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センター長挨拶



明治大学 文学部 専任教授
センター長 藤山 龍造

就任のご挨拶

2025年4月1日をもちまして,明治大学黒耀石研究センター長を拝命いたしました文学部専任教授の藤山龍造です。この度の重責を担うにあたり,これまでの歩みを大切にしつつ,センターの更なる発展に尽力してまいります。
当センターは,学術フロンティア推進事業「石器時代における黒耀石採掘鉱山の研究」に基づき,2000年に長野県小県郡長和町に設立されました。それ以来,日本初かつ唯一の黒曜石と人類史に関する研究拠点としての役割を果たしてきました。その設立から四半世紀が経過した今,私たちはこれまで培ってきた知見を基盤に,資源開発史の統合的分析を目指して,新たな挑戦に踏み出しています。
現在,当センターは,黒曜石考古学部門,先史考古学部門,植物考古学部門の三部門を基幹とし,「資源環境と人類」をキーワードに,包括的かつ先進的な研究を推進しています。特任教員2名およびセンター員が中心となり日々の運営と研究を支える一方,国内外の研究機関とも連携し,また客員研究員を迎えることで多角的な視点からの研究を実現しています。この共同体制により,さらなる知見の蓄積と新たな発見を目指しています。
2024年度には,大学教育との接続を強化するため,駿河台キャンパスに隣接する猿楽町校舎へ本部機能を移転しました。これにより機動力を高め,より柔軟で効率的な運営が可能となり,学部生や大学院生を対象とした公開授業や実践教育を目指しています。学内外の学生,研究者との学術交流も含めて,教育・研究を一体化した拠点づくりを進めています。
また,長和町の長和センターとの連携も一層深め,地域社会への還元に力を入れてまいります。地方自治体や地域住民との協働を通じ,文化財の保護・活用や次世代を担う人材育成に寄与し,豊かな社会づくりに貢献していきたいと考えています。
黒曜石考古学をこれまで通り重要な核としながら,「ヒト—資源環境系」を時間的な深みのなかで多角的に解明することで,人類史研究の新たな地平を切り開きます。
これまでの四半世紀の蓄積を大切にするとともに,次の四半世紀に向けた発展を目指してまいりますので,皆様からのさらなるご理解とご支援を賜りますよう,心よりお願い申し上げます。

明治大学黒耀石研究センター
センター長 藤山龍造