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私大初 「熟議2012 in 明治大学」を開催

「有意義な熱議が展開されるよう」と福宮副学長(当時) 行政と企業が協働して何ができるか。活発な意見交換が行われた

明治大学は3月31日、文部科学省と共催で「熟議2012 in 明治大学」を駿河台キャンパス・アカデミーコモン2階で開催した。これは、2010年から文部科学省が行う取り組みの一つで、大学が地域との共生・共同関係を発展させる取り組みの支援として、異なる立場の人々が一体となって地域の課題解決や政策形成の好循環を考えることを目的として行われているもの。私立大学での開催は初めてとなった。当日は、自治体、市民、NPO関係者と明大からも教職員、学生ら約120人が参加した。

冒頭あいさつに立った福宮賢一副学長・社会連携機構長(役職は当時)は、1997年の成田社会人大学開講に始まる本学の社会連携の取り組みについて紹介し「大学の知的財産を社会へ還元し、地域との出会い、ふれあいの中で得た感動を教育・研究にフィードバックする。この好循環を構築していくことが本学の社会連携の形」とさらなる社会連携の推進に意気込みを見せるとともに、熟議の成功を祈念した。続いて合田隆史文部科学省生涯学習政策局長は「明治大学は、社会連携、生涯学習に係る取組みを率先して実践している。熟議は全国の国公立大学でこれまで開催してきたが私立大学でははじめて」と期待を寄せた。

熟議のテーマは「地域の活性化について考える~地域との協働~」。「地域の再生」「地域のブランド」「地域とのつながり」の3つのサブテーマについて(1)被災地学習支援(2)過疎地域(3)地域デザイン(4)市民参加(5)地域連携(6)地域での学び(7)行政と企業の協働(8)子育て支援をグループテーマとして8つに分かれて議論を展開した。年齢や職業など異なった背景を持つ参加者たちは、各グループテーマに関する意見などを出し合い、課題・問題点の内容や背景を熟慮し議論することで、解決方法や対応策について整理し、今後の展開などについて意見交換をした。3時間にも及ぶ熟議の最後には、各グループで交わされた議論の内容を発表し合い、それぞれ意見や考え方などについて全員が興味深く聞き入った。

平林正吉文部科学省生涯学習推進課長は、明治大学が各地で行う地域連携がベースとなって熟議が展開された点について「テーマ設定がうまくいき、各グループとも熟度が高くとても驚いた」と講評。閉会のあいさつに立った大友純リバティアカデミー長・社会連携副機構長(商学部教授)は、「色々な価値観をもった人々が集まり、意見をぶつけ合うことで新しいアイディアを創出する。このような方法をそれぞれの活動の場で生かしてほしい」と熟議の意義を述べた。

明治大学と五つの地域の人々をつなぐ『地域再生物語』発行



平成19年度文部科学省委託事業「社会人学び直しニーズ対応教育推進プログラム」として、全国5地域(長野県飯田市、群馬県嬬恋村、和歌山県新宮市、鳥取県、長野県長和町)と3カ年にわたって取り組んだ広域地域連携事業が一冊に。連携講座をきっかけにその後も地域の特性を活かした地域活性化や再生に取り組む受講生の方々を取材し、その活動を紹介している。

:明治大学社会連携機構
発売所:丸善出版
定価:1400円(税別)