝しました。
 また、憲法・民法・商法・民事訴訟法・刑法の演習本は、「Law Practice」(著:千葉恵美子 他/出版社:商事法務)を用いました。
この本は問題数が多く、網羅的に論点を演習できるため気に入っています。
もっとも、毎問異なる先生が解説しており、解説の当たり外れがあるため、自分で基本書を読んで理解する作業や自主ゼミで討論する作業が必要です。
インターネット上で出回っている模範解答も参考になりました。
 
5.その他役立ったこと
 上記の勉強法の他、在学中から卒業後にかけて同期と自主ゼミを組んでいたこと、及び、明治ロー修了後も明治大学法制研究所に通い詰めたことが、非常に役立ちました。
 まず、明治ローには優秀な同期がたくさんいましたので、自主ゼミをいくつか組んで、時に熱く議論し、時に相談や雑談をしながら、学力面でも精神面でも同期に支えてもらいました。
 次に、明治ローでは修了後も法制研究所に所属して、ローの先生方や弁護士講師の先生方の手厚いサポートを受けることができます。
私は、上記研究所開講の弁護士講師ゼミを月2回ほど受講し、学習における疑問点や勉強方法を逐一先生に相談していました。
受験生はどうしても精神不安定になりやすいので、このゼミで試験直前期まで先生に励ましていただいたことが、大きな励みになりました。
また、同研究所で固定の自習席をお借りして、アルバイト生活をしながら足しげく通っていたことも、勉強の習慣化に役立ちました。

6.おわりに
 一度不合格になりましたが、こんな私でも司法試験に合格することができました。
司法試験合格を目指す皆さんには、決して自己の将来や能力を悲観しすぎることなく、自分らしく元気に取り組んでもらいたいと思います。
誰に何を言われても、自分に合う勉強法やストレス解消法を最後まで大切にしてください。
 皆さんに明るい未来が訪れますよう、心からお祈り申し上げます。
 

2026年3月修了見込み

1. 経歴
 私は、他大学の法学部を卒業後、明治大学法科大学院(既修)に進学し、令和7年度司法試験に在学中合格することができました。
 
2. 短答の勉強について
 私は、大学3年の時から計3回予備試験を受験しましたが、ほとんど対策せずに試験に臨んでいたため、いずれも短答落ちでした。
 元々、短答が苦手だったこともあり、ローに入ってからもあまりやる気が起きず、本格的に勉強を始めたのは司法試験2週間前でした。
 直近7年分くらいの過去問から出題されるという噂を耳にしていたので、TKCの短答式過去問演習トレーニングを使って、3科目とも直近7年分の過去問を解きました。
しかし、本番で、憲法の人権分野は過去問から出題されていましたが、それ以外については全く違う問題が出ました。したがって、上記の噂はあてにしないことをおすすめします。
結果的に私の点数は、足切りピッタリでした。
 短答の点数が低くても、その分を論文で巻き返すことは十分可能なので、短答が苦手な人は、「足切りさえ突破できればいい」という気持ちで、論文の勉強に重きをおくというのも1つの手だと思います。
ただし、私が足切りを突破できた原因は、今年の短答式試験が難しく、足切りが例年よりも15点ほど低かったことにあります。
おそらく来年は難易度が元に戻ると思うので、私のように本番2週間前から勉強を始めたのでは、足切りを突破することは難しいと思います。
したがって、私の真似はせず、しっかりと対策することをおすすめします。

3.論文の勉強について
 過去問は、民法・行政法は直近7年分くらい、商法・民訴・刑訴は直近3年分くらい、憲法はランダムに10年分くらい、刑法は本試験及び予備試験の問題をそれぞれランダムに14年分くらい、
選択科目(経済法)は40問弱くらい解きました。
 もっとも、私はローの授業の予習・復習に時間をかけていたため、過去問を解く時間はあまりなかったことや、文章力にはそれなりに自信があったことから、答案構成のみを行うことが多かったです。
 個人的な考えとしては、問題を読んだ時に、書くべきことは分かるが、それをうまく答案に落とし込めないという人は、
フル起案をすべきなのに対し、文章力に自信がある人は、毎回フル起案をする必要はなく、答案構成程度にとどめることで、その分、量をこなした方が良いと思います。
このように、自分の特性に合わせた学習方法で勉強することが重要だと思います。
 
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
この合格体験記が皆さんのお役に立てれば幸いです。
以 上
 

