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中野キャンパス整備計画〔第一期工事〕

※CGによる完成イメージ。色や形等、竣工時とは異なる場合があります

所在地 東京都中野区中野4丁目
敷地面積 約16,000㎡
建築面積 約4,450㎡
延床面積 約33,000㎡
建物概要 地下1階 地上14階建て
予定工期 2011年6月~2013年1月(予定)
展開機関 国際日本学部、総合数理学部(仮称)、先端数理科学研究科、理工学研究科新領域創造専攻、理工学研究科建築学専攻国際プロフェッショナルコース(仮称)、先端数理科学インスティテュート(MIMS)。
コンセプト 国際化、先端研究、社会連携の拠点キャンパスとして整備する。理系と文系の2学部と複数の研究科及び研究機関が設置される。

座談 63年ぶりの新キャンパスへの期待

「世界に開かれた大学」を具現化するための拠点キャンパスとして、2013年4月に中野へ第4のキャンパスが誕生する。中野での学部や研究科の教育、先端的な研究機関としての展開について土屋恵一郎・常勤理事(教務担当)進行の座談を一部抜粋して掲載する。

※全文バージョンは9月下旬公開予定です

土屋
中野に2013年に新しくオープンする第4番目のキャンパスには、学部として国際日本学部が和泉キャンパスから、そして総合数理学部(仮称)という新学部ができて、同時に先端数理科学研究科と理工学研究科の新領域創造専攻が生田キャンパスから移り、また、建築学専攻国際プロフェッショナルコース(仮称)が新たにできます。学部長、研究科長、新学部設置準備委員会委員長として、新しいキャンパスにどういう展望をお持ちなのか、ざっくばらんに語っていだきたいと思います。

蟹瀬
国際日本学部は学部自体も新しいし、明治の国際化が見える形であらわれた学部です。それが、中野キャンパスができることによって、国際化が建物としても今度は見える。明治の変わる姿を見える化する第2弾という非常に大きなプロジェクトだと思います。そういう意味では、学部長としては大変期待を高くしておりますし、ただつくるのではなくて未来へ向けて、10年後に「やっぱり明治はすごいな」と言われるように、国際化という看板と理数系の先端的な研究という2本柱で建つということは、非常に意義が深いと思います。

砂田
新しいキャンパスに新しい学部ということで、大学内での期待の大きさを感じるのと同時に、責任の重さもひしひしと感じています。総合数理学部ではオール明治の観点から、数理と情報をキーワードとする「世界に開かれた学部」、「社会に貢献する数理科学を創造・展開・発信する学部」を目指しています。数理の名称を持つ学部の設置は、我が国では初めてであり、国際的にも注目を浴びているところです。国際日本学部と互いに協力をしながら、長いタイムスパンの中で国内外で活躍できる人材を輩出しようと考えています。

土屋
まさに文理融合型のキャンパスで、総合数理学部と国際日本学部がどう連携できるのかということです。


蟹瀬
文系、理系という分け方というのは、欧米に行くともうはっきりしていません。それだけいろんなものからシナジー効果が起こってきて、建築ひとつとってもアートの世界があって、アーティストが描いたものを建築工学の方が実際に安全に建てるというような、そういう一種のヒュージョンが起こっている。新しい総合数理という研究の仕方、それから国際日本という考え方、これは非常に親和性がいいと思っているんです。考え方だけではなくて、日常的な授業の中でお互いにどういうことを協力できるのかをこれから模索していくと、これまでにない新しい大学教育に関しての提案ができるという期待はあります。

砂田
数理と情報という分野は、理系、文系を超えたところにある典型的な分野です。国際日本学部というユニークな学部と密接に連携しながら、新しい学術分野を創造したいと考えています。教育についても、お互いに乗り入れ可能な科目が多くあり、一方で独自性を発揮しながら他方で協力関係を築くことは可能だと思います。

土屋
両学部を比べてみると、お互いがジョイントできる科目がかなりある。それぞれが単位の共通化をはかりながら、新しい形の大学教育の姿ができるのではないかと思います。

三村
先端数理科学研究科長として、MIMS(明治大学先端数理科学インスティテュート)の所長としていま考えているのは、ただ単に研究所を持続させることや、研究科を持続させるということではありません。世の中の10の難問題というのがJST(科学技術振興機構)から提案されています。それは地球環境変動や、災害の問題、疫病、医学の問題などいろいろあるのですけど、結局そういう問題がなぜ難問題になっているかというと、1つの既存の分野では解決できないということがはっきりわかったからです。いろんな分野を融合、連携、集めて新しい発想法でやらなければいけない中で、数理科学が分野間をつなげる。それがまさに現象数理学の精神です。日本では初めてながら、外国では既にインターディシプリン・マスマティクスという形で展開されています。これからは、それらの研究機関と、ある意味で協調と同時に競争のバランスの中で、我々は力をつけていかなければいけません。すでにMIMSではそういった研究機関と連携していますが、それは研究ですので、中野キャンパスではそういった問題に挑戦する若い人材を育てたいと考えています。それが先端数理科学研究科のミッションの一つです。

土屋
中野の街全体が変わっていく中で、明治大学のキャンパスは顔になると思うのですが、地域との連携はどのようにお考えですか。

蟹瀬
中野は、国際日本学部が1つの看板として掲げているポップカルチャー、クールジャパンと言われているものの中心地となっています。その中野との親和性は非常に高く、地域との協同でいろんなプロジェクトを実施できる可能性を感じています。

砂田
中野の利点は、「既に人の住む町があり、そこにキャンパスを作る」ということです。努力は必要ですが、それを怠らなければ地域社会との密接な関係は比較的容易に築けると思います。

土屋
東京のイエローライン(総武線の秋葉原=中野=三鷹)、日本に来るアニメーションやポップカルチャーの研究者は、秋葉原から始まって、中野の「まんだらけ」、中野ブロードウェイの中はマンガとフィギュアの一種のセンターになっている。そして三鷹のスタジオジブリを廻ります。中野ブロードウェイは、最近は村上隆さんが自分のスタジオを構えたりしていますから、その中に国際日本学部や総合数理学部、建築学専攻の国際的なコースのサテライトをつくって、中野ブロードウェイに来る人たちと交流できる。御茶ノ水駿河台のように街全体をキャンパスにしていくことが必要です。