Go Forward

専門職大学院生の社会貢献活動の一環として町田市にある日本聾話学校(西海明延校長)を訪問した。乳児から中学部まで約100人の生徒が学ぶ校舎は閑静な佇まいである。今回は中学部2年生の7人を対象に、「経営と会計とは?」という内容で、日頃は受講する側の学生が教師役となって、わかりやすく講義するというものであった。授業が始まるまでの緊張感は生徒の真剣な眼差しや積極的な発言に救われ、やがて和気藹々とした雰囲気のなかで予定の1時間が過ぎた。授業のあとは全生徒と一緒に給食をいただいたが、そのぬくもりと味わいは何十年ぶりに心身ともに温まるものであった。

当該校が直面する経営上の課題は少なくないが、教職員、生徒、家族が一体となっての学校支援と、「陰徳」として寄せられる浄財をもとに清々しく運営されている姿に感銘を受けるとともに、教育の原点を再確認した。校長の「教育とは信じて待つこと」という言葉も教育に関わる者として肝に銘ずべきものである。

まもなく明治大学にも巣立ちの季節が訪れる。母校を去りゆく者たちの行く末をこれからも「信じて待つ」という気持ちで見守りたい。