LEARNING KANA
模擬国連の世界大会「グローバル模擬国連」に明大生4名が参加しました
2011年10月13日
明治大学
会議開催直前の会場にて(写真:北條さん)
タイから参加した学生、タイの大使役を務めた学生と記念撮影(写真:北條さん)
同じ委員会に出席した学生(コンゴ民主共和国、フランス、ボリビア、韓国)と、会議終了後のリラックスした表情(写真:北條さん)
マレーシア、タイ、韓国の学生との昼食の様子(写真:北條さん)
参加学生による白熱した会議。会議の進め方について活発な議論が行われました(写真:柳下さん)
会議終了後の1枚。インドネシアから参加した学生と、明大生の柳下さん・松田さん(写真:柳下さん)
文化交流イベントでケニアから参加した学生との記念撮影(写真:柳下さん)
8月10日から14日まで、韓国・仁川(インチョン)で開催された模擬国連の世界大会「グローバル模擬国連」に、本学から北條早紀さん、柳下大輔さん(ともに政治経済学部3年)の2名が日本模擬国連から選抜されたほか、稲垣祥子さん(理工学部4年)、松田俊介さん(国際日本学部4年)の2名が模擬国連本部から選抜され、合計4名が参加しました。
模擬国連とは、参加者一人一人が世界各国の政府代表に扮し、実際の国連会議と同様に各国の立場から国際問題について討議を行い、合意形成を重ねて最終的な決議を採択するまでのプロセスを体験する取り組みです。
グローバル模擬国連は、国連が主催する模擬国連の世界大会として2009年に初めて開催され、今回行われた仁川大会が第3回目の開催となりました。今年は日本からの参加者16名を含め、世界各地から現役の大学生・大学院生約400名が参加し、「持続可能な開発:自然と調和した人間の発展」をテーマに英語での議論が行われました。
【参加者・北條早紀さん(政治経済学部3年)の感想】
私は韓国・仁川で開催されたGlobal Model United Nations(以下GMUN)に、GMUN-Japan代表団として日本模擬国連(Japan Model United Nations: JMUN)から参加しました。
GMUNとは2009年より年一回国際連合が主催する唯一の模擬国連会議で、本年は‘Sustainable Development -advancing human progress in harmony with nature’をテーマに、世界約60ヶ国の模擬国連活動に参加している約400名の学生が参加しました。模擬国連活動に参加している学生にとってGMUNは、日頃の成果を発揮する以上の意味がある、いわばオリンピックのような大変貴重な機会なのです。
私は国連総会第二委員会(経済・金融を扱う委員会)にバルバドス政府代表として出席し、‘Ensuring global food security through sustainable agriculture’と‘Improving market conditions in favor of alternative energy towards a green economy’という議題について70名ほどの各国政府代表に扮する学生議論を重ねました。
バルバドスとはカリブ海に浮かぶ島国で人口は25万人ほどの小さな国ですが、主に農業と観光でカリブ海の周辺国の中では最も経済発展を遂げている国です。このような小国の政策を立案し、国際社会の意思決定プロセスに参画する難しさを痛感しました。さらにGMUNでは、第一委員会から第四委員会に加え、安全保障理事会の5つの会議が設定されており、安保理に参加できる国を除き、本来ならば各国4名ずつそれぞれの委員会を担当する予定でした。しかしながら私と同じバルバドスを担当する予定の学生は、ファンドレイジングが上手くいかずGMUNに参加することが出来なかったため、私は各委員会の決議案の採択にそれぞれ出席しなければなりませんでした。It's the United Nations. 実際の国連においても、全ての加盟国が必ず各委員会に政府代表を送り込めるわけではありません。GMUNで私は、自国の立場と方針が似ている国を担当している人にそれぞれの委員会の様子を聞いてまわり、投票行動に臨みました。結果的にそれぞれの委員会の雰囲気を自分の目で確かめることが出来たのは、とても幸運であったのだと思います。
今回のGMUNを通じ、私が得たことは三つあります。第一に、なによりも国連という存在がより身近に感じられるようになったということです。開会式のキーノートスピーチで潘基文国連事務総長は次のように述べました。
「あなた方は国際問題を解決する重要な役割を担っています。20年も経てば、私たちの世代の大半は役割を終えるでしょう。どんな決断であれ、今ここで一緒に決断したことが次の20年を決めるのです。2031年の世界は、2011年今まさにあなたたちの決断に関わっているのです。だからこそ、私たちはあなた方の声を聞きたい。」
