明大生が書評を競う「第3回明治大学図書館書評コンテスト」の表彰式が2月1日、駿河台キャンパス中央図書館多目的ホールで執り行われた。今年度の応募作品は全41編で、図書館運営委員や同司書らによる厳正な審査の結果、優秀賞3編をはじめ12人が下表のとおり受賞した。残念ながら最優秀賞の該当はなかった。
本コンテストは、学生がより読書に興味を持ち積極的な図書館活用を促すことを目的とするもの。対象は明大生で、明大図書館が所蔵する本を1冊選び、800字以上1200字以内で評する。
表彰式では、金子邦彦図書館長(情報コミュニケーション学部教授)から、受賞者一人ひとりに表彰状が手渡されるとともに、関係者から副賞が贈られた。
続く講評で金子図書館長は、昨年よりも応募数が減ったものの、多彩な作品が集まったとした上で、「図書の理解と、その表現方法は年々向上しているように思えるが、分析をし過ぎてしまい、読みたいと思わせる魅力を失わせている書評もあった。時にはその理解を読者の手に委ねることも必要だ」と述べた。
また、応募の傾向に触れ、「理系学生からの応募が少ないこと、誤字脱字が目立ったことは残念だ」と述べつつも、「マンガを書評した作品もあり、マンガ図書館のある明大としては喜ばしいことだ」と明大が所蔵する本の多様性が表れているとした。最後に、「より良く読み、より深く考え、より良く書く機会にして欲しい」と述べ、受賞者らの今後の活躍に期待を込めた。
本コンテストは、学生がより読書に興味を持ち積極的な図書館活用を促すことを目的とするもの。対象は明大生で、明大図書館が所蔵する本を1冊選び、800字以上1200字以内で評する。
表彰式では、金子邦彦図書館長(情報コミュニケーション学部教授)から、受賞者一人ひとりに表彰状が手渡されるとともに、関係者から副賞が贈られた。
続く講評で金子図書館長は、昨年よりも応募数が減ったものの、多彩な作品が集まったとした上で、「図書の理解と、その表現方法は年々向上しているように思えるが、分析をし過ぎてしまい、読みたいと思わせる魅力を失わせている書評もあった。時にはその理解を読者の手に委ねることも必要だ」と述べた。
また、応募の傾向に触れ、「理系学生からの応募が少ないこと、誤字脱字が目立ったことは残念だ」と述べつつも、「マンガを書評した作品もあり、マンガ図書館のある明大としては喜ばしいことだ」と明大が所蔵する本の多様性が表れているとした。最後に、「より良く読み、より深く考え、より良く書く機会にして欲しい」と述べ、受賞者らの今後の活躍に期待を込めた。
受賞者を代表して謝辞を述べた高木玲さん(情コミ4)は、「2年ほど前まで、まったく本を読まなかった」と衝撃のカミングアウト。読書にいそしむようになったきっかけを「東日本大震災直後の菅直人首相(当時)の答弁を、猪瀬直樹氏(現東京都知事)が、『この人は本を読まない人だ』と揶揄していたのが、まるで自身に言われているように聞こえ、本を読むようになった。それ以降、本当に幸せに浸ることができるようになった。この喜びを皆さんにも知ってほしいと思う」と語り、関係者への感謝の言葉とともに、読書の喜びをこれからも伝導していく意欲を溢れさせた。
図書館では2013年度にも第4回目となるコンテストを予定している。応募詳細は、4月以降に図書館ホームページ等で発表される。
図書館では2013年度にも第4回目となるコンテストを予定している。応募詳細は、4月以降に図書館ホームページ等で発表される。
好きな本を好きと言える機会 文学部3年 藤倉 雪絵
この度は書評コンテストにおいて佳作という賞をいただき、誠にありがとうございます。
私がこのコンテストに応募しようと思った理由は極めて単純なものです。それは「自分の好きな本の事を好きなように語りたい」と思ったことでした。