2026年3月修了見込み M.S

1. 簡単な経歴、法曹志望の動機
 2019年3月 明治大学法学部卒業
 2024年4月 早稲田大学法科大学院入学
 2025年11月 司法試験合格(総合約500位)
私が法曹を志望した動機としては、広く文系学部を受けた際に、受かったところの中で最も偏差値が高かったところが法学部だったことがきっかけです。
入学後は法律相談部に入部し、顧問の弁護士の先生方と関わったり、市民の方からの法律道断を受けたりすることを通じて、法曹に惹かれだしました。

2.短答式の勉強方法
 2023年度の予備試験に向けて、特に力を入れました。短答パーフェクトを2周しました。出てきた条文は必ず六法で引いて、記憶への定着を図りました。
これが効いたような感じがしていて、2023年度の予備試験では民法と刑法で満点を取ることができました。
 2025年度の司法試験に向けては、直前1-2ヶ月ほどの期間で1周しました。
この際に、間違えた問題は、逐条テキストの該当箇所をマーキングして付箋を貼るなどしておいて、試験当日の朝などの直前に急いで回しました。一定程度の効果はあったような気がします。
 その他に、多くの科目では、基本書を通読していたことは役に立ったと思います。
 
3.論文の勉強方法
 司法試験過去問を、H23-R6までを全て起案し、友人と自主ゼミで指摘し合いました。自分の答案の悪癖などは、やはり人にみてもらって修正する機会を設けることが有効といえるでしょう。
また、基本的な回答筋はわかるものの、いざ書いてみると筆が止まるところが必ずあります。
そういったところで頭を捻って苦労しておくと、本番では比較的スムーズに答案が作成できるようになるとはいえそうです。
 それから、誘導に上手く乗った答案を作成する感覚みたいなものも、過去問演習から身につく重要な能力の一つでしょう。

4.使用した主な書籍について
 ・憲法…『呉基礎本シリーズ 憲法』(著:呉明植/出版社:弘文堂)、『憲法Ⅰ』(著:渡辺康行他/出版社:日本評論社)、『判例百選』(著:長谷部恭男他/出版社:有斐閣)
 ・行政法…『基本行政法』(著:中原茂樹/出版社:日本評論社)、『行政法解釈の基礎』(著:橋本博之/出版社:日本評論社)、『行政法解釈の技法』(著:橋本博之他/出版社:日本評論社)、『事例研究行政法』(著:曽和俊文他/出版社:日本評論社)
 ・民法…『呉基礎本シリーズ 民法』(著:呉明植/出版社:弘文堂)、『債権総論』(著:中田裕康/出版社:岩波書店)、『契約法』(著:中田裕康/出版社:有斐閣)、『リーガルクエスト親族相続』(著:前田陽一他/出版社:有斐閣)
 ・会社法…『会社法』(著:田中亘/出版社:東京大学出版会)、『リーガルクエスト会社法』(著:伊藤靖史/出版社:有斐閣)、『判例百選』(著:神作裕之他/出版社:有斐閣)
 ・民事訴訟法…『リーガルクエスト民事訴訟法』(著:三木浩一他/出版社:有斐閣)、『民事訴訟法』(著:瀬木比呂志/出版社:日本評論社)、『判例百選』(著:高田裕成他/出版社:有斐閣)
 ・刑法…『基本刑法総論・各論』(著:大塚裕史/出版社:日本評論社)、『刑法総論・各論』(著:松原芳博/出版社:日本評論社)、『応用刑法総論・各論』(著:大塚裕史/出版社:日本評論社)、『呉基礎本シリーズ刑法総論・各論』(著:呉明植/出版社:弘文堂)、『刑法事例演習教材』(著:井田良他/出版社:有斐閣)
 ・刑事訴訟法…『リーガルクエスト刑事訴訟法』(著:宇藤崇/出版社:有斐閣)、『判例講座刑事訴訟法』(著:川出敏裕/出版社:立花書房)
 ・労働法…『労働法』(著:水町勇一郎/出版社:有斐閣)、『一冊だけで労働法』(著:辰巳法律研究所/出版社:辰巳法律研究所)、『事例演習労働法』(著:水町勇一郎他/出版社:有斐閣)、『判例百選』(著:村中孝史他/出版社:有斐閣)
 ・その他…全科目共通して論証集は『趣旨規範ハンドブック』を使用。(著:辰巳法律研究所/出版社:辰巳法律研究所)
 
5.最後に
 司法試験は、数年に及ぶ長期戦です。いっときのやる気の有無・程度に左右されず、淡々と継続的に誠実な学習を積み上げていくことが肝要です。
私は、心が折れそうになったときは、将来の顧客を思い浮かべ、その面前で「胸を張れるような研鑽を積んできた」と自信をもって断言できる勉強が今できているだろうか、
もし記憶をそのまま見せられるとしたら「この先生にお願いしたい!」と思われるような努力ができているだろうかと、何度も振り返り、襟を正してきました。
応援しております。どうか法学を楽しんで。
         以上