つまり国連は、GMUNを通じ学生の声を国際社会へ届けようとしているのです。そして第二に、次世代を担う世界中の優秀な学生と一つの課題に取り組むことで、未来を作るのは自分自身であるという自覚を持ったということです。というのも、海外の学生の意識の高さは会議中至る所に見受けられました。信念を持ち、最後まで粘り強く交渉を続け、自らの力で世界を変えようとする姿から刺激を受けました。そして最後に…What a small world!!ということです。これは私がGMUNに参加している間、そして今でも感じていることです。というのも、GMUNではタイから参加していた学生と2年ぶりの再会を果たしました。前回は日本で、模擬国連とは関係のないプログラムで出会いました。GMUN参加後、私は9月に中国で開催された第2回中日韓ユース・フォーラムという模擬国連活動に参加している三国の学生のためのプログラムに参加する機会があり、GMUN参加者の一人と再会し、さらに現地に住んでいた他のGMUN参加者との再会も果たしました。
GMUNに参加するまでは、初めて模擬国連の海外で行われる会議への参加ということで不安ばかりが先走りしていました。けれども今となっては、もしかしたら近い将来今回出会ったGMUNの参加者と、いつか世界のどこかで一緒に働くこともあるかもしれない、そんな風にさえ思えるようになりました。これからも数多ある国際問題に対峙し、自分の信念とともに挑戦し続けたいと考えています。
【参加者・柳下大輔さん(政治経済学部3年)の感想】
今回国連主催の模擬国連大会であるGMUNでは、世界各国から選考をされ集まってきます。そのような大会にGMUN-Japan代表団として日本模擬国連から参加しました。
今回の大会の議題は持続可能な開発でした。その中でも会議は、第一委員会、第二委員会、第三委員会、第四委員会に分かれています。今回、私は第三委員会のマイクロネシア大使として会議に参加しました。
第三委員会では、持続可能な開発のための教育、そしてジェンダーと持続可能な開発という2つのテーマをもって議論がなされました。このような難しい議題の中で、各国の学生は自分の担当する国々の大使として議論に参加し、そして全体で協力しながら合意文章を作り上げて行きます。その中で、多くの学生の考えや文化に触れられたことは、自分自身にとってすごく大きな学びとなりました。
今回の大会では会議だけでなく、会議後の夕食では韓国文化を知ることのできる伝統的なダンスや演奏などを聞くこともでき、充実した日々を送ることができました。
充実した1週間から感じたことは、まず自分の力不足です。世界各国から来ている学生は語学の面だけでも、母国語、英語、そしてもう一つの言語を話せる人が大半を占めていて、母国語と多少の英語しか話せない自分の未熟さを感じました。他にも自分の意見を主張する力、スピーチの力など、これから自分が身につけていかなければならない力が今回の会議を通じて見えてきた気がします。
また一方で、日本人そして自分の、世界に通用するかもしれないものをわかりました。それは話を聞く力と一つ一つ細かく丁寧に作業をしていく力です。これから国際社会で活躍したいと夢見る中で、日本人の持つ良いところをこれからも伸ばしていくことはとても大切で、それが将来自分の為になるのだろうとこの大会を通じて思いました。
これからは今回の大会から得たものを、自分なりにしっかり育てていきたいと思います。
模擬国連とは、参加者一人一人が世界各国の政府代表に扮し、実際の国連会議と同様に各国の立場から国際問題について討議を行い、合意形成を重ねて最終的な決議を採択するまでのプロセスを体験する取り組みです。
グローバル模擬国連は、国連が主催する模擬国連の世界大会として2009年に初めて開催され、今回行われた仁川大会が第3回目の開催となりました。今年は日本からの参加者16名を含め、世界各地から現役の大学生・大学院生約400名が参加し、「持続可能な開発:自然と調和した人間の発展」をテーマに英語での議論が行われました。
【参加者・北條早紀さん(政治経済学部3年)の感想】
私は韓国・仁川で開催されたGlobal Model United Nations(以下GMUN)に、GMUN-Japan代表団として日本模擬国連(Japan Model United Nations: JMUN)から参加しました。
GMUNとは2009年より年一回国際連合が主催する唯一の模擬国連会議で、本年は‘Sustainable Development -advancing human progress in harmony with nature’をテーマに、世界約60ヶ国の模擬国連活動に参加している約400名の学生が参加しました。模擬国連活動に参加している学生にとってGMUNは、日頃の成果を発揮する以上の意味がある、いわばオリンピックのような大変貴重な機会なのです。
私は国連総会第二委員会(経済・金融を扱う委員会)にバルバドス政府代表として出席し、‘Ensuring global food security through sustainable agriculture’と‘Improving market conditions in favor of alternative energy towards a green economy’という議題について70名ほどの各国政府代表に扮する学生議論を重ねました。
