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祝辞「個の力を発揮し、世界に羽ばたけ」 理事長 日髙 憲三

卒業生諸君、ご卒業おめでとうございます。また、卒業生のご家族の皆様方におかれましては、晴れの日を迎えられたことを心よりお祝い申し上げます。入学前と比べて見違えるように成長した卒業生の姿に感慨もひとしおと存じます。

さて、学生生活を振り返ると、諸君の胸にはどのような思いが込み上げてくるでしょうか。出会った数多くの友。ゼミナールや研究室における勉学と研究の日々。異文化を肌で感じた留学。部活動、サークル活動をはじめとした課外活動。明大生としての誇りを感じたスポーツ応援。そして、恩師の厳しい指導の下、学業の集大成として作り上げた卒業論文や研究発表。諸君は、明治大学の建学の精神「権利自由」「独立自治」の下、学生生活の1コマ1コマにおいて挑戦と挫折を繰り返しながら、少しずつ、知識と教養を蓄え、徳を養い、心身の逞しさを増していきました。そして、責任感、倫理観、道徳心、知恵、情熱、挑戦する心、リーダーシップといった強い個性を磨き、社会に巣立つための準備をしてきたのです。

いま、世界は激動の時代を迎えています。国家の統治機構や既存の枠組みは、グローバリゼーションの進展、情報技術の発展、人々の価値観の多様化によって、そのあり方を変えつつあります。先行き不透明な時代、こんな時代だからこそ、卒業生諸君は、他人や環境に身を委ねるのではなく、自身の手によって将来を切り拓いていく気概を持ってください。

これからの人生で、諸君は幾多のターニングポイントを迎えます。そのとき失敗を恐れて、安易な選択をしてはなりません。何事にも好奇心を持ち、まず、挑戦してください。日々の小さな努力の積み重ねは、やがて大きな成長に繋がります。他人や環境を変えることはできませんが、自分の行動は、心がけでいくらでも変えられます。新しい価値観を創出し、時代を担っていくのは諸君なのです。

今日、諸君は卒業の日を迎えましたが、「卒業」は、教育課程における一つの区切りであり、学ぶことに終わりはありません。これからも自己研鑽を怠ることなく、本学で磨き上げた「個の力」を存分に発揮し、社会に貢献する人間に成長していくことを願っています。そして、明大生としての誇りを持って、世界に羽ばたいてください。

結びになりますが、諸君の選択した進路に幸多きこと、卒業生ひとりひとりの光り輝く個性が、未来を明るく照らすことを心から祈念し、はなむけの言葉といたします。

【卒業式次第より転載】