2026年3月修了見込み K.T

1.経歴
私は、明治大学付属中野中学高等学校を卒業後、明治大学法学部を卒業し、中央大学法科大学院に入学した後、令和7年司法試験に在学中合格することができました。
この合格体験記では、主に司法試験の受験を考えている明大生や付属生に向けて、私が高校生や、大学生の時にどのように過ごしていたか、お話ししたいと思います。
また、後半では司法試験を控えた受験生の方に向けて、司法試験前100日の過ごし方についても触れます。
(1)高校3年
私は付属生でしたので、高校3年生の時から高大連携の一環として、当時明治大学が主催していた、予備試験答案対策練習講座に参加させていただきました。
この講座では、実務家の先生から法律について1から教えていただき、早い段階から法律に触れることができました。
このように、付属生には高校生のうちから法律に関わる機会があると思うので、興味がある方は是非積極的に参加していただきたいです。
(2)大学1〜2年
大学入学後は、和泉の法制研究所が辰巳と連携して行っていた講座(上三法)を受講していました。
大学の授業後に行われる講座で、当時は対面のみだったので、大変だなと感じる時もありましたが、大学の授業に活きる部分も多かったです。
また、先生に直接疑問点を聞くことができる点でも、有用な講座であったと感じています。
(3)大学3〜4年
法科大学院への進学を真剣に考えたのは、3年生の秋頃でした。私は、辰巳が販売している趣旨規範ハンドブックの暗記と、各法科大学院の過去問演習を行い、中央大学法科大学院を合格することができました。
もっとも、近年では法科大学院入試の難易度が上がっています。そのため、予備校の講座(司法試験・予備試験対策)を購入して、1年ほど時間をかけて勉強することをおすすめします。

