Go Forward

3・11に千代田区帰宅困難者対応訓練を実施

消火剤が噴射されるのは約15秒間。「火事だぁー!」と大声で叫ぶことも肝心だ(リバティタワー2階のふじ棚広場) 三角巾を使用しての応急手当。繰り返しの訓練が命を救う(リバティタワー地下の体育館)

明治大学は東日本大震災から2年となった3月11日、本学と駿河台キャンパスが位置する千代田区との間で締結されている「大規模災害時における協力体制に関する基本協定」に基づき、震度6弱の地震発生を想定した訓練を駿河台キャンパスで実施。学生・教職員をはじめ、千代田区職員、神田消防署員やボランティアなど約100人が参加した。

各キャンパスで、校旗を半旗掲揚にして弔意を示された中で行われたこの日の訓練は、福宮賢一学長も駆けつけ、黙祷が捧げられてから開始された。

今回の訓練は、千代田区の主導によるもので、2年前の混乱や恐怖体験から「いざという時、訓練以上のことは出来ない」との教訓に基づき、区内広域にわたって実施された。

明大では、神田消防署の協力のもと、一斉防災訓練(シェイクアウト訓練)に続き、初めてとなる帰宅困難者対応の訓練では、受入準備、人員管理、水・携帯トイレ・ビスケットなどの物資提供や情報提供の運営訓練が行われ、初期消火や傷病者応急手当の訓練とともに、約3時間に渡って実施された。

特に、千代田区は大規模な火災や延焼がないとされる地域のため、その場にとどまり、冷静に状況を判断し、助け合いながら数日間を生き延びる『共助』としての帰宅困難者の受入訓練が行われた。

国の機能が回復し助け(公助)が到着するのを待つ地域であることも確認されるなど、参加者全員が意識を共有しながら行う意義深い訓練だった。

参加した学生は、「ややもすると、3・11の記憶が風化してしまいそうになるが、自分自身も2年前には帰宅困難者になったことを想い出した。有事の際は、今日の体験(訓練)を活かしたい。また、繰り返し訓練することの大切さを実感した」と防災意識を高めていた。

和泉キャンパスでは、エレベーター内閉じ込め者救護訓練や消火栓取扱訓練が3月9日に、地震発生を想定した屋上からの救出訓練が3月15日に、杉並消防署と合同で行われた。