３月１１日に発生した東日本大震災は、地震と津波の被害もさることながら、原子力発電所の崩壊による放射能被害という、これまで経験したことのない災害となった。震災に遭われ亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、被害を受けられた皆さまの一日も早い復興を願うばかりである。
今回の東日本大震災は日本国内の産業だけでなく、海外の産業にも大きな影響をもたらしたことは、思った以上に世界は緊密につながっていることを物語っている。また、報道のみならずインターネットによる情報の伝達や共有は目を見張るものであり、世界中から迅速な支援の手が差しのべられた。本学は国際化拠点整備事業（グローバル３０）を推進しているが、一層の国際化を進めることの必要性を再認識した次第である。
それにしても、電気に依存した近代都市はなんと脆いものか。科学と技術の発展は生活の豊かさや便利さをもたらしているが、今回の大震災は、科学と技術を過信することの危険性を改めて考えなければならないという啓示に思えてならない。