Go Forward

就任所感 時代をリードする大学をめざして 学長 福宮 賢一

このたび、学長職を拝命し重責を担うこととなりました。大学を取り巻く厳しい環境の中、解決を求められる大きな課題の数々を前に、身の引き締まる思いです。

本学は幸いにして、近年、好循環の中にあります。一般入試志願者数3年連続全国一位、関東地区高校生アンケート「入りたい大学ランキング」1位(男子・女子生徒とも)、オープンキャンパス来場者数5万名超など、高校生からみた本学の魅力を象徴する一つの評価として、素直に受け止めたいと思います。

このポジションを得たことについては、これまでの施設充実の努力に加えて、各学部・大学院等における教育・研究改革への注力と、その成果の積極的発信が、大きく作用しています。研究面ではGCOEの採択や科学研究費獲得の急増、国際化ではグローバル30の採択など、文部科学省の競争的資金獲得に目覚ましい成果を上げました。このことは、納谷前学長のもと、2期8年にわたる精力的な取り組みの賜物に他なりません。

私たちは、新しい扉を開き、一段と高いステージに上ったのです。この成果を発展的に継承し、質的な飛躍を実現することが、私の使命であると考えます。

今や、本学には、教育、研究、社会貢献、国際化のすべての領域で、明治大学独自の際立った個性を確立し、他の大学を先導すること、「時代をリードする大学」へ飛躍することが求められています。その実現に向けて新たな地平を切り拓くとともに、さらには「世界に発信する大学」としての役割を担うことが期待されています。

このためには、まず、「時代をリードする教育」をめざして、明治大学独自の個性的な教育体系を国際化の地平の上に、築いていきます。例えば、学部横断型の国際的教育プログラムや海外留学推進プログラムを全学的に支援していくことや、学部と大学院・法科大学院・専門職大学院との連携を強化して、教育の国際化と高度化を図ることが考えられます。また、グローバル化社会において求められる人材として、深い専門知識に裏付けられた論理的思考力と、異文化理解や人類愛への共感に支えられた豊かな教養とを備え、未来開拓力のある学生を育成することが大切です。

さらに、「時代をリードする研究」を実現するため、国際化に対応した環境の整備、次の時代の明治大学を担う若手研究者の育成、女性研究者の活動支援などにこれまで以上に力を注ぐことが必要です。加えて、各種の国際的研究拠点を整備・拡充することや海外協定校との国際共同研究や研究クラスターを支援することなどにも取り組みます。また、豊かな創造的発想が妨げられないように、研究環境の積極的な改善が急がれます。

私たちは、一つの扉を開きました。そして、次に開くべき新たな扉も見えています。当初、本学にとって画期的な出来事として誕生した状況が、日常へと進歩し、今後はさらに深化と拡充を通じて、次の革新、これまでとは異なる質的な飛躍に結びつけることが求められています。

教学の前進と発展に、ご理解、ご協力賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。