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人文科学研究所 公開文化講座「Theatrum mundi—世界は劇場—」を開催

軽妙かつ熱のこもった掛け合いを見せた髙山教授(右)と桃山氏

人文科学研究所は10月26日、「Theatrum mundi(テアトルム ムンディ)—世界は劇場—」と題する第37回の公開文化講座を開催。国際日本学部の髙山宏教授、研究・知財戦略機構の中沢新一特任教授(野生の科学研究所長)、「水族館劇場」代表の桃山邑氏の3人が演劇や劇場文化などをテーマに、それぞれ1対1の対談を3部構成で行い、会場を訪れた演劇ファンらを大いに沸かせた。

冒頭、総合司会の髙山教授が「演劇の“背後”にあるものをどう考えるのか。僕自身、今日の対談を大変楽しみにしている」とあいさつ。桃山氏の自己紹介の後、演劇界で異彩を放つ「水族館劇場」の紹介DVDが上映された。

数トンの水を使った演出や大がかりな舞台装置など、既存の劇場空間ではまず不可能な野外劇ならではのスペクタクルや、個性あふれる役者たちのパフォーマンスがスクリーンに次々と映し出されると、来場者は映像に釘づけとなっていた。

続いて、対談の第1部として髙山教授と桃山氏が対談。「演劇がダメになったのは、常設劇場ができて役者が“歩く”ことをしなくなってからだ」と髙山教授が 持論を展開すれば、「演劇と“漂流”することには強いつながりがある。僕自身、何もないところからつくり上げていく方が性分に合っている」と桃山氏が応じるなど、2人の掛け合いに客席からは度々笑いや歓声が起こった。

対談の第2部として中沢特任教授と桃山氏、第3部として髙山教授と中沢特任教授の対談も行われ、会場を盛り上げた。