2.司法試験前100日の過ごし方
ここからは、これから司法試験を受ける皆さんへ、私が試験前100日をどのように過ごしたかを書きたいと思います。
なぜこのテーマにしたかというと、他の合格者の方がこの期間の勉強について、詳しく書いているのを見たことがなかったからです。
再現性の高い部分もあると思うので、いいなと思ったところは取り入れていただけると嬉しいです。
(0)司法試験を知る
100日を過ごす前の前提として、私が司法試験を受けるにあたり意識していたことがあります。それは論文試験において、どの教科も安定してⅭ以上の評価を取れる状態を作ることです。
C以上とは2000位より上位を指し、これは全体の約66%より良い成績であることを示します。この成績を全科目揃えることができれば、司法試験に落ちることはほぼありません。
そこで、私は全科目C以上を達成したうえで、A,Bも狙うこと、逆に言えば全科目絶対にD,E評価を取らないことを目標として日々勉強していました。
なお、このように全科目安定した評価を目指すのではなく、得意教科を伸ばし苦手教科の成績をカバーするという勉強方針もありますが、
得意教科を伸ばすには時間がかかること、D,E評価をカバーできるような点数(300位より上の答案)を安定して出すことは難しいことからあまりお勧めできません。
(1)勉強面(得意教科)
得意教科(ここでは、4月の時点でC以上を安定してとることができると考えられるような教科を指します。)については、論証などの確認や基礎的な問題の復習をすることに留め、
あまり時間を割きすぎないようにするという方針を取りました。
そこで、授業とそれ以外の少ない時間で復習を完結させつつも、答案を書く練習は必要であると考えから、過去問や予備校の答練などで起案する機会は確保していました。
(2)勉強面(普通・苦手科目)
普通・苦手科目は、(勉強不足を感じていたり、安定してC以上を取ることに不安のある教科をいいます)については、問題集を繰り返し解くことや、論点の根本的な理解に多くの時間を割きました。
苦手科目は勉強へのモチベーションが沸かず、つい後回しにしたくなる気持ちもすごくよくわかりますが、苦手科目こそ伸びしろが大きく、直前期に改善する余地があると考えています。
私は、特に憲法・民法・選択科目(知財)に不安があったため、これらの科目については、より時間を割き勉強しました。以下に具体的な勉強法を書きます。
① 憲法
司法試験の傾向として、他の科目よりも判例に準拠した記述が求められている印象が強かったため、判例を理解しつつ、ある程度の答案の型を用意して、試験に臨むことが重要であると考えました。
そこで、憲法については条文番号ごとに重要判例を読み込み、答案に落とし込むことができる状態にしました。
例えば14条であれば国籍法違憲判決を理解したうえで、「事案の性質に即応した合理的区別」といった、論文上で使える表現を覚える作業をしました。
この作業にあたっては、卒業した友人が作成してくれていたまとめノートを基に、判例百選や加藤ゼミナールの総まくり論証集などを用いていました。
特に加藤ゼミナールの総まくり論証集は、司法試験の問題傾向ごとに答案の型が用意されていたり、論文で使うことができそうな反対意見や補足意見が掲載されており、とても有益でした。
②選択科目(知財)
選択科目については、勉強の進んでいない方や苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。
知財については、著作権法と特許法という異なる法律から1問ずつ出題されるという事もあり、勉強が追い付いていませんでした。
もっとも、司法試験の問題を分析すると、代表的な判例の理解を問う問題が多く、繰り返し問われている分野も多かったため、基礎的な理解を深めることを徹底して行いました。
具体的には、司法試験の過去問を全年度複数答案構成し、わからないことについては、予備校のテキストを参照しつつ、一元化するという方法で勉強していました。
なお、判例や基本書を一から理解する時間的余裕がなかったので、そのような方法はとりませんでしたが、時間的余裕がある場合は、こちらも有効な方法であると思います。
(3)勉強面(模試の活用)
司法試験対策模試としては、主に受験年の3月の終わりに行われるTKC模試と、5月頃に行われる辰巳の模試が存在します。
このうちTKC模試については特段の事情がない限り、受験することをお勧めします。
何故なら、この模試はその年の司法試験受験生のほとんどが受けるものであり、その時点での自分の立ち位置を知ることができるとともに、添削によって、客観的に答案を見てもらうことができるからです。
また、本番と同じ日程・会場で、問題を解くことができる貴重な機会でもあるからです。ただし2026年度からはCBT方式が導入されるため、変更するかもしれません。
その他に個人的にお勧めしたいのは、本番想定模試を自分で開催することです。
私は、本番の感覚をつかむことや疲労感を確認する目的から、試験の1ヶ月前である6月中旬に、司法試験と全く同じ日程で令和6年度の問題を解くという日を設けました。
この日のために敢えて前年度の問題を解かず、TKC模試に加えて、直前期にも自分で模試を行うことによって、実践的な経験を多く積むことができ、本番ではあまり疲れることなく、全日程を消化することができました。
他の資格試験と比べて模試の回数が少ない司法試験において、自ら本番の形式で、問題を解く機会を設けることはとても有益だと思うので、よかったら取り入れてみてください。
(4)勉強面(論文全体)
論文の勉強として、受験生が必ず行う過去問演習について、個人的な考えを述べさせてください。
まず、過去問を解くにあたって、その過去問をどのように利用するかは人それぞれだと思います。
起案する/しない、答案構成する/しない、時間計る/計らないなど、どのような方法であっても効果はあるので、自分の目的に合わせて最も必要な方法を選択していただきたいです。
私の場合は、“本番と同じ条件下で書ける能力をあげたい”という目的と、“問題の論点を素早く見つけられるようになりたい”という目的がありました。
そこで、前者の目的に対しては、時間を計ったうえで、司法試験用六法を用いて答案を作成していました。
具体的には100日で、司法試験3年度分と答練2年度分の計5年分40通を書くことで、起案の感覚を維持していました。
また、解いたものについては、そのほとんどを第3者に確認・添削していただき、客観的な視点から答案を評価してもらう機会を確保していました。
答案を人に見てもらう事によって、自分では書いたつもりになっていたことや、理解しづらい表現があったことに気付くことができたため、とても勉強になりました。
もし、論文の点数に伸び悩んでいたり、自分の感覚と成績に乖離がある方は、添削を受けることを強くお勧めします。
後者の目的に対しては25分から30分程度の時間で答案構成をしたうえで、試験で問われている論点を探し出す訓練をしていました。
特に、刑事訴訟法や会社法については、重複して出題されている論点も多かったため、新司法試験以降の問題については7割方答案構成しました。
3割については、それ以前の段階で答案を解いていたり、構成していたため触れていません。
(5)生活面(勉強時間の調整)
ご存じの方も多いと思いますが、司法試験は4日間にわたって行われる長期戦です。そして、初日の集合時間は8時30分となっているため、朝早くから準備をする必要がありました。
しかしながら、私はローの授業開始時間が遅いこともあり、やや夜型のスタイルで勉強していたため、司法試験に合わせて変える必要があると考えていました。
そこで、4月から少しずつ起床時間を早くし、最終的には本番の試験が開始される9時30分には自習室で勉強を始めることを意識して、毎日のスケジュールを組んでいました。
このように勉強時間を司法試験に合わせることによって、本番期間中でも睡眠のリズムを崩すことなく、試験を受け切ることができました。
(6)生活面(進捗状況の確認)
100日間は長いように見えて、あっという間に過ぎてしまいます。そのため、直前期の勉強は、より効率的に行う必要があると考えていました。
そこで私は、こまめに目標を立てつつ、その進捗を管理していました。具体的には1か月ごとに、各科目の理解度を記録し、その理解度に応じて勉強時間を配分していました。
また、日々の勉強内容を記録することによって、モチベーションの維持や勉強内容の可視化を図っていました。
 
