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2010年度決算の概要【1】(消費収支決算)

さる2011年5月27日の評議員会において2010年度決算が承認されました。決算は、「消費収支計算書」(第1表)、「資金収支計算書」(第2表)、および「貸借対照表」(第3表)からなっています。(本文および表中の金額は端数調整を行っています。)

決算の詳細は下記のページで公開しています。
消費収支計算では、学生生徒等納付金、寄付金、補助金などの『帰属収入合計』から『基本金組入額合計』を控除した『消費収入の部合計』と、人件費、教育研究経費、管理経費など当該年度で消費した『消費支出の部合計』を対比させることで、その均衡状況を示し、学校法人の経営状況を明らかにしています。

第1表「消費収支計算書」について説明します。

収入については、『学生生徒等納付金』から『雑収入』までの『帰属収入合計』は514億35万円となり、予算比15億858万円の増となりました。『基本金組入額合計』は、当期に取得した固定資産と、第2号基本金への積立を主体に61億57万円(帰属収入の11.9%)の組入れを行いました。このため、『帰属収入合計』から『基本金組入額合計』を控除して算定される『消費収入の部合計』は452億9978万円となり、予算比11億4069万円の増となりました。

「消費収入の部」の款別内訳について説明します。

  1. 帰属収入の中の各収入決算額は、『寄付金』および『資産売却差額』を除き、次項で説明する資金収入の決算額と同額です。
  2. 『寄付金』は、5億8931万円(予算比1億5706万円増)。資金収入の『寄付金収入』のほかに、機器備品および図書の受贈額を「現物寄付金」として1億792万円加算したものです。
  3. 『 資産売却差額』は、17万円(予算比17万円増)。車両の売却によるものです。
  4. 『基本金組入額合計』は、61億57万円(予算比3億6789万円増)。第1号から第4号の基本金の内訳は、次のとおりです。
    (a) 第1号基本金
    当期に取得した固定資産関係等 43億2941万円
    (b) 第2号基本金
    和泉新図書館建設引当資産 5億円
    中野キャンパス整備引当資産等 15億円
    駿河台C地区整備引当資産 7億円
    第1号基本金へ振替 △10億円
    (c) 第3号基本金
    各種奨学基金への積立 1216万円
    (d) 第4号基本金
    各恒常的保持資金 5900万円
次に、支出については、『消費支出の部合計』は473億6865万円となり、予算比26億3181万円の減となりました。これは、経費節減と調達努力のほか、適宜な予算執行の見直しによるものです。

「消費支出の部」の款別内訳について説明します。

  1. 『人件費』は、272億3591万円(予算比9億8960万円減)。内訳は次のとおりです。
    「教員人件費」、「職員人件費」および「役員報酬」は、次項で説明する資金支出の決算額と同額です。
    「退職金」は、7億426万円。資金支出「退職金支出」決算額の約50%相当額を計上しています。
    「退職給与引当金繰入額」は、2億502万円。当期において増加する「退職給与引当金」への繰入額です。
    「年金引当金繰入額」は、13億8685万円。教職員の拠出する掛金収入、年金引当資産から生ずる果実および法人の負担金の総額を「年金引当金」へ繰り入れる額です。
  2. 『教育研究経費』は、169億4809万円(予算比10億7990万円減)、『管理経費』は、28億691万円(予算比1億2718万円減)です。いずれも資金支出決算額に消費支出固有の科目「減価償却額」を加えた額です。
  3. 『資産処分差額』は、2億8699万円(予算比1億7081万円減)。既存建物等施設の改修に伴う一部取り壊しおよび機器備品・図書等の除却によって生じた除却損です。
  4. 『徴収不能引当金等繰入額』は、9076万円(予算比5263万円減)。貸付金等の債権の徴収不能に備えるため、徴収が滞っている徴収不能懸念債権について徴収不能実績率で見積もった徴収不能見込額を計上したほか、教職在職者にかかる返還免除分および前期除籍者の学費未納額を「徴収不能額」として経理処理したものです。
  5. 予備費(消費)』は、予算5億円のうち2億8831万円を充当しました。内訳は、『教育研究経費』8234万円、『管理経費』2億597万円です。
この結果、消費収入決算額452億9978万円に対し、消費支出決算額が473億6865万円となり、「消費支出」が「消費収入」を20億6887万円上回りました。よって『前年度繰越消費支出超過額』319億6970万円は、当期末では340億3857万円に増加し、翌年度に繰り越されました。

図1~図3は、帰属収入、基本金組入額、消費支出の構成比を、図4は、消費収支計算に関する主な財務比率の推移を示しています。
 

〈第1表〉2010年度 消費収支計算書

消費収入の部

(単位:千円)
科目 決算額 予算比差異
学生生徒等納付金 38,386,212 543,006
手数料 3,646,855 181,180
寄付金 589,314 157,064
補助金 4,864,342 227,366
資産運用収入 1,056,484 139,346
資産売却差額 170 170
事業収入 1,139,897 136,324
雑収入 1,717,077 124,122
帰属収入合計 51,400,351 1,508,578
基本金組入額合計(△) △ 6,100,567 △  367,893
消費収入の部合計 45,299,784 1,140,685

消費支出の部

科目 決算額 予算比差異
人件費 27,235,911 △  989,596
教育研究経費 16,948,088 △ 1,079,895
管理経費 2,806,910 △  127,184
資産処分差額 286,986 △  170,812
徴収不能引当金等繰入額 90,759 △   52,625
予備費(消費) △  211,693
消費支出の部合計 47,368,654 △2,631,805
当年度消費支出超過額 2,068,870
前年度繰越消費支出超過額 31,969,702
翌年度繰越消費支出超過額 34,038,572