本書はガンディーの言葉を子ども向けに編集したGandhi Speaks: The Mahatma's Words for Children(Penguin Books India)から鳥居千代香氏が抜粋して訳出したものである。
ガンディーの著作は、すでに『真の独立への道(ヒンド・スワラージ)』(田中敏雄訳、岩波文庫)、『ガーンディー自叙伝(全二巻)』(田中敏雄訳、平凡社東洋文庫)など多数が翻訳刊行されている。
その中で、本書の特徴はガンディーの「経済思想」とでもいうべきものにかなりの分量を割いていることである。そのうち「チャルカーとカーディー」(手紡車と手織布)はよく知られているが、「協同組合運動」と「受託制度」、特に後者についてはほとんど知られていないであろう。
これは、地主を土地所有者ではなく、土地の「受託者(trustee)」とみなす考え方で、土地の委託を受けた地主はその土地を社会的に有用な方法で利用する義務を有するとする。この考え方は日本における初期の農民運動である日本農民組合の主張にも見られたものであることを考えると興味深い。
小谷汪之・文学部兼任講師
(訳者は政治経済学部兼任講師)
ガンディーの著作は、すでに『真の独立への道(ヒンド・スワラージ)』(田中敏雄訳、岩波文庫)、『ガーンディー自叙伝(全二巻)』(田中敏雄訳、平凡社東洋文庫)など多数が翻訳刊行されている。
その中で、本書の特徴はガンディーの「経済思想」とでもいうべきものにかなりの分量を割いていることである。そのうち「チャルカーとカーディー」(手紡車と手織布)はよく知られているが、「協同組合運動」と「受託制度」、特に後者についてはほとんど知られていないであろう。
これは、地主を土地所有者ではなく、土地の「受託者(trustee)」とみなす考え方で、土地の委託を受けた地主はその土地を社会的に有用な方法で利用する義務を有するとする。この考え方は日本における初期の農民運動である日本農民組合の主張にも見られたものであることを考えると興味深い。
小谷汪之・文学部兼任講師
(訳者は政治経済学部兼任講師)