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第4回明治大学連合父母会文学賞

阿久悠作詞賞大賞は水竹亜利沙さん(文3)の『逆走シンデレラ』



第4回明治大学連合父母会文学賞の表彰式が2月20日、駿河台キャンパス紫紺館で執り行われた。阿久悠作詞賞は、等身大の女の子の気持ちを描いた水竹亜利沙さん(文3)の『逆走シンデレラ』が大賞に輝いた。同佳作には、林田こずえさん(国日2)、秋山弘樹さん(理工研2)、福永真梨佳さん(文3)の3人が選ばれた。倉橋由美子文芸賞の大賞は該当者なしだった。同佳作には、遠藤大洋さん(政経4)、亀海史明さん(情コミ研2)、三角莉香さん(文2)の3人が選ばれた。

同文学賞は、学生の意欲的な才能を発掘し、明治大学から優れた人材を輩出すべく、故倉橋由美子氏(作家、1960年文卒)、故阿久悠氏(作詞家、1959年文卒)の名を冠して設けられたもので、明治大学在学生を対象に作品を募集している。今年は、文芸賞に14編、作詞賞に69編の応募が寄せられた。文芸賞の選考は、翻訳家の陣野俊史文学部兼任講師、詩人の管啓次郎理工学部教授、中村和恵法学部教授が行い、作詞賞の選者は、エイベックス・エンタテインメント顧問の飯田久彦氏が務めた。
福宮賢一学長は祝辞で「受賞はこれから作品を書き続けるにあたり大きな原動力となる。果敢な挑戦ほど困難は大きいが、このことが自信になり、挑戦する勇気を与えてくれる」と受賞者たちの今後へ期待を込めた。

倉橋由美子文芸賞の講評として陣野講師は「各審査委員がそれぞれの作品を推したのが、大賞が出なかった理由」と説明した上で、それぞれの作品に対して「『妹は知っている』はエンタメ要素が高く、話が進むにつれて無意味なことがどんどん肥大していく内容に引き込まれた。『島を書く』は文学的要素が高く、島について淡々と語っている。文章力が高いのに、書く対象が定まっていないのがもったいない。『鬼籠り山』は人食をする鬼の話。ただのファンタジーで終わらせず、知識を高めてより内容に深みを持たせて欲しかった」と評した。

作詞賞を選考した飯田氏は、阿久悠氏との長年にわたる仕事に触れた上で、「阿久先生であったらこれを選ぶだろうという詩を選んだ。先生は作詞をする際に、時代にないものを見つけること、人が思いつかないような視点を持つこと、そしてタイトルの3つの要素を大事にしていた」と選考の基準となる考えを示した上で、「現在の時流においては、曲ありきで詩を書きタイトルをつけるが、私は詩に合わせて曲を書くほうが好ましいと考えている。そういった意味で、プロからは絶対に出てこないだろう詩がたくさん見られた」と明大生の瑞々しい感性を評した。さらに、今回は飯田氏の特別な計らいで、大賞受賞作品に、若手の作曲家と声楽家の協力により、曲が付けられデモテープが作成された。

続いて受賞者一人ひとりから、受賞の喜びと感謝が述べられた後、阿久悠作詞賞大賞作品の『逆走シンデレラ』の曲が披露されると、アップテンポな曲調に会場は、一気に明るく和やかな雰囲気に包まれた。

第4回 連合父母会文学賞

第一部門 倉橋由美子文芸賞

佳 作 「妹は知っている」遠藤 大洋(政経4) 
佳 作 「島を書く」亀海 史明(情コミ研2)
佳 作 「鬼籠り山」三角 莉香(文2)

第二部門 阿久悠作詞賞

大 賞 「逆走シンデレラ」水竹 亜利沙(文3)  
佳 作 「ブルースが薫る」林田 こずえ(国日2)  
佳 作 「いつかのセピア」福永 真梨佳(文3)  
佳 作 「そろそろ知るべきなんじゃないのか 本当の痛みや憎しみを」秋山 弘樹(理工研2)