拡大から縮小へと向かう社会におけるまちづくりは、如何にあるべきか——本書は、この新しい問いに対する答えを、「縮小社会」の先輩ともいえるヨーロッパの経験に学びながら見いだそうとする、意欲的な良書である。
拡大の時代には、次々と新しい「まち」をつくるため、効率的に都市を計画することが重んじられた。しかし縮小に向かう現在では、いまある環境を資産として受け継ぎながら、再生していくことこそが課題なのだ。そこでは必然的に「サステナブル」という視点が召還される。
課題が刷新されたのだから、これまでの技術体系も再編が必要となる。本書で紹介されているのは、まちづくりを通じてサステナブルな社会を実現するための広範な技術であり、方法論である。
ただし、本書の内容は、技術論にとどまるものでないことも付け加えたい。グローバル化が進む現在において、「サステナブルなまちづくり」という視座は、地域に根ざしながら、如何に生きるかを考えるための哲学を形成する、母体ともなりえるのである。
門脇耕三・理工学部講師(著者は元理工学部教授)
拡大の時代には、次々と新しい「まち」をつくるため、効率的に都市を計画することが重んじられた。しかし縮小に向かう現在では、いまある環境を資産として受け継ぎながら、再生していくことこそが課題なのだ。そこでは必然的に「サステナブル」という視点が召還される。
課題が刷新されたのだから、これまでの技術体系も再編が必要となる。本書で紹介されているのは、まちづくりを通じてサステナブルな社会を実現するための広範な技術であり、方法論である。
ただし、本書の内容は、技術論にとどまるものでないことも付け加えたい。グローバル化が進む現在において、「サステナブルなまちづくり」という視座は、地域に根ざしながら、如何に生きるかを考えるための哲学を形成する、母体ともなりえるのである。
門脇耕三・理工学部講師(著者は元理工学部教授)