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国による初の本格調査 ガスハイドレート研が受託実施

メタンハイドレート メタンやエタンなどの炭化水素ガスと水分子がつくる氷状の固体物質。火をつけると燃焼するため、「燃える氷」とも言われ、発電や都市ガスに利用できる新たなエネルギー資源として注目されている。

明治大学ガスハイドレート研究所(代表=松本良特任教授、研究知財戦略機構)は、国の委託を受け日本海上越沖および能登西方海域において、表層型メタンハイドレートの埋蔵量を把握するための広域調査を開始した。国による初の本格的な調査で、今回は6月8日から7月20日までの6週間、海洋調査船「第7開洋丸」を使い、音波で海底の地形や地質構造を把握する。

今回の調査は、これまでの成果を踏まえて、上越沖と能登半島西方で、音波を使用し海底の地形や地質構造を把握する。この広域地質調査で有望海域を抽出し、探査機等を用いての夏以降のより詳細な地質調査につなげる。

今後3年間で計6地点の埋蔵量を調べることを予定している。

松本特任教授の研究グループはこれまでにも、学術調査により、日本海の広い範囲に表層型メタンハイドレートが存在することを明らかにしてきた。2012年10月に駿河台キャンパスリバティタワーで記者発表した調査結果は、次世代エネルギー源の可能性があるとして大きな注目を集めていた。

松本特任教授によるコメント

海洋調査船「第7開洋丸」

6週間のうち、約4週間を上越沖のガスチムニー調査にあて、残りを能登半島西方(隠岐東方)調査にあてる予定です。

具体的には、船底に設置した音響観測装置(サブボトムプロファイラー、マルチビームエコサウンダー)を用いて、海底の微地形、海底直下の地質構造を解明します。リアルタイムで得られた画像データを集積解析し、広域的なガスチムニー分布を評価します。

調査は24時間休まず実施されます。つまり、船は止まる事なく、一定の速度で南北方向に行ったり来たりして、調査海域を面的に調べます。

船上生活は、食事は普通に1日3回で、家族との連絡などは、まれに携帯電話の電波が届くところで急いで話します。緊急の場合や、調査日報の連絡には、船舶電話を用います。

船上では24時間体制で調査するため、必ず誰かが起きていて誰かが寝ているので、キャビン周辺では静かにしています。船上では随時、観測データに基づいて調査計画を更新します。船の調査の最大の敵は悪天候です。調査船がまっすぐに走れなくなるほど風雨が強くなると観測データの信頼性が落ちるので、調査は休止します。最悪の場合、避難入港することもあります。