3.おわりに
まず、付属生の皆さんに向けてですが、付属生の皆さんは大学受験をしなくてよいため、時間的余裕があります。その時間をぜひ自分の将来の為に充てていただきたいです。
法律に限って言えば、早く始めれば始めるほど確実に有利です。
そして、司法試験受験生の方に向けてですが、司法試験は合格までに3年といった、ある程度長期間の勉強が必要となります。
そのため、メンタルの安定を最優先に毎日継続し、勉強を積み上げていくことができる方が受かる試験だと思うので、
小さな努力を少しずつ積み上げることを意識して、焦りすぎないようにしてもらいたいです。同じ明治の出身者として心から応援しています。
 

2026年3月修了見込み I.K

1.経歴・法曹を志した理由
(1) 経歴
2020明治大学附属明治高等学校 卒業
2024明治大学法学部法律学科 卒業
2025司法試験合格(在学中受験)
2026東北大学法科大学院 卒業見込み
(2) 法曹を志した理由
私は上記のように明治大学の付属校出身なのですが、高校3年生の夏休みに高大連携の講座があり、裁判傍聴をする機会がありました。
午前中に裁判を傍聴したことで刑事弁護に興味を持ち、午後には明治大学の模擬法廷をお借りして、講座の参加者同士で模擬裁判を行いました。
高校3年生の夏の時期は、ちょうど進学する学部について迷いが生じていたのですが、裁判を傍聴したことで法律も面白そうだなと思い、法学部への進学を決めました。
高大連携の講座がなければ、法学部への進学や法曹を目指すこともなかったので、とても感謝しています。これを読んで下さっている附属生がいらっしゃれば、ぜひお勧めしたい講座です。

2.学部〜法科大学院入試について
(1)法科大学院入試の受験を決めるまで
前述のように学部選びの時には法曹を志し、法学部への入学を決めたのですが、大学入学後はサークルが楽しく、しばらくは法曹の道から遠のいていたように思います。
転機があったのは、大学3年生の夏を過ぎた辺りで、周りの友人は民間就活に力を入れ始める時期でした。
大学1年生の冬から某予備校に入って、予備試験を受験したりもしていたのですが、結果振るわずの状態が続き、両親と今後の進路について話す機会がありました。
法曹を本格的に目指すのか、それとも周りの友人たちと同じように民間企業への就活や公務員といった選択も考えましたが、
迷っているのなら法曹を目指してみるのも良いのではと、背中を押してもらい法曹を目指すことを本格的に決めました。
予備試験からのルートも考えましたが、在学中受験の制度がスタートした影響から、法科大学院に入学して、司法試験の受験まで1年3ヶ月あまりとなっていたので、法科大学院入試の受験を決めました。
(2)法科大学院入試について
法科大学院入試の受験を決めたのが、3年生の夏から秋口にかけてと本番まで1年を切っていたので、とにかく勉強することを心掛けました。
明治大学の法制研究所に入所していたので、猿楽町校舎にある自習室に篭って法科大学院入試に備えていた日々でした。
周りの友人は民間企業の就活を終えて、卒業までバイトや旅行に明け暮れる日々を送っていましたが、法曹を目指すならここが踏ん張り時と自分を鼓舞して、勉強を続けていました。
法科大学院入試の受験に当たっては、直近の司法試験の合格率や留年率、受験科目、自習室が24時間で空いているかなどの点を重視して受験校を決め、
幸い複数の法科大学院に合格することができましたが、進学先についても同様の観点から決めました。
 
3.法科大学院入学〜司法試験について
無事に法科大学院への進学が決まったのが4年生の秋頃だったのですが、ロー入試を突破できたことに満足し、これなら司法試験も大丈夫だろうと、とても油断していました。
とんでもない浮かれっぷりで、法科大学院への入学まであまり勉強をせずに法律事務所でのアルバイトと、友人との思い出づくりで旅行に出かけることが多かったです。
東北ローに進学してからは勉強についていくのが大変でした。入学までに勉強をおろそかにしていた自分のせいではあるのですが、
周りのレベルが高かったことも相まって、在学中受験はおろか、留年もするのではないかとヒヤヒヤでした。
仲の良い友人が多かったので、みんなで予習を分担して授業に臨み、自分が理解できていない箇所については、授業を聞いてもわからない場合、自習時間での理解に努めました。
一方で、今年の春から直前期にかけては、本番を見据えてかなり気合を入れて勉強できたかなと思います。
春休み中にロー1年目の成績発表があり、無事進学が決まってからは、2年目の前期の授業を受けつつ、GW前に模試を受けて5日間の疲労も体験して本番に挑むことができました。
前述した模試もかなり成績が悪く、とても本番までに間に合いそうにないと感じていましたが、なんとか今年の司法試験に合格することが出来ました。

