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理工学部 アイロボット社CEOが特別講演

「私は楽観主義者。うまくいかなくても何も失うものはない」とアングル氏

理工学部は2月19日、世界にブームを巻き起こしたロボット掃除機「ルンバ」で知られるアイロボット社のCEO(最高経営責任者)で創設者のコリン・アングル氏を招き、「これからロボット産業を担う君たちへ」と題した特別講演を生田キャンパスメディアホールで開催した。同氏は会場を埋めた約300人の学生らを前に、ルンバ開発に至るまでのエピソードも交えながら、「失敗は成功の一部だ」などと熱弁を振るった。

講演でアングル氏は、これまで多くのロボットに関する事業を立ち上げては失敗してきた経験を告白した上で、「成功する起業家も、ほぼ全員が何度も失敗している。10回のうち1回しか成功しなくても、その1回が1000倍の利益を生むかもしれない」と語り、「完璧なプランがなくても、とにかく始めてみればいい」と学生らに起業を勧めた。

講演後は、会場からの質問にアングル氏が答える「対話式講義」が行われ、この貴重な機会を逃すまいと学生を中心に多くの手が挙がった。

「ロボットのコストは高すぎるのではないか?」との質問に対し、アングル氏は「とても良い質問。リスクを取ることは気にしないが、高すぎるから誰も目を向けて くれないのではどうしようもない」と回答。その一方で「革新的であり、ベストな製品を開発するのにはお金がかかる。私の戦略はベストであることなので、 (アイロボット社は)一番安いものを売る会社にはならない」と力説した。

商学部2年の女子学生は「今日の楽しい講演と、ルンバをつくって くれたことに感謝したい。ルンバのおかげで、母親はテレビを見る時間ができた」とお礼を述べた後で、「ロボットは人間を怠惰にはしないか?」と質問。アン グル氏は「人間が怠惰になってしまうのは、ロボットの責任ではなく社会としての課題。ちゃんと働いて社会に貢献することを我々は続けていかねばならない」 と答えた。

他にも会場から多くの質問が寄せられ、アングル氏は笑顔や身振り手振りを交えながら、一つひとつ丁寧に対応していた。