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政治経済学部 ケンブリッジ大 歴史学者エバンス卿が講演

歴史の類似性などについて、熱のこもった講演をしたエバンス卿

政治経済学部は4月4日、ケンブリッジ大学ウォルフソン・カレッジの学長で著名な歴史学者のリチャード・エバンス卿を招き、「1914/2014:歴史からの警告?」と題した講演会を駿河台キャンパス・リバティホールで開催した。エバンス卿は、第一次世界大戦勃発から100年の節目となる今年、歴史を振り返り、戦争について再考することの重要性について説き、会場を訪れた学生ら約150人は熱心に耳を傾けていた。

今回が初来日のエバンス卿は、夫人とウォルフソン・カレッジ開発部長とともに本学を訪問。講演前、福宮賢一学長や勝悦子副学長(国際交流担当)らと貴賓室にて懇談した。エバンス卿は「ウォルフソンの日本人在籍生は現在ごく少数。優秀な明大生を歓迎している」などと今後の関係構築に前向きな姿勢を示した。
講演会では、政治経済学部の八木尚志教授が進行を担当。同学部の大六野耕作学部長が冒頭あいさつに立ち「過去に学んだはずの教訓を我々は忘れがち。昨今、日中韓にみられる争いは不必要。歴史から学び、不必要な争いを無くしていくべき」と講演の意義を述べた。

続いてエバンス卿が登壇し、近年、英米ジャーナリストや歴史学者らが活発に1914年と現代の国家対立の類似性を指摘していることを紹介。地域紛争が世界 大戦へと拡大した第一次世界大戦の経緯に触れ、「次に世界大戦が始まる可能性にある地は、情勢の不安定さがバルカン地域と酷似する中東だ」との見解を示し た。最後にこの100年での変化を戦争観から探り、「争いを美化していた時代とは異なり、我々は一人の戦死を嘆き、命を尊ぶ心を持っている。いくら争いが 残ろうとも歴史を忘れず、大戦へと拡大させない協力がなされる国際社会を期待しよう」と結んだ。