4.勉強方法について
ここからは以下で私の勉強方法についてお伝えしていきたいと思います。
(1) 短答について
短答対策として私は『短答過去問パーフェクト』(辰巳法律研究所:出版)を利用していました。
もっとも短答の勉強をするたびに、あの分厚さを見たらやる気をすぐに削がれてしまう気がしたため、裁断してスキャナーでスキャンしてiPadで勉強するスタイルにしていました。
スキャンした短パフェをiPadの『Goodnotes』というアプリに入れて、ひたすら問題を解き進め、間違えた箇所にチェックを入れるという方法で、
具体的には1周目に間違えた肢に「1×」とマークし、2周目に間違えた肢には「2×」とマークし、以下を繰り返す方法で短答対策を行っていました。
『Goodnotes』では、検索をかけて該当箇所に飛べるジャンプ機能があるので、復習の際にはそれぞれ「1×」や「2×」を検索して解き直すことを心がけていました。
短パフェでの周回に加えて、短答対策のお供にしていた本に『完全整理 択一六法』(LEC東京リーガルマインド監修)があります。
こちらについては条文が記載され、条文そのものや、関連知識について過去の司法試験で聞かれたことがあるものについては、□司の表記が付され、過去の予備試験で聞かれたことがあるものについては□予の表記が付されており、過去に聞かれたことがあるか否かについてが、一見してわかります。短パフェで間違えた条文や周辺知識について、1周目は蛍光ペンで色塗りを行い、2周目は色付きのボールペンで波線を書くことで、視覚的にも間違えた箇所を分かりやすいように工夫しました。
加えて、間違えた箇所には付箋をつけて、試験直前には付箋の箇所を見直すようにしていました。
友人の中には、間違えた肢等をまとめて自分だけの短答対策ノートを作っている人もいましたが、まとめるのにも時間がかかり、
その時間があれば1問でも多く短答の問題を解き、択一六法にまとめたいと考えていたため、上記のような方法で勉強していました。
 短答に関しては、合格者平均を採れれば、論文でも戦うことができると考えていました。
そのためには、配点の大きい民法での点数の伸びがもっとも重要だと思い、周りが怖がっていた、憲法の足切りなどはさほど意識していませんでした。
そのため民法に1番時間を割くことを意識していましたが、本番まではとにかく時間がなかったため、民法は短パフェ2周、憲法と刑法については1周半しか出来ませんでした。
短答についてはやればやるだけ点数が伸び、本番での自信につながるので、とにかく1問でも多く周回してほしいと思います。
 短答本番については民法から始まり、ここで乗っていけるかで短答全体の出来への影響も変わることを意識していました。
しかし本番では、民法の最初10問で2択まではいけど、自信を持って切れる肢が切れる問題が少なく、かなり焦りました。
刑法もここ最近は、判例などの単なる知識を聞く問題が減少し、文章の読解や学説の対立を聞く問題が増え、本番でも時間が足りずに終わってしまいました。
 短答の成績が返ってきてから、論文の合格発表までは約3ヶ月ほどありますが、
その間に気合を入れて就活をする人が多く、短答の点数が芳しくないと来年の司法試験を見据えて、就活にあまり身が入らないこともあるので、短答の点数は高いに越したことがないと思います。
私自身、短答の点数があまり伸びず、最終合格は厳しそうだなと感じたこともあったため、来年以降の受験生には精神衛生上も短答では、高得点を目指して頑張ってほしいと思います。
(2)論文について
 論文対策としては、論証と当てはめと過去問を解くことを重視していました。
論証については某予備校のものを使用していましたが、他の受験生もどこかの予備校の論証集を使っている人が多かったため、
論証集に書いてあることは当然、どの受験生も書いてくるだろうと考えて、勉強する際のメルクマールになるとも考えていました。
司法試験は相対評価の試験であるため、他の受験生に書き負けないことを意識し、他の受験生が書いてくる論点や論証については、取りこぼしが無いように、
瞬時に吐き出せるレベルにまで仕上げることを意識して勉強していました。
 当てはめについては、前述した論証への対応を意識しつつも、ベースとなる判例との相違点や、その問題における固有の事情への自分なりの評価を重視していました。
問題に出てくる事情を全て拾って、答案上で評価するのはあまり現実的では無いと思いつつも、問題を読む段階や答案構成の段階で、どの事情をどのように使うかという目星はつけていました。
 過去問については全年度分を解いて本番に挑むというのが自信にもなり、潰していない年度に出ていた箇所を聞かれたらどうしようという不安にもつながらないため理想だと思うのですが、
全年度分を解く時間的余裕がなかったため他の予備校がネット上に掲載しているランク順に従い重要度の高いものから潰すことを心がけました。
 過去問については、科目ごとに親和性が高いものと低いものがあると、勉強しながら感じており、
行政法や刑事訴訟法、商法などは割と親和性が高く、過去問を解き進めるうちに、他の年度でも見た問題があったり、本番でもどこかで見たことがあるという問題が多かった気がします。
一方で、憲法や民法については、過去問との親和性が全くないとまでは言えませんが、親和性を感じる場面が少ないように思いました。
本番までの時間が足りなかったこともあり、過去問との親和性が高い科目を重点的にこなしていたような気がします。
 
