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明治大学国際総合研究所 開設記念シンポジウム開催 Meiji Institute for Global Affairs Inaugural Symposium

国際問題をテーマにした白熱する議論に、多くの聴講者が耳を傾けた 開会のあいさつに立った林良造所長(研究・知財戦略機構特任教授) イアン・ブレマー代表(ユーラシア・グループ) 川口順子参議院議員(元外務大臣) 鎌江伊三夫教授(慶應義塾大学) ブルース・アロンソン教授(クレイトン大学)

明治大学国際総合研究所は2月21日、開設記念シンポジウムを駿河台キャンパス・リバティホールで開催した。シンポジウムは、同研究所の研究テーマである世界経済、外交・安全保障、医療改革、コーポレートガバナンス分野で、世界をリードする研究者や識者らが最新事情や問題点を議論、近未来の針路を探った。会場には学生や研究者など500人以上が集まった。

開会にあたり、林良造所長(研究・知財戦略機構特任教授)は「知の融合を目指す国際総合研究所の活動を、このシンポジウムを通して、より多くの方に知って欲しい」と述べ、あいさつに立った納谷廣美学長は、来場者への感謝の意に続けて「本研究所は、国際問題を考え議論することにより国際社会へ政策を提言し、世界平和と人類の福祉に貢献することを目的とする。リーマンショックやヨーロッパの金融危機、東日本大震災といった世界的な危機的状況の中、世界の未来を担う若者のために設置した」と同研究所の開設意義を強調した。

シンポジウムは三部構成で行われ、第一部では「変化する世界と日本の役割」をテーマに、ユーラシア・グループのイアン・ブレマー代表が現在のグローバリゼーションの深化に伴う新たなリスクを提起し、その解決の道筋ともなるべき同研究所の開設に期待を込めた。元外務大臣の川口順子参議院議員は、急成長を遂げるアジアにおける日本の役割について講演した。続くディスカッションには両名に加え、コロンビア大学のジェラルド・カーティス教授、東アジア・ASEAN経済研究センター事務総長の西村英俊氏が参加した

コーヒーブレークを挟み第二部では、慶應義塾大学の鎌江伊三夫教授が、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国での医療改革を紹介した後、日本の医療技術評価への取り組みと問題点を提起し、質疑応答で受講者と盛んに意見を交わした。

第三部では「グローバル企業のコーポレートガバナンス」をテーマに、クレイトン大学のブルース・アロンソン教授が講演した後、日本CFO協会理事長の藤田純孝氏、明治大学の三和裕美子商学部教授も加わったディスカッションでは、第一部のディスカッションに続き、日本経済新聞コラムニストの岡部直明氏がモデレーターを務めた。

閉会のあいさつで同研究所副所長の坂本恒夫副学長(研究担当・経営学部教授)は、「明治大学は3年続けて受験生が最も多い大学となり、トップレベルの支持を得た。これからは研究面でも世界へ情報発信していく」と抱負を語った。