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明治の結束力をここに 理事長 長堀 守弘

このたびの東日本大震災により、災害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々に慎んで深い哀悼の意を表します。本学関係者をはじめ、多くの方々が被災されました。私が戦時中に疎開していた福島県新地町も被災し、家は全壊してしまいました。3月11日の地震から日が経つにつれ、あらためて被災地の惨状を見ると夢であって欲しいと願うばかりであります。

1923年の関東大震災では、明治大学を含め神田の街は壊滅的な被害を受けました。しかし、本学は母校復興後援会(教員・商議員・審議会・協議員・学生による後援組織)を設置し、1926年7月には記念館建設のための「明治大学復興基金」を募集することにより、学生・父母、校友、教職員が一丸となった献身的な努力が実を結び、記念館を復興建築したのであります。2011年の今となっては、記念館は21世紀型の都心型キャンパスであるリバティタワーに建て替わりましたが、関東大震災が起きた当時の本学関係者の結束力はうかがい知れぬほど大きなものであったと推察いたします。

このエピソードをはじめとして、本学では過去の大災害に際し義援金を募るなど、被災地の支援に尽力してまいりました。今回の震災にあたり、本学は趣旨にご賛同いただけるすべての皆さまのご理解・ご協力を賜り、一致協力して被災された方々へできうる限りの支援を行うため、「明治大学被災学生支援義援金」および「明治大学東北関東大震災被災者救援義援金」を募ることといたしました。

寄せられましたご厚志の義援金は、被災した本学学生および新入生への奨学金等として大学からの受け渡し、または、被災者救援のために日本赤十字社等を通じて寄付したいと考えております。被災された本学学生および新入生は、創立130周年の伝統を継承していく本学にとって大切な財産であります。この学生たちが本学に通学し、学生生活を続けていくことができるよう、また、本学に関わらず、被災者の方々および現在も避難所においてご不便な生活を強いられているすべての方々に対し、少しでも本学がお役に立てますよう、皆さまからの温かいご支援を賜れましたら幸甚に存じます。

明治大学関係者の皆さまにおかれましては、建学の精神である『権利自由』『独立自治』を基盤とした固い結束をもって、被災者、被災地の救援復興の手助けを行い、日本社会の明るい未来を回復させるべく、2つの義援金の趣旨にご賛同いただき、ご協力を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。