5.終わりに
 ここまで長々と書いてしまいましたが、お読みくださりありがとうございました。
私の合格体験記では、他の皆さんがあまり書かれないような、学部での勉強や法科大学院での勉強についても少しだけ触れましたが、これから司法試験を目指される方に、少しでも参考になればと書かせていただきました。
 勉強法については、私自身が実践していた方法について書かせていただきましたが、
これが正解ではなく、私自身にフィットした勉強法だったので、これを参考にしつつも、皆さんそれぞれが自分に合う勉強法を見つけて、それを信じて司法試験の本番まで突っ走って欲しいです。
 最後にはなりますが、司法試験はとても長く大変な試験であると思います。
たとえ自分では、本番に間に合っていないと思っても、周りで完璧に仕上げている受験生は少なく、同じような悩みを抱えている人がほとんどです。
たまたま自分の知っている論点や、得意な箇所が出る可能性もあります。合格を掴み取るため、最後まで諦めずにベストコンディションで司法試験本番に望んで欲しいと思います。
 
 

2023年3月修了 N.M

第1 経歴
2016年 日本大学 危機管理学部 入学
2020年 同 卒業
2020年 明治大学 専門職大学院 法務研究科 未修 入学 
2023年 同 卒業

第2 はじめに
私は、令和7年に3回目の受験で司法試験に合格いたしました。
未修者として明治大学専門職大学院法務研究科に入学し、合格までに3回目もの回数がかかりましたが、その経験を基に、私の合格までの勉強につき、
未熟ながら書かせていただきますので、一合格方法として、参考程度にお読みいただければ幸いです。
 
