Go Forward

ボランティアセンター「災害救援ボランティア講座」を開催

明治大学は、千代田区との防災協定に基づく「災害救援ボランティア講座(前期)」を6月8日・9日・15日の3日間で開催し、明大生を含む約20人が受講した。

講座は、NHK・総務省消防庁後援および千代田区支援事業によるもので、災害対処の基本的な心構えと対応を学ぶ「セーフティリーダー基礎講座」、墨田区本所防災館での「災害模擬体験」「上級救命技能講習」などで構成され、計21時間に及ぶ全教程を終えると、災害救援ボランティア推進委員会のセーフティリーダー認定証と、東京消防庁の上級救命技能認定証が交付される。

以下に、今回参加した明大生の体験記で、講座の一端を紹介する。

なお、後期の講座は10月の開催が予定されている。問い合わせ・申し込みは、各キャンパスのボランティアセンターまで。

明治大学と千代田区との防災協定

駿河台キャンパスが位置する東京都千代田区は、日本の政治経済の中枢機能が高度に集積する心臓部にあたる重要な地域であり、昼間区民は85万人に達する。首都圏直下型の大地震が発生した場合、同区全域で50万人に及ぶ帰宅困難者が発生すると想定されている。

地震等の自然災害を予測し回避することは困難ながら、平時から災害に備え、被害を最小限に抑えることを目的に、同区と本学は2004年1月に「大規模災害時における協力体制に関する基本協定」として、(1)学生ボランティアの育成、(2)帰宅困難者等の受け入れ、(3)被災者への備蓄物資提供の3項目を主として協定を締結している。

意外だった「まずは自分を守ること」

人形を使っての心肺蘇生訓練に臨む佐藤さん

国際日本学部4年 佐藤 淳平

来年4月から、国際会議やイベント等の運営を行う会社で働きます。

多くの人が集まる場で働くにあたって、上級救命の資格は持っていてもいいのかなと思い受講を決めました。3日間の講習のうち、2日間は災害時ボランティアについて考える講義でした。それまでの私は、ボランティアというと、「人のため」とか、「無償の奉仕」のようなイメージを持っていました。しかし、ここで教わったことの多くが、「まず自分を守ること」でした。とりわけ、「I know. I know I know. I know you know. I know you know I know.」というフレーズが印象に残っています。まず自分の現状を理解し、何ができるのかを考え、そのうえで周囲の人へ働きかける。自身を客観的に捉え、何ができるのかを考えることなしには、周囲のためには動けないものだと感じました。

何事もなく時間が過ぎれば、今回の講習は忘れていくものです。日々の生活の中で安全について、小さなことにも目を向けながら、学んだことを振り返りたいと思います。

適切な判断を下すリーダーシップの重要性

判断力を養う災害対応カードゲーム グループワーク中の新垣さん(左)

農学部4年 新垣 希美

昨夏にボランティアで被災地を訪れ、復興にはまだまだ多くの人の力が必要だと実感しました。そこで、この講座を通して被災地ボランティアで必要となる知識を得てから、再び貢献したいと思いました。また、実際に大震災に遭遇してしまった時に大切な人たちを守るための技能を身に付けたいとも考え受講しました。

講座の内容は、防災の基礎など座学の講義、心肺蘇生やAEDを用いた実技の上級救命技能講習などでした。最も印象的だったのは、グループに分かれ実際に被災地でボランティア活動を行うことを想定した疑似体験です。私はそこでリーダー役を務めましたが、「メンバーに上手く働きかける」「状況ごとに適切な判断を下す」といったことが求められ、災害ボランティアにおけるリーダーシップの重要性を再認識しました。

この講座で学んだことを活かし、不測の事態に遭遇した時こそ先頭に立てる人間になりたいです。参加して良かったと思える3日間でした。