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創立130周年記念事業 映画と制作者の話から、まだ知らない日本を知る。 「和泉フィルムフェスティバル(第1回)」を開催

「輪」になって念仏講をする。「和」になっていることが大切と由井監督

「多様な日本を撮る、見る」をテーマに「和泉フィルムフェスティバル(第1回)」が11月17日、和泉キャンパス第一校舎208番教室で開催され、ドキュメンタリー映画『うつし世の静寂(しじま)に』(2010年、ささらプロダクション)が上映された。

これは本年3月11日に発生した東日本大震災を契機として、もう一度日本社会を「多様な視点」から捉え直し、映像を通じて地方都市、高齢化社会、離島文化、外国人コミュニティ等の「現実」に目を向け、リアルな現代社会に触れることで参加者に多くの発見を与えるべく企画・開催されたもの。

フェスティバル第1回で上映された『うつし世の静寂に』は、川崎市に今も生きている『念仏講』に焦点をあて、「祈り」を基盤にした共同生活をスクリーン上に描き出すことで、「地域社会」が見直されている震災後の今、日本社会の共同体を見つめ直すきっかけとしている。

フェスティバル冒頭、コーディネーターのひとりである商学部の鳥居高教授は「いろいろな日本を映像で見ていくことで、多様な目で日本を捉え、地域と地域のつながり、人と人のつながりを見つめ直そう」と呼びかけた。

ゲストとして招かれた由井英監督、小倉美恵子プロデューサーは上映後、参加学生らと感想や意見の交換を行った。由井監督は「過去を振り返ること、未来を描くこと、それは何のためなのか?ということに思い至らねばならない」とのメッセージを贈った。学生たちは生田キャンパスに程近い川崎の地に、現代も『講』が息づいていると知り、驚きを隠せない様子であった。

月に一度、集落の人々が一軒の家に集まり、「講」は行われる。「無尽講」は、お金の貸し借りを通じて互いに融通しあう仕組みであり、「念仏講」は先祖供養のための集いである。「講」には神仏が描かれた掛け軸が掲げられ、祈りが捧げられる。

(『うつし世の静寂に』 映画パンフレットより)

第2回 島に棲まう神と祭り

日時 12月8日(木) 午後6時より
場所 和泉キャンパス・第一校舎208番教室
上映 映像資料「宮古島の神と祭り」
ゲスト 佐渡山安公(宮古民俗文化研究センター所長)

第3回 『神官』の島に来た原発

日時 12月17日(土) 午後4時30分より
場所 和泉キャンパス・メディア棟M301番教室
上映 映画「祝(ほうり)の島」
ゲスト 纐纈(はなぶさ)あや (映画監督)

※本フェスティバルは、和泉キャンパスにて第3回まで企画されている