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第3回文学部読書感想文コンクール 「幅広い教養人の育成」の一環として

読書感想文を通じて世代を超えた交流がされた 一人ひとりに表彰状を手渡す林文学部長 優秀賞作品集「読むことの歓び」

明治大学文学部が主催する「第3回読書感想文コンクール」の表彰式が11月19日、駿河台キャンパス・リバティタワー1022教室で執り行われた。

本コンクールは文学部の社会貢献活動の一環として、若者の活字離れを防ぐとともに広く読書への関心を喚起すべく、高校生と社会人を対象に書物に親しむ機会を設定するため募集されたもの。応募者は10冊の課題図書から選んだ1冊について1200字以内で読後の感想を綴り、表彰作品が『読むことの歓び』として書籍化されることも特徴となっている。

表彰式の冒頭にあいさつした林義勝文学部長は多くの応募に謝意を表すとともに、「今回も優秀賞にふさわしい作品を多数お寄せいただいた。社会的にもいよいよ本コンクールが浸透しつつあると思う」とし、今後の同コンクール発展への抱負を語った。

今回は623点の応募があり、文学部読書感想文コンクール選考委員会の審査・選考を経て、高校生82人・社会人17人が受賞。表彰式では林学部長から受賞者一人ひとりに、賞状と『読むことの歓び』が授与された。

選考委員の立野正裕教授は、講評としていくつかの感想文を取り上げながら、震災後の日本、さらには世界の状況に言及しつつ、「文学は時空を越える不思議な力を持つとともに、さまざまな感動をさまざまな洞察に換えてゆく素晴らしい力を持つ。読み手の我々も豊かな感受性の翼を広げ、感動を受け止めよう」と、今後も読書へ親しむことを奨励した。

祝辞に立った松橋公治副学長(学務担当兼学生部長)は、「異文化理解・他者理解の一助ともしてほしい」とし、本コンクールのさらなる発展を祈念した。続いて、吉田正彦教授が「旅をする『物語』」と題して記念講演を行った。

受賞者を代表して中井小綾さん(高校生の部)は、「授業課題の一環として取り組んだが、このような賞をいただき嬉しい。しかしそれ以上に、このコンクールで素晴らしい本に出会えたことが何よりの喜びです」と語り、伊坂英二さん(社会人の部)は、「今回こうした機会を得て、読むことの喜びとともに書くことの喜びをも知ることができた」と二重の喜びをあらわにした。