書評を書くという行為は私にとって好きな本ともう一度向き合い、その作品のどういった点に感動したのかを見つめなおすという作業でした。本来ならばもっと客観性を持って書くべきなのだと思いますが、今回応募するにあたって私が大事にしようとしたのは「自分が思うその本の魅力を最大限に引き出し文章化する」ということです。自分のその本に対する愛情を素直に出すことが、書評を読む人にも「すごい本だ」と思ってもらえることに繋がると思ったのです。
そうして書き上げた書評が結果的に佳作という賞をいただき、大変嬉しく思いますが、それ以上に『曾根崎心中』という本のタイトルが今までよりも多くの人の目に触れるきっかけになったのかもしれないと思うと、心から応募してよかったと感じられます。また他の受賞者の方が取り上げた本を知ることで、自分の興味関心も広げることができました。
自分の好きなものだけに執着するのはもったいないことだと思うので、書評コンテストというイベントを通して他の方が薦める本にも目を向ける機会を与えてくださった明治大学図書館の関係者様方、審査員の方々には大変感謝しております。ありがとうございました。
私がこのコンテストに応募しようと思った理由は極めて単純なものです。それは「自分の好きな本の事を好きなように語りたい」と思ったことでした。
書評を書くという行為は私にとって好きな本ともう一度向き合い、その作品のどういった点に感動したのかを見つめなおすという作業でした。本来ならばもっと客観性を持って書くべきなのだと思いますが、今回応募するにあたって私が大事にしようとしたのは「自分が思うその本の魅力を最大限に引き出し文章化する」ということです。自分のその本に対する愛情を素直に出すことが、書評を読む人にも「すごい本だ」と思ってもらえることに繋がると思ったのです。
そうして書き上げた書評が結果的に佳作という賞をいただき、大変嬉しく思いますが、それ以上に『曾根崎心中』という本のタイトルが今までよりも多くの人の目に触れるきっかけになったのかもしれないと思うと、心から応募してよかったと感じられます。また他の受賞者の方が取り上げた本を知ることで、自分の興味関心も広げることができました。
自分の好きなものだけに執着するのはもったいないことだと思うので、書評コンテストというイベントを通して他の方が薦める本にも目を向ける機会を与えてくださった明治大学図書館の関係者様方、審査員の方々には大変感謝しております。ありがとうございました。
第3回図書館書評コンテスト受賞者
優秀賞 | 受賞者名 | 書評作品 | |
---|---|---|---|
高木 玲(情コミ4) | 『夢みる科学』(佐治晴夫著、玉川大学出版部) | ||
羽生真志(文4) | 『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一著、講談社) | ||
三浦直人(文2) | 『橘曙覧全歌集』(水島直文・橋本政宣編注、岩波書店) | ||
特別賞 | 紀伊國屋書店賞 | 勝俣翔多(商4) | 『岡本太郎に乾杯』(岡本敏子著、新潮社) |
三省堂書店賞 | 浅沼駿孝(法3) | 『軍艦大和』(吉田滿著、銀座出版社) | |
三省堂書店賞 | 成田紗絵(文3) | 『邪悪なものの鎮め方』(内田樹著、バジリコ) | |
丸善株式会社賞 | 新野孝駿(経営4) | 『方丈記』(鴨長明著・市古貞次校注、岩波書店) | |
佳 作 | 藤倉雪絵(文3) | 『曾根崎心中』(角田光代著・近松門左衛門原作、リトルモア) | |
井出 薫(商2) | 『「空気」の研究』(山本七平著、文藝春秋) | ||
柳井孝太(文3) | 『イスラームの日常世界』(片倉もとこ著、岩波書店) | ||
高須拓夢(政経研1) | 『ODAの現場で考えたこと』(草野厚著、日本放送出版協会) | ||
清水勇樹(文研2) | 『狭き門』(ジッド著・山内義雄訳、新潮社) |