バルバドスとはカリブ海に浮かぶ島国で人口は25万人ほどの小さな国ですが、主に農業と観光でカリブ海の周辺国の中では最も経済発展を遂げている国です。このような小国の政策を立案し、国際社会の意思決定プロセスに参画する難しさを痛感しました。さらにGMUNでは、第一委員会から第四委員会に加え、安全保障理事会の5つの会議が設定されており、安保理に参加できる国を除き、本来ならば各国4名ずつそれぞれの委員会を担当する予定でした。しかしながら私と同じバルバドスを担当する予定の学生は、ファンドレイジングが上手くいかずGMUNに参加することが出来なかったため、私は各委員会の決議案の採択にそれぞれ出席しなければなりませんでした。It's the United Nations. 実際の国連においても、全ての加盟国が必ず各委員会に政府代表を送り込めるわけではありません。GMUNで私は、自国の立場と方針が似ている国を担当している人にそれぞれの委員会の様子を聞いてまわり、投票行動に臨みました。結果的にそれぞれの委員会の雰囲気を自分の目で確かめることが出来たのは、とても幸運であったのだと思います。
今回のGMUNを通じ、私が得たことは三つあります。第一に、なによりも国連という存在がより身近に感じられるようになったということです。開会式のキーノートスピーチで潘基文国連事務総長は次のように述べました。
「あなた方は国際問題を解決する重要な役割を担っています。20年も経てば、私たちの世代の大半は役割を終えるでしょう。どんな決断であれ、今ここで一緒に決断したことが次の20年を決めるのです。2031年の世界は、2011年今まさにあなたたちの決断に関わっているのです。だからこそ、私たちはあなた方の声を聞きたい。」
つまり国連は、GMUNを通じ学生の声を国際社会へ届けようとしているのです。そして第二に、次世代を担う世界中の優秀な学生と一つの課題に取り組むことで、未来を作るのは自分自身であるという自覚を持ったということです。というのも、海外の学生の意識の高さは会議中至る所に見受けられました。信念を持ち、最後まで粘り強く交渉を続け、自らの力で世界を変えようとする姿から刺激を受けました。そして最後に…What a small world!!ということです。これは私がGMUNに参加している間、そして今でも感じていることです。というのも、GMUNではタイから参加していた学生と2年ぶりの再会を果たしました。前回は日本で、模擬国連とは関係のないプログラムで出会いました。GMUN参加後、私は9月に中国で開催された第2回中日韓ユース・フォーラムという模擬国連活動に参加している三国の学生のためのプログラムに参加する機会があり、GMUN参加者の一人と再会し、さらに現地に住んでいた他のGMUN参加者との再会も果たしました。
GMUNに参加するまでは、初めて模擬国連の海外で行われる会議への参加ということで不安ばかりが先走りしていました。けれども今となっては、もしかしたら近い将来今回出会ったGMUNの参加者と、いつか世界のどこかで一緒に働くこともあるかもしれない、そんな風にさえ思えるようになりました。これからも数多ある国際問題に対峙し、自分の信念とともに挑戦し続けたいと考えています。
【参加者・柳下大輔さん(政治経済学部3年)の感想】
今回国連主催の模擬国連大会であるGMUNでは、世界各国から選考をされ集まってきます。そのような大会にGMUN-Japan代表団として日本模擬国連から参加しました。
今回の大会の議題は持続可能な開発でした。その中でも会議は、第一委員会、第二委員会、第三委員会、第四委員会に分かれています。今回、私は第三委員会のマイクロネシア大使として会議に参加しました。
第三委員会では、持続可能な開発のための教育、そしてジェンダーと持続可能な開発という2つのテーマをもって議論がなされました。このような難しい議題の中で、各国の学生は自分の担当する国々の大使として議論に参加し、そして全体で協力しながら合意文章を作り上げて行きます。その中で、多くの学生の考えや文化に触れられたことは、自分自身にとってすごく大きな学びとなりました。
今回の大会では会議だけでなく、会議後の夕食では韓国文化を知ることのできる伝統的なダンスや演奏などを聞くこともでき、充実した日々を送ることができました。
充実した1週間から感じたことは、まず自分の力不足です。世界各国から来ている学生は語学の面だけでも、母国語、英語、そしてもう一つの言語を話せる人が大半を占めていて、母国語と多少の英語しか話せない自分の未熟さを感じました。他にも自分の意見を主張する力、スピーチの力など、これから自分が身につけていかなければならない力が今回の会議を通じて見えてきた気がします。
また一方で、日本人そして自分の、世界に通用するかもしれないものをわかりました。それは話を聞く力と一つ一つ細かく丁寧に作業をしていく力です。これから国際社会で活躍したいと夢見る中で、日本人の持つ良いところをこれからも伸ばしていくことはとても大切で、それが将来自分の為になるのだろうとこの大会を通じて思いました。
これからは今回の大会から得たものを、自分なりにしっかり育てていきたいと思います。