最初に神山教授が、経験や勘に基づく知識「暗黙知(あんもくち)」にふれると、玉三郎氏は自らを口伝で「暗黙知」を教わった最後の世代だとし、義父・十四代守田勘弥の元での内弟子(住み込み)時代の経験を例に上げ「師匠や主人の日常生活の立ち振る舞いから、その人が1番大事にしていることを見るのが学びであり、それを見せることが教えること」と、古来の教育方法である徒弟制の意義を語った。また情報化社会についても「映像や情報から学ぶだけでは先行きが見通せなくなる」と危惧する一方で「変化を否定するのではなく、その中で真実を模索し、自分がどのように歩いていくかを見定めることが大切」と述べた。
歌舞伎の舞台上での、客観と主観を同時に持ち、観客を物語に引き込むために“体と心を殺す”工夫などについても語られ、講演テーマでもある“こころとかたち”については「様式美の世界では、形を間違えては伝わらない。正確なことを習得することで、そこに魂を込め、人に思いを伝えることができる」と、伝統芸能における型の伝承の重要性を強調した。
最後に玉三郎氏は、講演の総括として学生に「情報に惑わされず、実物をよく見ること、体験することを大切にしてほしい」との言葉を贈った。
歌舞伎の舞台上での、客観と主観を同時に持ち、観客を物語に引き込むために“体と心を殺す”工夫などについても語られ、講演テーマでもある“こころとかたち”については「様式美の世界では、形を間違えては伝わらない。正確なことを習得することで、そこに魂を込め、人に思いを伝えることができる」と、伝統芸能における型の伝承の重要性を強調した。
最後に玉三郎氏は、講演の総括として学生に「情報に惑わされず、実物をよく見ること、体験することを大切にしてほしい」との言葉を贈った。