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創立130周年記念事業 第3回 和泉フィルムフェスティバル 映画と制作者の話から、まだ知らない日本を知る

祝島の人々が何を大切にしているか伝えたいと纐纈監督

「多様な日本を撮る、見る」をテーマとした「和泉フィルムフェスティバル」の第3回が2011年12月17日、和泉キャンパス・メディア棟M301教室で開催され、「『神官』の島に来た原発」と題して、ドキュメンタリー映画『祝(ほうり)の島』(2010年、ポレポレタイムス社)が上映された。

これは本学創立130周年記念事業の一環として、昨年3月11日に発生した東日本大震災を契機にもう一度日本社会を「多様な視点」から捉え直し、映像を通じて地方都市、高齢化社会、離島文化、外国人コミュニティ等の「現実」に目を向け、リアルな現代社会に触れることで参加者に多くの発見を与えるべく企画・開催されたもの。

第3回フェスティバルで上映された『祝の島』は、山口県沖に浮かぶ瀬戸内海の過疎の小島「祝島(いわいしま)」を舞台に、“いのちの海”に生き、中国電力の上関原発建設計画に反対し続ける高齢者の暮らしを記録したドキュメンタリー映画。東日本大震災にともなう福島第一原発事故で人々の原発への関心が大きく高まっている中、学内外から約80人が参加し、興味深くスクリーンを見つめた。

ゲストとして招かれた纐纈(はなぶさ)あや監督は作品上映後、参加学生らと感想や意見の交換を行った。纐纈監督は「祝島の人々は原発に反対している、ということでまず知られるが、それより先に知るべき島の人々の生活の成り立ち、歴史、想いがある。彼らが何に反対しているかではなく、何を大切にしているのかを知りたくて、この映画を作った」と制作の背景を語るとともに、自ら祝島で暮らしながら撮影を続ける中で積み重ねた島民との交流などを紹介した。

学生たちは、自然と結びつき、千年にわたって島で命を伝えてきた人々と、資本主義の論理で原発を持ち込まんとする人々の対立の構図に、人間の対極的な側面を見出していた。

『明大生が捉えた日本』 映像・写真コンテスト表彰式

フェスティバルの開始に先立ち、『明大生が捉えた日本』映像・写真コンテストの表彰式が行われた。山泉進副学長(和泉キャンパス担当)より、写真部門・映像部門の最優秀賞および奨励賞受賞者にそれぞれ賞状と副賞が贈られた。

『明大生が捉えた日本』映像・写真コンテスト受賞者一覧

受賞内容 作品名 受賞者氏名 所属・学年
映像部門 最優秀賞 『新大久保の絆』 宋 済勲 (ソン・ジェフン) 理工学研究科新領域創造専攻
博士前期課程2年
奨励賞 『Can do Catch』 中村 絵美 理工学研究科新領域創造専攻
博士前期課程1年
写真部門 最優秀賞 『眼差しの寄合』 松本 晃次郎 理工学研究科新領域創造専攻
博士前期課程1年
奨励賞 『ヒト、トキ、マチ』 林 亮太 政治経済学部2年