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ズームアップ -meidai sports- <498> 歴代最高馬、惜しまれつつ引退 馬術部 明州

今春の全日本ヤング総合大会、 野外走行での明州と西脇

9月に行われた第41回全日本総合馬術大会2011で、ある一頭の「選手」が優勝という結果を残し、明治大 学馬術部から引退した。その馬の名前は「明州」。部員からは「ジョニー」の愛称で呼ばれ、明治大学の全日本インカレ17回連続優勝のすべてに貢献してき た。長い年月の間には世界選手権に出場した選手たちの部員時代も含まれており、馬術界のトップ選手を明州が育てたと言っても過言ではない。

その明州に入部当初から就き、約2年半に渡って共に戦ってきた西脇友彦(政経3)はこう語る。「明州は先生だった。スピード感覚などを教わり、この馬に 教わったことをほかの馬にも生かせた」。障害、馬場、野外走行の3つすべてで争う総合馬術競技の専門馬だった明州は、特に野外走行において秀でていた。最 後となったこの大会でも「いつもの明州だった」(西脇)といい、見事優勝を果たす。しかし、現在23才。人間で考えれば70才を超える高齢となった明州が これ以上競技を続けるのは難しくなってしまった。

明州の引退には惜しむ声も多い。だが、長年の経験とその素晴らしい走りで最後の大会でも優勝し、これまで数々のタイトルを生んできた明州にふさわしい幕引きとなった。一方、チームは11月初めのインカレ18連覇に向けて最終調整に臨む。

文/写真・鈴木まり(商3)