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創立130周年記念事業の施設整備計画 常勤理事(施設計画担当) 市川好和

高等教育機関としての大学の役割は、教育・研究の充実・発展を通じて、社会への貢献を果たすことにあります。リーマン・ショックや東日本大震災により、グローバルソブリンリスクという大きな危機が世界経済を覆い始め、ますます従来の制度や社会の仕組みを大きく変化せざるを得ない状況にあります。このような激変する時代において、活力ある教育や人材の育成を行なうためには、社会の流れに的確に対応した幅広い施策の展開が必要です。

本学は、国際化、研究の充実、社会連携を重要課題として、多くの大学改革を実施し、教育・研究の充実・発展を通じて大学の持つ知的財産を広く社会に公開し、社会貢献を果たすという21世紀における大学の役割を推進しています。この役割を持続可能にするためには、本学が進める事業を明確に認識し、その実現を具体的に進めるための施設設備の整備を目指すことが必要です。本学は、理事会と教学が一体となって調和のとれた関係を維持し、相互に理解、協力して教育環境の充実に努めています。

2000年代における本学の施設整備計画は、駿河台キャンパスでは、A地区リバティタワー(2期2000年竣工、1期1998年竣工)、B地区アカデミーコモン(2003年竣工)、D地区紫紺館(2006年竣工)、和泉キャンパスでは、メディア棟(2004年竣工)、そして生田キャンパスでは、第一校舎2号館(2000年竣工)、第二校舎A館(2003年竣工)が建設され教育・研究環境の整備が図られてきました。

2008年に発足した現理事会においては、創立130周年記念事業である(1)黒川農場整備計画(2011年12月竣工予定)、(2)生田第二校舎1号館整備計画(2011年12月竣工予定)、(3)和泉図書館整備計画(2012年2月竣工予定)、(4)駿河台C地区整備計画(2012年12月竣工予定)(5)中野キャンパス整備計画(第1期工事、2013年1月竣工予定)が工事中、そして(6)スポーツパーク整備計画(2014年2月竣工予定)は協議中です。また、記念事業以外でも、和泉総合体育館東棟(2010年竣工)、生田キャンパスの植物工場基盤技術研究センター(2010年竣工)、地域産学連携研究センター(2012年3月竣工予定)、E地区の猿楽町再開発計画(2015年~2020年予定)が竣工済み・工事・協議中です。いずれも規模の大きな整備計画を予定していますが、幸いにも昨今の経済・市況事情や入札方法の改善により、現在のところ計画的に進んでおります。

施設整備計画は、大学全体の中で長期的展望において策定されるべきものであり、大学の目指す方向性と関連付ける必要があります。教学が策定した「グランドデザイン2020」と法人の長期ビジョンとの整合性を図りながら、継続的大学改革に沿って教育研究環境を整備し、大学の質の高い教育・研究活動と学生の豊かな人間性の涵養を目指しております。