Go Forward

東アジア出版人会議を明大で

第12回「東アジア出版人会議」が2011年12月1〜2日、駿河台キャンパス・アカデミーコモンで開催された。

東アジア出版人会議は、人文書衰退の現状を危惧する出版人(加藤敬事氏・元みすず書房社長、大塚信一氏・元岩波書店社長、龍澤武氏・元平凡社取締役編集局長)を発起人として、トヨタ財団の支援を受け、2005年に発足した団体。日本、中国、韓国、台湾、香港の各国出版関係者が参加しており、2009年には「東アジアで共有すべき100冊」を発表したことでも知られる。

開催にあたりあいさつした納谷廣美学長は、明大の出版会復活に触れた上で、「賢人と言われる皆さんは、過去を見つめなおし、将来を考え、未来に繋げていく、勇気を与える発言をする人たち」と同会議への期待を述べた。

今回の会議は、「21世紀における大学と書物と出版」を総合テーマに各国から45人程が参加し、「大学出版の可能性」「大学と書物の公共性—大学は読書文化の中心となりうるか」「電子書籍と読書の未来」についてコメントがされ、活発な討論が展開された。

初日には土屋恵一郎教務担当理事(法学部教授)も「大学における書物の役割」と題し基調講演を行い、「i-Padなど、メディアが変わればメッセージも変わる」とし、「大学はそういう新しい文化を創造するイノベーションに積極的にチャレンジすべき」とする一方、「本の役割は終わらない。ランダムに情報にアクセスできるのは本だけだ」と、新しい基盤の上に立って議論することが必要だとした。