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世界俳句協会大会 コロンビアで法学部・乾教授が講演

第7回世界俳句協会大会メデジンが9月13~15日、南米コロンビアのメデジン市で開催された。同大会で基調講演を行った法学部の乾昌幸教授の報告を紹介する。

世界に広がる俳句の豊かさ

俳人夏石番矢として活躍する乾教授

乾 昌幸法学部教授


日本とは地球のほぼ裏側にあたる南米コロンビアで、第7回世界俳句協会大会メデジンを終えて、長い空路を経て帰国した。

世界俳句協会は、2000年にスロヴェニアで創立され、その後2003年から隔年で大会を開き、ブルガリア、リトアニアなどのヨーロッパ以外では、2007年と2011年は明治大学を会場に開催した。

今回は南米初開催。前夜祭を含めて9月13~15日までの会期。コロンビアのメデジン市ベレン図書館公園講堂がメイン会場。コロンビア政府、メデジン市、現地日本大使館関係者のあいさつもオープニングで聞かれた。
大会主催は、コロンビア会員のフアン・フェリペ・ハラミッジョ。医者かつ日本精神文化研究者。世界俳句協会大会の定番通り、各国からの講演、参加者による俳句朗読、共同討議が、開催国の第一言語であるスペイン語を中軸に、英語、日本語同時通訳も動員された。

今回はスペイン語による句集や応募俳句を審査する、第1回メデジン市俳句コンテストも併催され、コロンビアに限らず、スペイン語圏である中南米諸国やスペインなどのヨーロッパからの投句があった。応募俳句部門第1位は、メデジン在住の詩人による次の一句。単純さと深みのある秀作。〈これ壺/こんなに空虚でいっぱい/夜のように ラウル・オルティス〉

私の基調講演では、ノーベル賞受賞者のメキシコ詩人オクタビオ・パスの俳句に近い三行詩、代表詩人ラウル・エナオによるコロンビア秀句、松尾芭蕉の「古池や」の前衛性などに触れた。コロンビア詩人による討議では、高い精神性の表現に焦点が当る。

朗読は、大会のための選句集『空壺』(トドグラフィカス社)から。作者の人間性が肉声によってにじみ出て、世界に広がった俳句の豊かさが味わえた。〈私のノート/午後一滴ずつ/青い難破 クラウディア・セシリア・トゥルヒッジョ〉〈他の誰か一歩/道が爆発/やがて松葉杖 ルイス・エステバン・パティーニョ・クルス〉