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法学部 Law in Japan Programを開講

海外13カ国から21人が参加、日本の法と法制度を学ぶ

笑顔があふれたフェアウェルパーティー 真剣な表情の受講生たち

法学部は、日本の法と法制度を英語で学ぶ夏期短期プログラム「Law in Japan Program」を7月28日~8月8日に開講。今回は、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、アメリカ、カナダ、中国、ブラジル、インド、インドネシア、シンガポール、台湾、モンゴルの13カ国・地域の学生・社会人21人と、法学部の1年生3人の計24人が参加した。

授業では、憲法、刑事手続、民事法、家族法、企業法、競争法、租税法、労働法、情報法、知的財産法、国際法、さらに司法制度の発展や法曹制度などを取り上げた。質疑応答では受講生から活発な質問や発言があり、出身国の法律や法制度と日本のそれとを比較した質問・発言も多く聞かれるなど、理解度の高さをうかがわせた。

また、授業で学んだ知識をより具体的かつ豊かなものとするために、地方裁判所、検察庁、刑務所、国会(衆議院法制局)、企業法務部および法律事務所へのフィールドトリップも行った。

フィールドトリップ先では、受講生が司法、立法、行政および企業の実務の「現場」において日本の法や法制度への理解を深められるよう、訪問先担当者によるレクチャーと質疑応答を実施。とりわけ、受講生の関心・満足度が高かった地方裁判所での裁判傍聴後には、日本の刑事および民事の裁判実務や裁判員制度に関する熱心な質問が相次いだ。

プログラムを受講したインド国籍の学生、ルシラジ・バラクマー・サンハビさんは「幅広い知識をたった2週間で身につけられるだけではなく、フィールドトリップも実践的で素晴らしかった」と感想を語った。また、カナダ国籍の日本語教師、ケイト・ファンさんは「日本に興味を持っている世界各国からの参加者と知り合いになれることも魅力」と満足そうな様子だった。

最終日には、修了証授与式およびフェアウェルパーティー(送別会)が催され、受講生、担当講師とプログラム・アシスタントが思い出を語り合った。法学部では2015年度も、夏期に「Law in Japan Program」の実施を予定している。

日本の法を世界へ発信するために

法学部 小室輝久准教授

英語による日本法短期プログラムは、本学のほか、立命館大学と中央大学が実施している。本学プログラムの特色は、(a)ビジネス分野だけでなく日本法の全分野にわたる内容であること、(b)授業の多くを日本人の本学専任教員(本年度10人)が担当していること、(c)フィールドトリップが充実していることにある。受講生が少人数である分受講生と教員、また受講生同士の交流の機会が多く、外国人学生の関心を引く授業内容と国際通用性のある教授方法に対する参加者の満足度も非常に高い。

本プログラム参加者のうち、本学法学部又は大学院法学研究科への長期留学を希望する外国人は、外国法の一つとして日本法を学びたい法学専攻の学生、日本学研究の一環として法を学びたい学生、実務に必要な日本法の知識を得たい弁護士や司法修習生などである。これらの外国人の多くは、日本法の特定の分野について1年間、英語で学ぶことを望んでいる。彼らが日本法を学ぶことは、大学の視点からは日本法を世界に発信することである。外国人の法学部生や法曹にも日本法は思いのほか知られておらず、日本法を日本語で学ぶ学生を待つ状況ではないと感じている。

現在は、過年度のプログラム参加者を協定留学生又は客員研究員として受け入れる態勢をとっているが、加えて英語で授業を履修する短期留学科目等履修生の受け入れを準備している。学生のモビリティを高め、キャンパスの多様性を実現するために、受け入れプログラムの充実を図る必要があると考えている。