第3 学習方法
⑴試験全体について
私は、司法試験合格のための学習において、最も重要なことは、最終目標である司法試験の問題や点数の取り方を知ることであると考えています。
そのため、必ず過去問を学習の中心に置くことをオススメします。過去問は、皆さんが受験する将来の試験と形式分量が、ほぼ同じである質の高い問題です。
この過去問を覚えてしまうくらい学習を重ねることで、自然と司法試験で求められている答案の書き方や、点数の取り方が身につきます。
⑵短答式について
私は、1回目の司法試験までは論文式試験が重要であり、短答は通過すればよいものと思っていました。
もっとも、1回目受験の際、短答式で足切りとなる点数ギリギリをとってしまい、短答式は通過したものの、論文式と合わせると5点足りずに不合格となりました。
短答があと2問解けていれば、1回目受験で合格できていたと思うと、今でも短答式を詰めておかなかったことを後悔しています。
また、令和7年司法試験では、憲法の短答が難化したこともあり、近年は実力者でも短答で足切りとなることがあり得る状況となっています。
そのため、短答式で確実に合格者平均付近の点数をとれるように、早期から学習スケジュールを組むことをオススメします。
また、短答式と論文式の学習は、短答知識が論文式に応用できるケースが多くあるため、分離して考えるべきではなく体系的な学習として一貫した勉強を意識すべきと思います。
実際に令和7年の司法試験憲法では、選挙権に関する問題が出ましたが、論文式でなかなか手が回らない選挙権については、短答式での勉強が特に役立ちました。
さらに、短答式の勉強として条文素読を行うことで、民法の条文操作がスムーズに行えるようになり、論文式試験で時間の短縮につながりました。
以上から、短答式の学習もおろそかにせず、短答学習に十分な時間を確保することが必要であると思います。
私の短答式の勉強法は、短答の過去問(短答パーフェクトなど)を回すこと、判例六法を憲法・民法・刑法に分解し、条文の素読及び過去出題された判例部分につきマーカーをして知識の定着化を図ることをしていました。
過去問では、憲法の統治・民法の親族相続などは、ほぼ条文そのままが出現されるなどのケースが多かったため、条文の素読が特に効果的でした。
また、刑法や憲法など判例が多く出現される科目も、過去問においては、判例六法に掲載されている判例以外は、基本的に出題されていないため、判例付きの六法による学習をオススメします。
⑶論文式について
私が論文式試験の学習において重要視することは、単に論証の暗記ではなく、自らの頭で考えて論理を理解することだと思います。
また、本番における答案作成で意識すべき点は、DやEをとらないこと及び、設問の誘導や聞かれていることに素直に乗り答えることであると思います。
司法試験の過去問を一度でも解いてみればわかりますが、覚えた論証をそのまま使える問題は少ないです。
そもそも論証は、重要な判例や学説を論理の流れよく短く整えたものであり、その判例や学説の事例と同一か類似するものでなければ、意味をなさないものです。
そこで、本番に向けた勉強法として、論証を覚えるのは答案作成の上で効率的ではありますが、その論証をどこでどのように使うか、
また、なぜ論証のような論理の流れがあるのかを理解し、本番の問題に合わせた規範の定立をできるような学習を積むべきであると思います。
加えて、あくまでも試験であり一定の答えが存在する試験ですので、作問者の意図にあった解答が求められ、設問の誘導や質問に素直に答えるだけで、一定の評価を受けることができると考えます。
以上から、論文式試験においては、第一に過去問を解くことをオススメします。また、過去問は質が良い演習本ですので、一度ではなく過去10年分を3周程度回すべきであると思います。
以下で、各科目につき、使用していた基本書等を列挙しますので参考になれば幸いです。
〇各科目で使ってた基本書等
・憲法
基本書『憲法学読本』(著:安西文雄、巻美矢紀、宍戸常寿/出版社:有斐閣)
演習本『憲法演習ノート』(編著:宍戸常寿 、著:大河内美紀、齊藤愛、柴田憲司、西村裕一、松本哲治 、村山健太郎 、横大道聡/出版社:弘文堂)『憲法ガール』(著:大島義則/出版社:法律文化社)
・行政法
基本書『基本行政法』(著:中原茂樹/出版社:日本評論社)
演習本(なし)、過去問をとにかく回しました。
・民法
基本書『民法(全)』(著:潮見佳男/出版社:有斐閣)、『債権法』(著:中舎寛樹/出版社:日本評論社)、『新ハイブリット民法2物権・担保物権法』(著:小山泰史・ 堀田親臣・ 工藤祐巌・ 澤野和博・ 藤井徳展・ 野田和裕/出版社:法律文化社)
演習本『演習サブノート210問』( 編著:沖野眞已、窪田充見、佐久間毅/出版社:弘文堂)
・会社法
基本書『会社法』(著:田中亘/出版社:東京大学出版会)
演習本(なし)、
『会社法判例百選』(編:神作裕之、藤田友敬、加藤貴仁/出版社:有斐閣)を論証集の代わりとして使用しました。
・民事訴訟法
基本書『基礎からわかる民事訴訟法』(著:和田吉弘/出版社:商事法務)
演習本『Law Practice 民事訴訟法』(編著:山本和彦、著:安西明子、杉山悦子、畑宏樹、山田文/出版社:商事法務)
・刑法
基本書『基本刑法1-総論』(著:大塚裕史、十河太朗、塩谷毅、豊田兼彦/出版社:日本評論社)『基本刑法2-各論』(著:大塚裕史、十河太朗、塩谷毅、豊田兼彦/出版社:日本評論社)演習本『刑法事例演習教材』(著:井田良、佐伯仁志、橋爪隆、安田拓人/出版社:有斐閣)
・刑事訴訟法
基本書『基本記事訴訟法2-論点理解編』(著:吉開多一、緑大輔、設楽あづさ、國井恒志/出版社:日本評論社)
演習本(なし)
 
第4 最後に
私は合格まで3回かかりましたが、最後まで諦めずに勉強を継続したことで、最終合格までたどり着くことができました。
特に複数回受験者は、今が苦しいかと思いますが、絶対に諦めない強い意志を持って学習を継続すれば、いつかは合格までたどり着きますので頑張ってください。
また、私はゼミの弁護士先生や教授、また周りの友人の支えがあったから、勉強を継続できたと思っています。
そのため、そのような仲間や先生方を見つけることも司法試験では重要なことになると思います。
私の体験記が皆さまに多少なり参考になれば幸いです。
皆さまの合格を祈願しております。